草原にて
横殴りされる様です
狐さんが草原を駆け巡る。ふつーなら黄色い旋風が尻尾を揺らしながら駆け巡ってるのだろうが。
ここ“異界”で走り回ってるのは木の『玩具』なちっこい狐さんじゃ。
木が生えまくってる森の中ならいざ知らず凸凹がある程度の草原ならば
『突進』しまくれば『MAP』埋めもらくしょーって訳なのじゃ!
まぁ『突進』ついでにいろいろ跳ね飛ばしちゃったりこっちが逆に跳ね飛ばされたりと
一筋縄でいかんのが常なんじゃがの。
とりあえず跳ね飛ばせるモノはムカデとか魔森鼠とか羽虫の類い。
逆にこっちが跳ね飛ばされたのは『兎』さんじゃったかの。なにやら角というか瘤が2つ生えてたが。
:角兎 HP21/24(気絶中)
額に2個瘤のある兎。頭突きをして相手が怯んだ隙に逃げる。美味。
私が『突進』してきてるのを観て慌てたのか頭付きして来たのは良いが相殺されて伸びてるし。
こっちはこっちで顔面に皹が入ったかと思った位の衝撃を喰らってもうたわ。
一応『MAP』も進化したのか透明化と画面縮小が可能になったので視界の隅に置いてあるんじゃが
うっかり見落として走ってたらこのザマじゃ。
さてどうしたものかと思いつつ悩んでいたら後ろの方からシューシューと音が。
「なんじゃ。蛇か。訳分からんこっちよりか兎さんに興味しんしんといった所じゃが
折角見つけた獲物なのはこちらも同じ事。やらんぞ?」
と威嚇しようかと向き直った所・・・パシって音がして矢が突き刺さってました。
誰にって?こっちに鎌首を擡げた蛇のど頭にじゃよ!! 思わず両者共目が点になったわ。
どう。と倒れて悶える蛇を横目に思わず硬直するがハッと気が付いて
慌てて転がる様に『突進』でその場を離れて近くに伏せ隠れて『MAP』で様子を観る。
「あー。びっくりした。なんじゃ?『MAP』に黄色い点が現れた様じゃが。」
まだ『MAP』が埋まっていない方向から現れたソレはやがてぶっ倒れた兎と蛇の赤い点に近づいてくる。
聞き耳を立ててるとどうも2本足の様じゃな。
ヒトか?うっかり動いたら矢で射られそうなので動けんし困ったのぅ。
「あれ?蛇が鎌首擡げてたから弓で射ったら角兎まで倒れてら?ラッキー。」
うぉーぃ。折角の獲物横取りされちゃうよ!『魔石』もまだ回収してないのにっ
くぅ。声からすると若い雄か。どんな姿のヒトか観たいがここは我慢じゃっ。
「あーでも何か1匹逃げられてるみたいだし惜しかったな。」
ギク。ワタシホーンラビットジャナイヨオモチャダヨ!?
やめてガサガサ草を踏み分けながらこっちこないで!?とガクブルしてたら足音が止まり
「ちぇっ。もぅ居ないか。あいつら結構素早いしなー。」と蛇の死骸の方に去っていく。
どうやらそこで角兎と蛇を解体したらしいそやつはホクホクした様子で戻っていった。
「どうやらあっちの方に村か何かあるようじゃの・・・?行ってみるとするかの。」
『魔石』を回収出来なかったのは残念じゃったがヒトの営みを観るのも一興。
それになにより気になるのが。あ奴、尻尾が生えておった。狐じゃなくて猫系じゃったがの。
対魔物ばっかじゃつまらないので獣人の出番です。猫なのに弓なのは狩猟系だから(何かズレてる気がしないでもありませんが




