封印解除
封印されていた様です。
その古ぼけた巻物にはかつては綺麗であったろう封印がなされていた。
真ん中の円形部分にな何やら絵の様な物が描かれているが
ミィナやアンヌ達はその絵に思い当たる物が無いらしく首を捻っている。
もしこれが現存する国家や商家の物ならば上納しなくてはならないらしいが
該当する物が無いのであれば見付けた者の物になるのでそれはそれで嬉しいらしい。
だけれども、一つの問題もあった。誰も封印を解けそうにないのじゃ。
恐らくは保存の魔法でも掛けてあるのか3人が踏ん張ってもまったく揺るがない。
キィーロならば全力でやれば封印解けそうだけれども
多分それやったら最後巻物も粉砕されてしまうんじゃろうなぁ。
「ゔ-。封印解除代も唯じゃ無いんだけどなー。」とアンヌが悔しがってる。
取り出すのに罠が仕掛けてなかった理由は封印が凝ってたからなんじゃな。
例え中身が陳腐な物であったとしても正確な解き方を知らなきゃ高くつく。
昔の人も良く考えたモンじゃ。例え隠し場所がバレた所で最後まで嫌がらせ出来るんじゃし。
そう思ってたら「んー。そだ。ねぇ、ソラならこれどうしたい?」
とミィナが私に話題を振って来た。へ?私ですか???
ん?とリーナが私を見やり、うーーん。と何かを考えるかの様に人差し指を
自分の顎に当てて何かを考えている。なんとなーく嫌な予感。
(ひょっとしなくても私でないとこの場では封印解けないとかいうんじゃないじゃろな!?)
と棚に置かれた状態のそれに目を向ける。
(そこまで高度な封印する程価値のある物には失礼ながら思えないんじゃがなぁ。これ。)
と内心ため息を付きつつ何気ないフリをしながらキィーロの邪魔にならない様に
ベットに飛び乗ってから棚にトボトボと近寄ってみる。
(んーと。私が触った所で封印が解けるとは思わんのじゃが。・・・ん?)
と封印の絵に顔を近づけた時に気が付いた。
(これ、絵が横倒しになっておらんか?)
絵だけ見るのであれば見逃してしまうのであろうその違和感に気が付いた。
ミィナ達は単にそういうデザインとして見逃してしまうであろうその絵のもう一つの姿。
彼女らが『鑑定』した時に触っていたとしても動かなかったであろうその絵が。
・・・何故か動く気がした。
「ソラ?」とミィナが私がした行動の結果に目を見張る。
私はその絵をアンヌが『鍵』を鍵穴に挿して回した時の様に
右へ3回回しポンと叩き、左2回回してポンと叩いたその瞬間。
音もなく封印が解けたものだから。
「うそ。封印解けちゃった。」とアンヌが口をあんぐりと開けている。
なんとも言えない空気が辺りを包む。やらかしたのは分かっておるわぃ。
ただなんとなくそうすれば封印が解けると思っただけなのじゃっ!!
無邪気に解呪を笑いあう彼女らに突っ込まれる事無く置いてけぼりを喰う私の肩にミラが
ポンと右前足を置いて慰めてくれた。
別に『鍵』同様に絵を回さなくてもきちんと絵が揃えば解ける仕組みだったのですがソラはそこまで知りません。次回でそこら辺を補完する予定です。




