水場の罠(VSブースト魔狼Ⅱ)その六
ようやく一段落する様です。
魔力の防御膜を阻害され防御が薄くなった『魔狼』達だったが
ヤケクソにでもなったのか今度は「グガァァァ!」と攻撃に転じて来た。
阻害を仕掛けてる張本人を探すのが目的も兼ねてなんじゃろが
生憎それをやってるのはヒトではない。
それに闇雲に突っ込んで来た所でメイスの餌食になるだけじゃ。
そういや今回はキィーロも用心してなのかメイスを携帯しとる様なんじゃが?
と思ってキィーロの方を伺窺ってみる。
相変わらず竜気を纏わせた剣を振り回してるかと
思ってたらいつの間にか携帯していたメイスに持ち替え
それを隙と見て飛びかかって来た『魔狼』を打撃でもって振り払っている。
2~3匹纏めて吹っ飛んだ所見るとメイスにも竜気を纏わせてるのか?
こういう分岐点なら兎も角狭めな支道の中ではうっかり吹っ飛ばす訳にも
いかんかっただろうが思い切りが良いな。
巻き込まれたら痛いじゃすまんだろうしあんまし近寄らん様にしないといかんか。
ケインはまだ青く輝く剣の軌跡で狼達を切り裂き回ってる。切り裂かれた痛みで
怯んだ奴らはリーナやミィナがボコスカ殴ったりアンヌが蹴とばしたりし
それをミラが噛み付いたり私が尻尾で叩いたりしてさらに戦意を落とす。
ミラがブレスを積極的に使わないのは風の魔力が入り乱れる現状で
ブレスなんぞ吹こうもんならどう軌道が変わるか本人?にも分からない点と
ヒューイの邪魔をしない為でもあろう。
「アオォォォン!」ようやく頭上のヒューイの仕業と気付いた
『魔狼』の一匹がその咆哮でヒューイに対して緑色の風をお見舞いするものの、
全身の属性紋を一層光り輝かせたヒューイがそれを打ち消すだけの風圧を生み出し
緑色の風はヒューイに届く事無く四散して消えていく。
(複数による同時攻撃か全力ならまだ通じたかも知れんが草臥れかけ状態ではの。)
咆哮の為に一瞬移動動作を止めていた『魔狼』が慌てて回避動作に移るが
ワタワタしてる『魔狼』達の回避の邪魔になってしまい
「ギャゥガゥ」「ガウガウ」とちょっとした口争いになったりしとる。
もはや統率の執れてないっぽい狼の群れなんぞ戦力とも言いがたいがいっちょ前に
こちらに向かってくるのは代わりが無いので地味に面倒じゃな。
ようやく最後の一頭を倒し終えた時には私以外は息がかなり上がってしまっていた。
「キューイ!」と地上の喧騒を伺ってたヒューイが天井付近から
そろそろと降りて来りてくると掴んでたカンテラモドキを地上に下し
それを止まり木代わりに一休みする。(ご苦労さんじゃったの。・・・うん?)
ポウ。とレベルアップを示す光がヒューイを包んだ。おぉ、これはラッキーなのじゃ!!
ヒューイがレベルアップしました。次回はルゥスに合流する為に先を急ごうとする一行とさらなる時間稼ぎがその前に立ちはだかる様です!?




