抜け獣道へ
罠を利用する事にした様です。
キィーロ達が支道の崩れた部分を注意深く確認している。
やはりリーナが確認した様に崩れた岩が詰まってて
ちっとやそっとでは崩れた岩を除けて通り抜けられそうにないらしい。
「ルゥスが通った時に『魔狼』達がワザと落盤させたんだろうが
これじゃ先に進めそうにないな。」とキィーロが悔しそう。
(成る程。穴掘りの要領で正解の道を塞いだのか。ちゃっかりしてるな。)
これは間違い無くさっきの連中の仕業なんじゃろうな。
(『ストレージ』の中のマトックモドキの残骸を使うか?いやしかし)
こっちはど素人だしのぅ。下手に掘っていいものか。
「キューイ。」アンヌは今度は肩にヒューイに止まらせて周りを伺ってる。
噛まれた腕の方はリーナが念には念を入れて消毒しきず薬を塗って包帯モドキを巻いてある。
「にしてもさっきの連中、ここから来たのにしては数が多すぎない?」
とアンヌが首を傾げて疑問を発した。
(確かに支道を落盤させるのにしては頭数が多過ぎなのは否めんが。)
と『MAP』を観つつ考える。周辺には赤い点は殆どいないんじゃが。
(えーと。何か見落としている様な。)
「それはハズレの方の支道の『魔狼』達が合流したに決まってるじゃん。」
とミィナが当然。という顔をして答えておるけど、私が求めてる答えはそれで無くてじゃな。
「まだ他にも隠れてる奴がいるかも知れないわね。ここにいたんじゃ不味いんじゃ。」
とリーナが周りを確認しつつ移動を促す。
(それは大丈夫じゃ。壁の向こう側には『魔狼』はおらんしの。)
リーナが心配してるのは穴掘りで新たな穴を・・・あっ。
(忘れてた!あ奴ら横穴掘って連携プレーが出来るんじゃった!!)
不正解を利用してそこで袋叩きに出来るという事はそれをこちらが応用すればいいんじゃ!
私は閃いた!という感じで身近な横壁に駆け寄りガリガリと前脚で掘り出した。
えー何やってるの?という顔付きで皆に注目されとるが早く誰か気付いてくれーー!!
「『魔狼』の真似してそんなトコ掘ったって横の支道に繋がらないわよ。」と苦笑するミィナが
私を抱き上げ様とするが、はっと気付いたケインがそれを制した。
「待つんだ。そうか、あいつらの掘った横穴を利用する手があったんだ!」と意気込む。
大人ではつっかえてしまう様な横穴でも学生なミィナ達なら抜けられる。
私達は取って返すとあえて不正解な支道を選び横穴を確認しつつ先を急ぐ。
旨くいけば正解の道に抜けられる横穴を造って貰えるかも知れんしの。
坑道での作業に於いては狭い場所では子どもを使う事もあったそうですが、鉱夫代わりの『魔狼』達が掘った穴ならばサイズ的にはこちらも使えるだろうという訳で。次回はようやくルゥスにミィナ達が追いつく様ですが!?




