塞がれた道
塞がれてしまった様です。
レベルアップを済ませたヒューイの羽毛は以前よりも
白い部分が広がり羽根に刻まれている属性紋の色も濃い茶色から
光沢の無い金色へと変化し始めている様である。
「キュィ?」と首を傾げて自分で風を操る感覚を確認していたが
壁から水場に注ぐ水の流れで噛まれた部分の手を洗っていた
アンヌが様子を見る為に噛まれて無い方の腕に留まらせ様と
腕を差し出されるとヒョイとそっちに乗って行って毛繕いを始めた。
「アンヌ、腕噛まれてたみたいだけど大丈夫?」
とミィナとリーナが噛まれた方の腕を良くみようとそちらから近付く。
「あー。大丈夫大丈夫。牙は刺さってないし一応洗っておいたから。」
と腕をミィナ達に軽く見せるアンヌ。
倒した『魔狼』達をキィーロが検分し危険が無いか再度確認し
「ミィナさん、リーナさん『解体』をお願いする。」とミィナ達に後を任すと
ケインが魔法剣を解除するのを待って彼に近寄っていくので付いていく。
「ケイン、久しぶりだな。君も『銀狼』を討伐に来たのか?」
と剣を仕舞い掛けているキィーロがケインに聞いた。
「あ、いや・・・。俺は『銀狼』の件でここに来たんじゃないんだ。」
とケインが苦笑いの様な顔をしつつ答える。
「うん?ルゥスがここに来ている事は知ってるが、彼がらみで何かあったのか?」
とキィーロが詳しい事をケインに聞く。
「あぁ。彼が一匹狼タイプなのは君も知ってるとは思うけど、今回はちょっと暴走気味でね。」
と腕組みをして、
「王子も彼の様子を気に掛けてて「後を追え。」と後押ししてくれたんで
取る物もとりあえずここへ突っ込んで来たんだが『魔狼』の罠に嵌ってあの様さ。」
とがっくりしつつため息を付く。
ルゥスが暴走か。『乙女ゲーム』ではどんな『イベント』か知らんが、
恋愛フラグ絡みなのかの?リーナなら解決策知ってるじゃろうが
今世で攻略してないならゲームと同じ解決策が通用するとは限らんしなぁ・・・。
「話中悪いんだけど、ちょっと不味い事になったわ。」と当のリーナが
困惑した顔で近寄って来た。会話を聞きに来た訳では無いっぽいが。
「今さっき確認してみたんだけどこの先に進む為の支道が落盤しちゃってるみたいなの。」
と『魔狼』達が出て来た方の支道の一つを指し示す。
支道への口には例によって満月に近づきつつある印が掘られているから
間違い様も無いじゃろう。
あちゃー。戦闘に入る時に聞こえてきた音の正体ってこれかー。
私事で投稿遅れ気味ですが、サクサクいければいいなと。次回は狼達の抜けてる点を利用するみたいです。そろそろソラもレベルアップさせないと。




