坑道内にて(VSブースト魔狼)②
軽く殲滅する様です。
3匹の『魔狼』達はまず左右の2匹の『魔狼』を仮にBとCとしよう。
そいつらが先制攻撃を仕掛けて来た。
魔力を纏っての体当たりと前足の爪による引っ掻きの
混成攻撃でこちらの防御をそれぞれ向けさせると
真ん中のAが口を開けて「アオォォーーーン!!」と吠える。
同時に口内ならまるで一角緑兔の様に
風が放射状に発射される。
(なんじゃ?ハウリング・ヴォイスの一種かっ?)
多分食べた一角緑兔の能力を疑似的に
再現出来る様じゃが、角持ってる訳でも無いので風のトンネル状に
出来る程の拘束力も無いのが救いか。
だが狭い坑道内では拡散する風の効果内にこちらを全員巻き込める
という利点もあるにはある。
地面に降りてたヒューイが風を翼で受けて急速離陸し、
突っ込んで来ていた『魔狼』の攻撃範囲内から逃げている。
前に1匹、後方に2匹か。うまい事囲んだ心算なんじゃろうけど
「ギャルオウッ!!」風圧に押されつつも『銀狼』Cの攻撃が
掠めそうになったミラが火炎玉ブレスで応戦する。
「ギャインっ!」丁度こっちを向き直った『銀狼』Cの顔に直撃した。
一方『銀狼』Bはアンヌがメイスで軽くいなしており、
リーナはミィナを引っ掴んで一緒に退避してるしで全員被害は無い。
(ひょっとしてこれ、代わる代わるハウリング・ヴォイス放って突っ込んでくるだけ?)
1匹が咆哮放って相手を軽く拘束してる間にちまちま削るというせこいやり方なんじゃろうが
カンテラの灯を消されたらその瞬間に弱いのから袋叩きにでもされそうではある。
(ただのぅ。見極めが悪いっつーか相手を甘く見過ぎじゃな。)
アンヌが軽くいなした『魔狼』Bが「アオォォーーン!」と咆哮を放つ。
同時に今度は『魔狼』Aがキィーロに襲い掛かったが、「ギャウン!!」
と首根っこを右腕で抱え込まれて動きを封じられてしまう。
またミラのブレスで顔が煤けている『魔狼』Cはプンスカしているリーナやミィナに
同時攻撃されてど頭にメイスを2連撃されており、地面に顔を叩きつけられてしまう。
あれ?と『魔狼』Bが思ったかどうかまでは知らんがホバリングしてたヒューイが
突っ突きにいって広げた翼で視界を狭めてる間に私とミラが襲い掛かる。
鼻っ柱にミラが噛み付き私が振り上げられた前足に噛み付いて行動を制しつつ
逃げられない様にする。例え『魔力操作』で身体能力が上がっていても逃がさない。
「ヒューイ、もういいわ。下がって!」とアンヌが指示を出すと同時にヒューイが
『魔狼』Bの目先から離れ、彼女のメイスが代わりにゴスっと叩き込まれた。
ミラも巻き込まれるのは御免だとパッと噛み付きを止めて後退する。
キィーロが『魔狼』Aを絞め落とし携帯していた剣で止めを刺し
顔をこちらに向けた頃には『魔狼』BとCも息絶え絶えの状態であった。
あっけない気もしないでも無いがこっちも急いでるんでな。こんな感じの
戦闘を何回か繰り返してく内に少し広い空間に出た。どうやら一次集約地点の跡らしいの。
個よりも集団戦で実力を発揮出来るタイプの『魔狼』なのでいくらブーストが掛かっているとはいっても単体に分断して叩いてしまえばそれ程脅威では無いという事でしょうかね。次回は『魔狼』のカラクリを暴きつつもさらに奥に進みます。




