課外授業?
どうやらフラグを踏んでしまったみたいです
私が村のクエストの凱旋所に獲物を売ろうと考えたのは単なる好奇心からであった。
猫なにーちゃんはガタイのいい虎あんちゃんになってて相変わらず外回りの狩り中心に
やっていたし。つかあのヒト猫ヒトじゃなくて虎ヒトだったのね・・・。
まぁそんな虎あんちゃんの真似をして採取の合間にぶっ倒した角兎とか
魔蛙とかの素材出すついでに肝試しの時に倒した魔梟を出してみようと思っての。
ミィナ達は肝試しの疲れからかまだ寝てるしこれ幸いと抜け出して来たんじゃが。
凱旋所のおっちゃんに何か身分を証明する物出す様に言われて一瞬困ってしまったのじゃ。
安く買い叩かれるのはそんなに痛くはないが売ったりする度に警戒されるのも困るしの。
(そーいや学園でもクエスト受けれる様になった時に魔力カード出す様に言われたんじゃっけな。)
仮とはいえ一応れっきとした魔力カードじゃ。多分大丈夫だろうと踏んで
懐から取り出す振りをしつつ『ストレージ』から出して見せたら
学園のクエスト凱旋窓口のヒト同様に魔力カードを預かり
室内に備え付けてある水晶に翳して何か確認した後に
ニコニコしながらこちらを振り返って半ばお決まりの様な台詞吐いてくれたので一安心する。
どうやら校外でもちゃんと機能する様じゃな。これは駄目とか言われんで良かったわ。
マントの中に予め仕込んでおいた袋を取り出し、その中から素材を出してカウンターに並べる。
角兎の毛皮×5に兎肉に魔蛙の脚×10本等と置いていって、最後に魔梟をデンと置く。
そう。魔梟だけは結局『解体』出来なかったんじゃよ。
時間も無かったし、なにより・・・魔梟の『解体』の正しいやり方を知らんのでの。
スキルに任せて自動解体みたいのしても良かったんではあるが。
なんかやる気が起きなかった。魔梟の死に顔は何か満足そうな顔しとるし
突き刺さってた羽根手裏剣も刺さり具合からして殆どダメージにはなって無かったみたいで
それを抜いてしまえば若干羽根が抜け落ちてる程度で一見ただ寝てるかの様にも見えなくは無い。
だが『鑑定』眼を持つ者ならばその魔梟の身体の縦に走る細いながらも重い斬撃の跡に気付く筈じゃ。
まさか魔力を纏った剣化した渾身の尻尾での打撃の跡だとまでは気付かれないにしても
歴戦の戦士にも匹敵するであろうクエストの凱旋所の職員だか係員の犬耳のおっちゃんの目は
誤魔化し切れないに違いない。目の前のひ弱そうな狐耳の少女の腕前を・・・。
実際に早々に他の素材の『鑑定』を済ませた犬耳のおっちゃんは
意識して最後まで残した魔梟を「うーん。」と唸って状態を手と眼を総動員して『鑑定』しまくってた。
「・・・お穣ちゃん、見かけに寄らず強いんだな。普通魔梟ともなると罠も中々通用しないんで
魔法で撃ち落とすか剣で滅多打ちにするのが普通なんだが。」と関心した様な声を掛けてくれた。
む。罠じゃと?あ。そーいや鳥の獲り方にそんなんあったな。網とか餌釣りとかじゃったか?
梟相手なら餌釣りかの?羽根手裏剣使う様な相手ならばそら通用しにくいじゃろうがな。
「いえ・・・。たまたまですの。それに『解体』の仕方が良く分からなかったので
そのまま持って来てしまいましたけど、不味かったでしょうかの?」
とさり気なく話題を逸らして見る。多分得物が木剣か何かだと推察されてる段階だとは思うけどの。
「ん?あ、いや構わないよ。むしろこいつは『解体』しないで持って来てくれて助かった。」
と犬耳のおっちゃんが意外な言葉を掛けて来た。
へ?そうなの?何で?と思わずきょとんとした私に犬耳のおっちゃんは実に楽しそうな顔になり、
その理由を話してくれた。
フラグはフラグでも解説フラグでした。犬耳のおっちゃんにしてみればいい話相手をとっ捕まえた感じなんでしょうけどね。




