目標は呪文書
念には念を入れてた様ですが・・・
クエストの凱旋所を後にした私は適当に村のお店を回ってから
村の外に出て山へとは反対側の道に行き、適当な所で道を外れて
茂みの中で『変化』を解いて『突進』とか使って最高速度で村へと戻る。
尚、凱旋所に行くに当たっては村を抜け出してから山側の道の方へ行き
道を外れた茂みの中に突入してから『変化』を使ったという徹底ぶりである。
一々村の外に出なくても『変化』事態は出来なくもないのじゃが、
念には念を入れなくてはの。村のおばちゃん達とかの目と口と耳を侮ってはならんし。
実際、「焦げ耳の一見幼そうな犬耳の子が旅姿で歩いてた。」とか
「どうやら学園に通ってる苦学生みたいよ?」とか
「パン1個買った位で他の買うの我慢してた」とか
一見いらん様な情報が既にいろいろ飛び交っている。警邏、ご苦労さまです・・・
って、私犬耳扱いなんじゃな。お陰でミィナ達には『謎の狐耳の子』な姿とは
まだ結び付いてない様ではあるが、手持ち衣装の少ない私じゃバレるの案外早そうじゃな。
『狐巫女』な姿なんぞ晒した日にゃ一体どうなるんじゃろ。
今はまだ似非でしかないから『浄化』とか頼まれても無理じゃし。
今回は旅人装う必要もあってマントの下は何時もの旅人の服じゃったけどもな。
タビーさんに叩き起こされてまだ寝ぼけ眼のミィナ達と一緒にクエストの凱旋所に
今日のクエスト受けに言ったんじゃが、案の定というか『幼めの犬耳の子』の情報を
犬耳のおっちゃんに教えられて一瞬ギクっとしたりもしたのも内緒。
「へぇー。学生なんだ。1年生か2年生位の犬耳の子なのかな?まだ魔法は使えないのかも知れないね。」
とミィナが思い当たる生徒がすぐ浮かばなかったのか首を捻りながら言ってた。
幸いにも魔梟は既に定期荷車で出荷された後だったそうで現物は既に無かったが
あったらあったでアンヌの鑑定眼で『鑑定』されてたかもしれんな。倒し方も気を付けなければ。
んで幾ら儲かったのかと言うとじゃな。300シルドじゃ。10シルド=10円位な価値じゃな。
持ち込んだ中じゃ魔梟が一番高値で売れたし儲かった分の大半があれじゃったがな。
それでも「手持ちの全部出しちゃったんじゃないか?」とか犬耳のおっちゃんに言われてしまったがの。
そういう所も含めての「やり過ぎるな」という教えなんじゃろうから今後は肝に銘じとく事にするか。
お金貯めたら学園の購買か街に繰り出してみれた時にでも呪文書買おうかの。
村でも呪文書は売ってるのでしょうがああいうのって結構高めかも。地味に独自単位のシルドを使ってますがペグやらまで出すかどうか考え中(うっかり出すとソラが羽根手裏剣の代わりに銭投げしそうで・・・




