貰った物の正体は
何かの仕掛けがある様です
砂に還った海賊ボスはやはり何も後に残して・・・いやあったな。『アレ』が。
「キィーロ君、大丈夫っ!?」
キィーロを心配したミィナが彼にすがり付くように寄って行く。
一方でアンヌは粉々になった剣や
折れた剣なんかの残骸を『鑑定』しているし
リーナはミラに怪我が無いか確認しながらヒューイと一緒に辺りを警戒している。
私は『ストレージ』から例の銀色の固まりを口から出す様にして
咥え直しアンヌに近寄っていく。
私がこれを『鑑定』しても良いがアンヌの方が適任じゃろうな。
私だけで攻略してるんなら兎も角、主人たるミィナが居る状態じゃからな。
後で『アレ』どうしたの?とか詰められるよかいいわぃ。
「うわぁ・・・。こんな砂みたいな剣の何処にあんな破壊力があったんだろ?」
と彼女が呟きながら持ってるのは砂に還りつつある例の鉈みたいな剣の残骸じゃな。
もう殆ど砂に還っていっているソレは私の目の前であっという間に崩れ去っていった。
「ん?それ、さっきのがソラに投げて寄越した奴だっけ?私に観て欲しいの?」
とアンヌが私が咥えて来た物に気が付きミィナの方を観るが
彼女はキィーロの傷の応急処置に手一杯の状態のご様子。
「ミィーナー。ソラがさっきのに貰ったらしいのを私が『鑑定』しちゃっていいー!?」
とアンヌがちょっと遠慮がちに声を掛ける。
包帯みたいのとか取り出して悪戦苦闘していたミィナが
顔をチラリ。とこちらに向けて
「あ、うん。御免、今手が離せないからお願いしちゃっていい?」と許可を出してくれた。
3人がかりで治療に当たれば早いんじゃろうが警戒とか分担してやってないと
いつまた魔物に襲われるか分からんしな。
「はーぃ。でわソラちゃんそれ私に見せてねー。」と手を出してきたのでポテ。と
手に落として渡しとく。
「うーん。これは煙草入れ?いや、通信筒かなんかかな?銀じゃないみたいだけど・・・」
と早速物珍しそうに捏ね繰り回しだした。「コキ。」と音を立ててそれが2つに分離する。
「あ。やっぱし通信筒だわ。えーと何々?」と中に入ってた古い紙みたいのを引っ張り出すと
私にも聞こえる程度の声で中身を読み出した。
「共通語で助かったわ。『従者の部屋 備え付け 右3 左2 癒しの文はそこに在り』ですって。」
それお宝のヒントやないのかの?でもって『従者』って言ったらさっきの・・・
と正解に思い当たったらしいアンヌと一緒に例の部屋を見やると 扉はまたしても少し開いていた。
ひょっとして誘ってるのかの?
『癒しの文』の正体はバレバレだとは思いますが果たしてその中身とは!?当初はまんまの物を貰えてた事にしたかったのですが物が物だけに携帯したままうろつかせるのも何か変なのでこの形にしました。




