贈り物と勝負の行方(VS海賊ゾンビボス その参)
恰好付けたがりなボスだった様です。
海賊風ボスの構える鉈みたいな太刀に周囲の魔力が集まっていく。
体内での『魔力操作』はもはや出来なくても
『吸収』と『付与』は出来るという事なんじゃろうな。
ゾンビィとしての特性を利用しているのかも知れんが・・・
相対しているキィーロも剣に『竜気』を籠めれるだけ
込めていっている様である。
収束した『竜気』はやがて色を替え銀色に輝き始めた。順当に考えれば聖属性かの?
多分船体の隙間や何かから差し込む光から拝借してるのか私らの周囲が若干暗くなってるし。
対するボスの剣の色は・・・テラテラした青色の様である。
恐らくはキィーロの『竜鱗』対策じゃろう事までは予想出来るの。色彩似てるし。
キィーロが戦闘不能になったらお手上げに近い状況になるのは目に見えてるなこれは。
ボスに辿りつくまでもなく撤退するしかなくなってしまうじゃろう。
かと云って2者の間に割り込めるだけの空気の余裕も感じないとなれば
後はキィーロの剣技に賭けるしかないわ。がんばれー。
次の瞬間には海賊風ボスはまるで波が生まれるかの如く斜めに上げた刃を掬い上げる様に
振り被り波濤の如く振り下ろしながらキィーロに飛び掛かっていた。
(良く分かってるではないか。狭い空間ならばその剣技は相手を竦ませられるだけでなく
回避場所も限られるしの。左右は廊下の壁がある以上旨く避けれるのは後ろ位だし
かと言って前進すれば背後がガラ空きとなってしまうのじゃからな。)
しかしながらキィーロは単なる『ヒト』では無く『竜人』である。
三点支持を道具無しでデフォルトで使える彼ならばこそ前進してしまっても
急速回頭が可能じゃったりするんじゃよな。
すなわち自前の尻尾を使って第三の足とする事で彼の背後に着地し後ろを取って
再び大振りに刃を振り下ろそうとしていた海賊ボスをまるで狙いすましたかの様に
回頭したばかりか渾身の一撃で唐竹割りの如く銀色の軌跡をボスの身体に残しつつぶった斬り
つつその横をすり抜ける。
だがその後でガクっと膝を付いたのはキィーロの方じゃった。
海賊風ボスは背を向け突っ立ったまま。
キィーロが握っていた剣が砕け散る。
まさか素早さで競り負けてたりしてたのかのっ!?ギョッ。となって固まる私達の前で
ボスはサラサラと砂に帰っていった。親指をグッジョブ!な風に立てながら。
・・・何処で覚えたんじゃそれ。
海賊ボスの必殺技がちょっと和風な感じになってしまってますが実在の剣技を模した訳ではありません。似た技はあるでしょうけど、これしか考えつかくて(反省。 追記;数字間違えてたので修正しました。




