山の斜面にて(VS一角角兎) その①
一角角兎と戦う様です。
山の斜面の草原に群れる兎達。本来ならば下位の草食動物として
狩られる事の多い彼らではあるが、ここに住まう連中は一味違う。
まずは角兎。これは額に2つの瘤がある頭突き兎じゃな。
こやつらだけなら唯の兎とそんなに変わらない。
だが、その上位種の一角角兎はなんと魔法を使う。
ユニコーン宜しく『癒し』の力を秘めているその角は初級の回復魔法を放てるのじゃ。
さらに頭突きに代わって『突進』が使える様になっておるのが地味に脅威での。
平地ならば突っ込んで来る一角角兎の回避は余裕なんじゃろうけど
「ソラ!危ない!!そっちから突っ込んでくるわよっ!!」
おっと。危なっ「ズボッ!!!!」
(うわーん。また兔の巣穴に転がり落ちたのじゃーーー。)
とまぁこんな感じで回避に気を取られてると連中の巣穴に落っこちるという寸法よ。
私は『玩具』じゃし落とし穴に落ちる感覚なんじゃけれども、
これがミィナ達の場合はどうなるかというと。
「ちょ。またなの!?大丈夫ソラっ! きゃっ」「ズボ。」ドテ。
とかいう具合に片足取られてずっこける羽目になるという有様でのぅ。
転がってる所に一角角兎が突っ込んで行かないかと冷や冷やするわぃ。
巣穴開け過ぎじゃろ兎どもめー。因みに一角角兎らは『突進』
使ってる間は巣穴に嵌る事無く直進して飛び越えてこれるので余り自爆する事は無い。
たまーに落っこちるとそのまま逃走される事もあるので逆に油断はならんがの。
「キューィっ!!」お。ようやく上空の同族の許可得られたのかヒューイが狩りに
参加し始めた。
早速1羽とっ捕まえたと思ったら上空に持っていって地元の猛禽らしき奴に
あっさり空中で投げ渡してるし。あ。返して寄こされた。気に入らなかったのかの?
何度か捕っては空中で投げて返されを繰り返して向こうが気に入ったのを持ってかれてたけど
猛禽の世界も結構厳しいのな。まぁいきなし襲い掛かられるよかマシか。
そんな感じで1割程の獲物を投げ渡してたら、喰い終わったらしい残骸を持ってこられた。
流石に魔石は抜かれてたが一角角兎の角は有難く回収させて貰う。
「うーん。これでもう少し毛皮の扱いが雑で無ければもっといいんだけどな。」
とアンヌが残念がってたけど、角の回収率が高くなるだけでも御の字だと思うんじゃがな。
一角角兎の角は『錬金術』の素材や使い捨て回復アイテムとしても
取引されてるから1本でも多く回収出来るに越した事は無い。
ミィナを安心させる為にも回避の際は『浮遊』を使わせて貰うとするかの。
回避中なら旨く誤魔化せるじゃろうし一石二鳥じゃと思う。
「うー。痛たたた。あ。あの一角角兎、色が違うわよ!!気を付けて!」
とリーナに助け上げられ掛け顔を草原に向けたミィナの視線の先には
緑白い一角角兎が巣穴から出て来て遠見の姿勢を取っていた。
なんじゃあれ?変異種か何かかの?と思ってたらポウ。と全身が光り始めたでは無いか。
まさか。攻撃魔法を使えるタイプがおるのか!?このままではまずいっ!!
兎の巣穴だらけの草原で戦うとなると足をとられるのは当たり前ですよねー。ちゃっかり解体後の残骸を貰えてた様ですが、現実の野生の猛禽類だと特定の捨て場があるんだったかな?次回も戦闘シーンです。