客室を護る存在
殲滅はしないで行く様ですが！？
ぐるっと内壁兼小部屋群を周り込む形でほぼ船内を一周して
回わった所の隅に下層への階段室はあった。
甲板下の階の小部屋群はかつてそこに詰めていた船員達の寝倉の跡でもある。
船体に所々設けられた明かり取り用の窓のお陰で船内もそれなりに明るくこの層は
そんなに暗くは無いが、一応ランタンみたいな照明器具は携帯して来ている。
この層で得られる物と言ったら欠けたナイフだったり掘り掛けの人形みたいなのばっかなので
攻略者達も余り見向きもしない様な物ばかりじゃった。
ミィナ達は遺物をぞんざいな扱いはしないで『鑑定』したら丁寧に元あった場所に戻していく。
クエストによっては『船員達の遺品を回収する』なんてものもある位じゃしな。
ただ既に何度も攻略者達が出入りしているからかこの層で持ち出せる物は
そう残ってる訳でも無いので戻し終わったらせいぜい軽く鎮魂のお祈りをする位じゃ。
階段室には甲板に出る為の上り階段もあったがこっちは入って来た所のは違い
跳ね上げ式の簡易な扉が付いてるものの永い間開けられた様子も無いので放置。
いざとなったらそっから脱出出来るかどうか位はキィーロが確認しておったがの。
階段を降りた先は客室兼小荷物置き場ブロックになっておった。
ここはもう船倉の一部ではあるが船底の大型荷物置き場には置いておけない様な
小物や客人を乗せれる予備スペースでもある。
出現する魔物はさっきのスケルトンな乗員以外にゾンビィな奴が追加される。
かつてはこの船に招かれた客人達のなれの果てなんじゃろうか？
ほぼすっぱなスケルトンやボロ布纏っただけな感じのマージスケルトンに比べると
明らかに着てる物の質がいい感じだった物の残骸なんじゃよねぇ・・・
グールとかみたいに噛み付いて来たりはせんじゃろうな？と
侵入者を気にするでもなくゆっくりゆっくり歩き回っている彼らの姿を追う。
『MAP』上でも赤い点が蠢き回っているのは分かるが近づか過ぎない限りは
彼らはこちらを襲ってはこない。ただ単にそこに居る。といった様な感じではあるの。
俺様王子ら一行位なら経験値稼ぎとか称して殲滅して行けるんじゃろうが
こちらはそんなに急ぐ潜入でも無し。なるべく刺激しない様に各部屋を確認して行く事に
してたんじゃが・・・
「きゃっ！？」一番奥まった部屋の扉を開けた瞬間にアンヌが悲鳴を上げた。
そこには従者風な衣装を着たゾンビィがまるで中を守るかの様に立ち塞がっており
次の瞬間にはこちらに向かって両腕を振り上げて襲って来たからじゃった。
はて？事前情報ではこんな事あるなんて聞いてない筈なんじゃがのぅ。
リーナも驚愕してる様じゃし『イベント』では無い様じゃが、今はそんなん後回しじゃ！
戦闘描写は極力控えてしまってますが襲ってくる魔物とはしっかり戦ったりしてます。次回は戦闘シーンです。
