下調べ
直ぐには銀狼討伐には向かわない様です。
武器屋で売っている武器を一通り見学した後はクエストの凱旋所へと
逆戻りする事に。一般の旅人なんかはどうしてるか知らんけれども、
素材集めやらのクエストを見繕う為じゃ。
鉱山近くという事で資材運びの手伝いやらのお使いクエストが多々あるの。
中には廃坑のマッピングとかあったが多分これは『銀狼』関係じゃろう。
基本となる坑道図は古いのは遺棄されていたり試し掘りなんかで変化したり
している上に『魔狼』達が巣穴とした付近の坑道は穴が新たに空きまくってて
マッピングし直さないと駄目な部分もあるんだとか。
うっかり突入したはいいけど中で囲まれたり横穴から逃げられたりしまくってたら
攻略する方もバテるの早いじゃろうしな。
空気穴とか塞いで水攻めなんてもっての外。中でどう繋がってるかすら分からんく
なってしまってる所へ水を流し込んだ所で意味無いらしく初期の時点で却下されたらしい。
煙攻めも至る所にある空気穴以外の穴から煙が出てきた時点で中止されたとの事。
この辺の山の斜面にある草原には角兎やその上位種に当たる
一角角兎というのがが生息してるそうで、
そうでなくても地面が穴だらけになってるらしい。
温泉も湧き出てる場所もあるそうじゃし地面の中は結構暖かいのかの?
(成程。狼達が巣を構えた理由の一つは餌場が近いし巣の中が暖かいからか。)
しかも巣はヒトが勝手に掘ってくれたのを再利用してるだけに過ぎないから気軽に捨てられる。
(こんだけ好条件な場所は他にはそんなに無いじゃろうな。討伐されるリスクも低いし。)
逃げ道もヒトが入らない様な隙間程度の穴なんぞ幾らでも作れる彼らでは包囲戦もほぼ無意味じゃ。
最悪『銀狼』自らが囮となってでも群れを逃がしてしまうじゃろう。
ヒトもそうだが『群体』で生活している彼らはいざとなればボスクラスですら
弱いモノを守る為に盾となって立ち塞がる事もあると言う訳じゃな。
「キューィ。」さっきからヒューイがソワソワして大空を窺っている。
どうやら大空を舞う同族達が気になるらしい。アンヌの肩で縮こまってるのは
彼らの縄張りに踏み込む意思が無いという宣言みたいなもんかの?
上位種にランクアップした存在とは言えここらに生息する猛禽類らから見れば余所者じゃしな。
でもまぁ上空で囀ってる連中の鳥言語を意訳してアンヌに狩場の情報やらを
提供する役目は出来てるらしくてクエストの行先を決める手助けにはなってるから
そんなに気落ちしなくてもいいんじゃないかの?
いきなり坑道の中へ突っ込んで行ける程余裕がある訳では無いでしょうしね。地味に一角角兎が登場です。次回は戦闘シーン。




