鉱山からの帰還
集落へと帰る様です。
ぶっ倒れてるルゥスの応急手当てはミィナとリーナが担当し
アンヌやキィーロが『銀狼』の解体を、ケインが周囲警戒を買って出てる。
既に『魔石』を抜き取られる上に首をすっ飛ばされてしまってた
『銀狼』でも素材化するのに一苦労するんでは?
と思ったんじゃがルゥスの激闘のお陰か割合スムーズに終わったらしい。
買取ランクはどうなるか知らんがそれなりに高く売れるんじゃないかの?
まぁその主たる権利者はルゥスにあるんじゃけれどもな。私らお邪魔虫だし。
「にしてもソラ、良くそんなの見つけたわね。」とルゥスの方を
診終わったミィナが私の方に歩み寄って来る。
(あ。尻尾マトック解除するの忘れてたわ。)慌てず騒がず尻尾を振りつつ
マトックモドキの刃部分を尻尾からポロン。と抜き落してミィナに刃を見せる。
舞台装置と化していたこの空間は基本的には『銀狼』の防御力が反映され
特に戦闘中なんかでは普通の『武器』では傷付き難いじゃろう。
じゃが、この鉱山に『捧げられていた』そのマトックモドキの残骸は彼女らの
特別仕様のメイス同様に『祝福』されているのと同様の効果を『付与』されている。
ならばこそ天井に穴を穿るという行為が可能じゃったと言う訳さ。
あれ?いつの間にそれに『祝福』をってか?種明かしをすると簡単な事でな。
私らが寄った村の祭りで見かけたお祓いを受けてた祭事用の農具や何か達はの、
自らでは身動きできないこれらの道具の身代わりの『拠り代』だったと言う訳よ。
『銀狼』自体に攻撃する事は無理でも鉱脈を掘る。という本来の使い方であれば
御祓いの効果は『本体』にも発揮される。例え今回私が使った様なやり方でもな。
役目を終えたマトックモドキの刃をミィナの手から口で受け取っとく。
正規ルートは使えないからルゥスは男性陣がえっちらおっちらと横道を手足を持って
潜らせて、後は代わる代わる背負って集落へと帰還する事に。
マトックモドキの残骸はさり気なく帰り道で他の道具達と一緒の所へと帰しておく。
残骸とは言えいつかは本来の役目を果たす時が来るかも知れんしな。
「ソラー?何してるの?遅れてるわよー?」とミィナが声を掛けて来た。
再び眠りに付くそれに軽く黙祷するとミィナ達を追ったのじゃった。
村での祭りの効果がこんな所にも及んでたというある意味意外な事実とそれを利用したソラ。次回はルゥスにある出会いがある様で?




