亡郷者達
舞台が整いつつある様です。
町の造船所とは少し離れた浜に曳航されて来たそれらの船舶は
かなり大きいガレオン船タイプから小型のヨットタイプまでと種類も豊富で
書類的な手続きをするヒトや何かが船の『鑑定』を行っている。
もし仮に持ち主が存命ならば出来得る限りは自力で引き取って貰いたいだろうし
そうでなくても利権的な問題が発生する可能性もあるからか
船内の探索も慎重にならざるを得ないんだとか。
(無くしたと思ってた物が帰ってくる可能性もあるんじゃろうし
勝手に盗るな。と言いたいヒトも中にはおるじゃろしな。)
船の特徴やら年式である程度持ち主が特定出来たらいよいよ先発隊が組まれる。
船の構造上迷宮よか簡易だし、彼らの目的は艦長室等の航海日誌やらの書類やらの回収。
船の名前なんかが刻まれたプレートとか見付かれば御の字なんじゃそうじゃが
中にはそんなん載せてないのもあるそうで、そういうのは船ごと無条件で下賜されるそうじゃ。
(ただまぁお約束というか異界なだけあってか無傷で船内をうろつける訳ではないんじゃそうでな。
出るのよね。それこそスケルトンとかゾンビィな連中な魔物がな。)
かつては船員だったそれらは船内を我が物顔でうろつき回っており、探索の行く手を阻む。
まぁ彼らにしてみりゃ船は巣の様な物じゃしな。抵抗しない理由が無いのは分かる。
(ただどう見繕っても元々乗ってた乗組員よか数が多いっぽいんじゃよなー。)
傍目で見てても寄って集って陸からの挑戦者達がそれこそ水際作戦で戦っているのに
倒されても倒されても数が減った様子が無い。
(回復師達が船を囲む様に設置した魔方陣で船からあふれ出す事は無いんじゃが
どっから沸いて出て来てるんじゃろ?謎じゃ。)
そうこうする内に先発隊が目的の物を回収して来て『鑑定』に回して来る。
ミィナやアンヌ達が出来る『鑑定』はタイトルとか船名位までで、内要に関してまでは手が出せない。
徹底しているといえば徹底してるが政治とか貴族な方々の駆け引きなんぞに巻き込まれるよかマシかの。
後は保管してある船別のリストを元に下賜するかどうかの判断が下され、
回収する物があればそれを上納させて後は全て見付けた者の物とされる取り決めが為されて
クエストが開放される。後は突入する連中の自己判断じゃな。要らなきゃ売るだけだろうし。
さて。私らはいつ突入の許可が出るかの?
航海日誌なんぞは一般人や学生な身分なミィナ達がその中身を見る機会は余程の事が無ければ有り得ません(当たり前?)。裏側では中身利用して足の引っ張り合いとかしてるかも知れませんがね。次回はよーやく戦闘シーンに突入です。




