贈り物と勝負の行方(VS海賊ゾンビボス その壱)
何か貰えた様ですが!?
ゾンビィな海賊ボスは手を叩き終えるとふかぶかと会釈した。これはまたご丁寧にどうも。
ってそうじゃなくて。本来なら激闘した連中相手にやる動作じゃないのかそれ。
心なしか別な意味で笑ってる感じのするそ奴は鉈な感じの太刀をこちらにユラリと向けてから
自分の懐をゴソゴソと不器用に探ってたと思うと
何かが入った筒らしき銀色の物体を取り出すと私に向けてぽいっと放り投げて来た。
クルクルクル。回転しつつ柔らかい放物線を描いて
私に飛んで来たそれはポコっと頭に当たってから跳ね上がると
クルクル回ったまま落ちて来て私の頭にポテっ。と乗って止まった。
なんじゃこれ?時限式の爆弾とかじゃないじゃろな。
私は頭の上の銀色の筒を素早く口に咥えてみる。幸いコチコチとか音はしない様じゃが・・・
そうこうしている内にニヤっと不敵に笑ったらしいゾンビが
私らに向かって鉈な感じの太刀を振りかぶって襲って来たのじゃ!
キィーロが一歩出る感じで竜気を纏った剣でその一撃を受け止める。
えぇぃ。爆弾だかなんだか知らんが咥えてたら邪魔じゃし『ストレージ』に収納して
戦線復帰するのじゃ!・・・爆発してもボフン!となるだけじゃろ。多分。
私はそれを急いで口から飲み込む様に『ストレージ』に収納すると
キィーロから刃を弾かれた海賊ボスの矛先をミィナ達から逸らす為に尻尾を振るう。
「ガスッ!」げ。『魔力操作』で固くしてる尻尾に深々と鉈っぽい太刀が喰い込んだのじゃー!?
「こんのーっ!」アンヌがすかさず棘付き棍棒で海賊ボスに殴り掛かるが
スポっと軽いノリで刃を引き抜くとその背で軽くいなしてしまう。
(あっぶなー。もう少しで完全に切り落とされる所じゃったのじゃ。迂闊に受け止められんぞ?これは!)
『自己再生』で早速表面の切れ目は塞がり始めているが、これは斬れ味が良すぎて逆に破損の
状態が悪くないという証拠でもある。
(木目とか見極められたら最後真っ二つになってしまいそうな業物かの。流石はボスだけあって
武器選択は間違ってはいないわぃ。・・・但しそれはあくまでも対船の場合じゃ。)
「ギィン!!ボキ!」とうとうキィーロの剣が真ん中から折れ飛んでしまった。
「ドス。」運よく誰もいなかった空間を横切り折れた剣がまたもや少し開いてた部屋の扉の枠に
突き刺さる。「パタン。」・・・いやだから引っ込んでなさぃよ。従者ゾンビぃぃぃ。
「カランっ!」キィーロが折れた剣を惜しみなく投げ捨てる。
「キィーロ君!!危ないっ!!」とミィナが悲鳴の様な警告を発するのとほぼ同時に
武器を持ち替える暇を与えるものかと海賊ボスが追撃を仕掛けてくる。
「ガギィーーン!!」重い金属音が辺りに響き渡る。
「ギギギギギ!」軋む金属の様な音を立てながらもその刃はキィーロの腕に生じた『竜鱗』
によって完全にその行く手を阻まれていた。
キィーロの防御方法の一つがお披露目されましたが、ソラが貰えた物も気になる所。何気に『ケモノライフ』のあるシーンをも流用してますが果たして中身はなんでしょう(すっとぼけ




