決断迫る刻
いわゆる前振りです。
とりあえず窓口のヒトに『夜光石』の採掘可能現場の確認と
クエストに向けての注意喚起を促して貰う事にする。
既に出てしまってるヒトには申し訳無いが追加報酬の形で
何かしらの補填がされるじゃろう。
「マッピング終了している部分の探索については
追加の報告を求める形でいいんでしょうが、
問題は旧坑道のまだマッピングが終わっていない部分です。
以前何が出たかという記録と照合はしてみてるのですが、
どうやら『夜光石』の鉱脈がそっちにあるみたいでして。」
と慌てて過去の記録やらと照合する様に裏方に指示を出してきた
窓口のヒトが戻ってくるなりため息を付いた。
『銀狼』や『魔狼』達の巣があるとするならば
まずそこが中心なのは間違いないじゃろう。であるならば
攻略もそこを集中的に行えば制しやすくはなる。
(その代わり普段よりも強くなった連中と戦う羽目になるんじゃよな。)
クエストを行う側としては儲けは少なくなるわ敵は強くはなるわでは
やりたがるヒトは少なくなるのは目に見えている。
(短期決戦やるのなら私らみたいにミラの様な火力担当が就いてないとな。)
とちらりとリーナの顔を窺ってみる。(さて。お主ならどうする?)
『銀狼』といえどもこのままではじり貧じゃ。幾ら『夜光石』でブースト
掛けれるとは言っても何時までも満月な訳では無い。
子育てとか終わればとっととこの地から去るかも知れないが
今度はいつ捕捉出来るか分からなくなってしまうじゃろう。
ミィナ達の助力を得られるのも基本は学園卒業までじゃしな。
私の過去の行いが何処まで影響を及ぼしてるかは正直分からんが
私とて『銀狼』をこのまま逃したくは無い。過去のと同じ個体かどうかまでは
確かめる術は無いが今、邂逅しておいた方がいいかもしれんのだしの。
それに何より先行してるであろうルゥスやケインの事が気になるんじゃよなぁ。
私の立場では決断を促す事は出来んし、どうなる事やら。
ソラは『召喚獣』ですし最終的に坑道に突っ込むかどうかを決めるのはミィナ達。ここで相手を逃すという選択肢は既にありませんけどね。次回は戦闘シーンです。




