突発ボス (VS海賊ゾンビ その1)
足止めされた様です
腕を振り上げたゾンビィな奴はそのままの勢いでこちらのPTの
ど真ん中にヨチヨチと進み・・・ものの見事に皆に取り囲まれてしまっていた。
「・・・ガァ。」腕を振り降ろしたそ奴は集中攻撃されない事に一瞬戸惑った様であったが
ふとリーナの方から来るミラの気迫に気が付いたのかそちらの方に顔を向け、
次にヒューイが後方にホバリングし鋭い眼を光らせているちょっと怯えたアンヌに顔を向け
ついでに私やミィナやキィーロの方に顔を向けると「あ”-」とか言いつつ何処かがっくしと
肩の力を抜きつつ視線を廊下の方へと落とし動きを止める。
なんかえらくやる気のない奴じゃの。普通ならガーっと来てぐわぁぁっ!!とか言う感じで
フルボッコにされて撤退してく役とかじゃないんかぃ。
それか散々攻略者達に倒されまくって疲れてしまっておるんじゃろか。
まぁ龍の雛持ちが居る時点で普通のPTで無い事位はゾンビィでも分かるんじゃろが
怠慢働くとボスからお叱り受けるんじゃなぃのかぇ?
そう思ってたらそのゾンビィが何かに気が付いたかの様に私達が来た方向へと
顔を上げて何かを見据えてみせた。
ん?とその方向へと皆の顔がそちらの方に向く。
暗がりから姿を現したのは海賊ボス風なぼろっちぃ衣装を纏ったゾンビィとその手下な姿のゾンビィ達。
海賊ボス風な奴はでっかい鉈みたいな曲刀を片手に握っている。アイパッチとか鉤爪とか
スケルトンなオウムを肩にとまらせてるとかいった様ないかにもな姿まではしてはいなかったがの。
(ふむ?この従者風なのはあくまでも足止め用の囮で向うが本命なのかの?)
従者風なゾンビィはそ奴らが向かって来たのを確認したのか
スッと出て来た部屋の方へまるで吸い込まれるかの様に引っ込みパタン。と扉を閉めてしまった。
いいのか。それで。と思わず引っ込んでしまったそ奴に内心突っ込みを入れつつ
海賊ボス風なゾンビィな連中に向き直る。ここの扉を再度開ける為にはこ奴らをぶっ倒さなければ
多分駄目なんじゃろうなぁ。後は無視して逃げれるかじゃが・・・・
『MAP』を見てみるとそれまで目的も無く彷徨ってた感の赤い点の動きが
ピタリ。とその場で止まっているではないか。
あかん。これ今逃げたらこの層に居る全員に飛び掛かってこられるフラグや。
やるしかない様じゃな。飛び道具の類いを持ってなきゃいいんじゃが。
「カタカタカタ。」手下の姿のゾンビィ達の前に後からどこからともなくスケルトン達が数体立ち塞がる。
(おぃ。ここはボス部屋とかじゃなくて狭い廊下なんじゃがそんな戦い方で良いのかの?
突っ込むのもそろそろ面倒になって来たんじゃが、このアホどもさっさと蹴散らかした方が良い
かもしれんのぅ。)とげんなりした顔で彼らを見やるのとほぼ同時に
「ギャルオゥゥ!!」ヒューーーン「ジュドーーン!!!!」
思いを代弁するかの様にやや火力を強めたミラの火炎球ブレスがお見舞いされ、派手な音と共に
着弾した所だった・・・。やっぱそうなりますヨネー。
恐らくはマージスケルトンの魔法の火力を参考に出力を上げたミラの若干苛立ったブレスの直撃を
受けスケルトン達の残骸が四散し虚空へと次々に消えていく。
余波で若干よろけた感じの手下風なゾンビィ達はそれでもその姿勢から態勢を立て直しつつ
こちらへと向かってくる。キィーロが竜気を纏わせた剣で、
ミィナ達が棘付きこん棒でそれぞれ迎え撃つ。
ゾンビィな下っ端連中は剣すら持ってないから素手というか腕が武器代わり。
ヒューイは近づかれるのも近づくのも嫌なのかホバリングとかしながら後方で困惑していた様じゃが
やがて涼やかな風を皆に送り始めた。換気の心算かの?まぁ腐り掛けた死肉の臭いなんぞ嗅ぎ続けてたら
気分も悪くなりそうだしの。ミラも自分のブレスでやや焼け焦げた連中から匂う焦げた臭いに
しかめっつら顔してる様じゃし。
ギラ。ふと視界の隅に鉈の様な曲刀の鈍い光が観える。
えーと。ひょっとしなくても私一匹でボスと相対してるって構図で良いんでしょうかコレ!?
ギギギギ。軋む様な幻しの音を立てる様に首を横に向ける。
そこにはやはりと言うか海賊ボス風なゾンビィが虚ろな目でこちらを見下ろし突っ立っていた。
どう攻撃しようかウロウロしてる内にボスの足元まで来てしまった様じゃな。迂闊じゃったわ。
ゾンビィな方々の攻撃方法碌に考えてませんでした・・・(反省。中ボスともなれば普通に攻撃とかする筈!(多分。という事で次回に続きます。




