狐ヒトの里
狐ヒトだらけな様です。
海の際の町を出て大き目な川に沿う道を上流部へと向かう。
私達は川を遡上する資材船や陸上を行く交代要員と共に歩いていく。
こういう時は竜人のキィーロやらゴーレムなんかが
優先してこき使われるので私らは押し役やら体調管理やらの支援が
メインなのである意味楽なんじゃが、ちと罪悪感が沸かない訳ではない。
私に出来る事と言ったら道に転がってる邪魔めな石とかを
排除する事程度なんでな。
めり込んでて直ぐには取れなさそうなのは『吸収』と『ストレージ』も活用して
道脇なんぞにこっそり捨ててるんじゃが、『吸収』を戸惑うモンに
関してはどうしようも無い時もある。
(流石に鳥糞とかは『吸収』とかしたくは無いしの。)
一応掃除班みたいのが居て先行して道の掃除をやってくれてはいるが
見逃しも無くはないので後続が踏まない事を祈るだけじゃな。
やがて辺りは田園地帯に入る。田んぼやら畑やらが乱立しており
水利の便もかなり整えられている事が伺える。
(ん。あれは『狐ヒト』じゃな。集落が近いのかも知れんな。)
畑や田んぼの面倒を見ているヒト達の比率が明らかに偏って来ている。
犬ヒトやら鳥ヒトも居ない訳では無いが『狐ヒト』の割合が多い。
(む。面倒を避ける為にもミィナの傍に居た方が無難じゃな。)
と石拾いを止めてミィナの側へと引き返す。
やがて見えて来た村は案の定というか『狐ヒト』だらけであった。
(ありゃ?あれはヒト・・・ではなく、『エルフ』ではないか!)
『狐ヒト』よりも数は少ない様だが彼らに混じって歩んだりしているのは
どっからどうみても耳の尖った森の民である『エルフ』である。
(弓持ってたり緑な服着てたりとテンプレな連中じゃな。学園にはおらんかったが・・・)
と学園で聞きかじって来た種族に関する授業等を思い出す。
(元居た世界での知識同様に森に引き籠りがちな一族じゃそうじゃが『けも耳』
相手であれば特に意識せんでも出てこれるのかも知れんな。)
とクエストの凱旋所へと移動しながら村内を談笑しながら歩く彼らをそれとなく見守る。
(所でさっきから気になってるんじゃが、あれってどうみても『社』なんじゃけど。)
村の奥に鎮座する一番大き目な建物は村内の西洋風な建物等に負けない位の
圧倒的な存在感を持ってそこに佇んでいた。
『エルフ』な方々出そうかどうしようか迷いましたが森に関わる存在同志、案外仲良くやっていけてそうじゃない?という事で出しました。狐ヒト達のソラへの対応が気になる所ですが果たしてどうなるか。




