突発ボス (VS海賊ゾンビ その2)
どうやらまだ出番ではないようです!?
これは困った事になったのじゃ・・・。如何に私が動き回れるタイプの
『召喚獣』と言ってもボスと単体で挑む事は果たして許されるのであろうかの?
リ「こんのーこっちこなぃでーーっ!!」ミ「うにゃーーーーっ!?ばっちぃー」
ア「いやー!?ワザとらしく私にも抱き着かないでーー!?」
キ「このっこいつ!いい加減ミィナに引っ付くのはやめろ!!」
ヒュ「キューーーィ」ミ「フシャーーーッ!!」
後方では半ばギャグシーンと化したある意味壮絶な手下なゾンビィ2体と
戦ってるミィナ達の姿が観えるんじゃが・・・正直近付きたくなぃ。
「キィ。」うん?あ、さっきの従者なゾンビィがおっかなびっくりな感じで
部屋の扉を小さく開けて外の喧騒を伺ってる。
おーぃ。お前さんもこっちに参戦するのかの?という感じで
見つめてやれば。何故かガクガク震えながら小さく「パタン。」と音を立てて
部屋の中に引っ込んでしまった。分からんでもないが怯えすぎじゃろ。
海賊ボス風なゾンビィも責める様子も無くそれを声なく見送っていた様じゃが
さて、どうしようか?という風にまたこちらを見下ろして来た。
つかこ奴、こいつらのボスでいいんじゃよな?何故私に攻撃してこんのじゃろう。
うーん。ひょっとしてこっちから攻撃しないと敵として認識出来ないのかの?
「ちょっとソラー!?逃げ回ってないでこっち手伝ってよーー!」と
自分の周囲に私がいないのに気が付いたミィナが焦った声で私を呼んだ。
むぅ。確かに近付きたくは無いが逃げ回ってると誤解されたのかの?
仕方ない。呼ばれたんならそちらを優先せねばの。
ちらりちらりと攻撃してくる様子の無いボスを振り返りつつ
走る速度を徐々に上げながら『立体機動』を小まめに発動させつつジグザグに
ホップ、ステップ、ジャンプすると廊下の壁を蹴ってミィナと船員ゾンビィの間に
飛び込みゾンビィの胸の辺りに「着地」すると同時に全身で蹴り飛ばしてやる。
「ガ・・・」ヨロヨロと船員ゾンビィが後ずさりする。
(うぇ。伝わってくる腐りかけた様な死肉の感触はやはり心地よく無いもんじゃのぅ。)
スチャッとミィナの前に降り立った私はいつもの様に飛び掛かれる態勢に姿勢を持っていきながらも
ボスの方をちらりと窺うが相変わらず鉈の様な太刀を携えたままヌボーっと突っ立ってるご様子。
余裕をかましてるのかそれともただ単にこ奴もやる気が無いだけなのか。
ちょっとした謎を残しつつも私は目の前の手下ゾンビィに集中する事にする。
ボスがソラを襲ってこなかったのは単純にソラが攻撃しなかったから。ある意味『無礼をはたらかなかった』事で見逃して貰えた様ですが・・・ まだ続きます。




