草原の白き雲達
羊達の囲いを直したりする様です。
緑白の一角角兎はどうやら一角角兎の亜種の様じゃな。
あれからも4~5羽見掛けたものの、逃げられる事の方が多かったな。
まぁ毎回打ち上げ方式では面倒なので、こっちも見掛けたら『突進』で
間合いを詰めて逃げられなければ叩き倒すなりして呪文を発動前に
ぶっ倒す方法でなんとか倒せる奴は倒しておくだけにしたけども。
昼前に報告と納品も兼ねて凱旋所に行くとあれは一角緑兎
という名前だと教えてくれた。これの角は主に鍛冶場や鉱山で引き取っているらしい。
これまた使い捨てではあるが換気用とかに役立っているとの事。
午後は放牧場に出て『羊』の放牧所の囲いの強化等を行う。
今の時期はフワモコ度が増してモコモコした『羊』がのんびりと草を食んでいる。
性質も容姿も私の元生きていた世界のと差異はさほど無さそうじゃが
こやつらも『魔狼』達にとっては餌の範囲内だから用心に越した事はない。
羊達の必殺技としては頭突きがあるけど『突進』も持ってるからか餌欲しさに囲いを
自ら破壊するボケもまれに居たりするので放牧する方もうかうかしてられないらしい。
というかこの辺の自然が余り改善しないのはこやつら飼ってるせいでもあるんじゃなぃかの?
生きているバリカンなんじゃし中には魔物化しとる奴もおるようなんじゃが。
「メェー。」そう鳴きながらトコトコ歩いてる白いモコモコ綿っぽい奴なんかは
立派な巻き巻き角しとるんじゃが『MAP』上ではしっかり赤い点。他のは殆ど黄色表記なのにの。
扱いは魔物でも普段はおっとなしいから余裕で飼えるというのが良いのか悪いのか。
「キュィ。」アンヌの肩に停まるヒューイが注意喚起の声を上げる。
羊を狙うのは何も『魔狼』だけとは限らないんじゃよなぁ。
上空からの珍客というべきなのか、角兎系ばっかでは飽きるのか
この辺の猛禽もたまーに羊達を狙う事もあるそうでの。
ただこの辺は良くしたもんでなのか連中も空気を読んでいて、いい加減草臥れた様なのしか
狙わないとかで、現れたからといって即撃退する必要もないのは有難い。
連中からしてみればヒトの方が彼らの本来の狩場を荒らしてしまった方じゃろうしな。
上空の猛禽達はゆっくりと輪を描きながら上空を旋回している。あの周り方ならこちらへは
降りてはこんじゃろうが妙に連携が取れてるというか、何か変じゃな。
「ヒューイどうしたの?」とアンヌがそわそわしだしたヒューイに訪ねてる。
リーナやミィナも上空を伺うが、彼らがこちらに急降下してくる様子も無いし?
『MAP』の索敵範囲外で何かの動きがあったのかも知れん。
ひょっとして・・・「え?あっちの方から『魔狼』が来るの?」
とアンヌが声を上げる。どうやら見回りか餌確保に出て来た奴がおるようじゃの。
さて、様子をこのままみてるべきか、それともとっとと倒すべきか。
山といえば羊さん!という事で羊の登場です。魔物と化してても飼い続けられるのは毛がその分上質だからかも。飼っているのはドワーフさん達。




