屠りまくれば寄って来る(VS蛇)
行動範囲はまだ狭いです。
まぁとりあえずレベルも上がった事じゃし、この調子で行きましょうかの。
『自己進化』とか果たしてどういうモノなのかまだ分からんのじゃし。
「とりあえず『MAP』がもっと使いやすい様になれば良いのじゃが、これは使いまくれば良いのかの?」
と『MAP』画面を呼び出してみる。
相変わらず枠内には灰色に緑の軌跡が出てるだけだがその内索敵機能が付くかも知れない。
「恐らく立ち止まったままでは何回画面を出そうと意味あるまい。歩きまわるしかないか。」
とテクテクとまっすぐ線を引く様に歩き始めた。
「さて、他にもムカデとか居る筈じゃろうしとりあえず出会ったら様子みるとするか。」
うっかり調子に乗って強敵にでも出会ってバラバラにでもされたら洒落にならない。
「まぁ流石にムカデ(特大)とかに出合ったら兎に角逃げるしかないの。後遭遇しそうなのは・・・いぬ?」
とここで恐ろしい想像が頭の中に過ぎってハタと歩みを止める。
「そ、そうじゃ、後困るのが犬ころな連中じゃったっ。あやつらはかなりヤバい。」
何がヤバいって『お持ち帰り』とか『埋葬』とか『バラバラ事件』とか・・・
「ひぃぃぃ。こ、これでは迂闊に長距離を動き回れん。『MAP』を埋める方が先じゃっ!!」
と慌てて直角に進路を変更し、小さな緑色の枠を作ってはその中を埋めていくという地味な作業に入る。
無論ただ枠を埋めていくのでは無く、遭遇したムカデや羽蟲達は片っ端から屠っていく心算である。
「ギキィッ!?」「ギィギィ!」「キシャーーー!」ゲシバシドカ。
「なんかムカデばっかじゃの。まぁ良いわ。うん?」
そんなこんなしている内にムカデの血の匂い等に誘われたのか目の前に蛇が現れた。
:山蛇(中) HP20/25
山に住む蛇。鼠や蟲を食べる。対毒性を持つが毒は持たない。
「ん?ちょい怪我をしてるみたいじゃの?ムカデとでも戦ってたのかの?じゃが関係ないっ!!」
ムカデの死骸に近寄ってくる蛇にまずは尻尾攻撃。ひょい。と掠りつつも避けられる。
「む。こしゃくな。それではこれでどうじゃっ!!」ぴょいんと跳ねてからの全身プレス。
若干迷惑そうな山蛇もようやく妙な木の塊に攻撃されている事に気が付いたのか口を開けて威嚇する。
「うをっと!?いくら毒が無くても噛まれそうになるのは嫌じゃのう。」
ぴょいんドカ。ぴょいんドカ。現在持ちうる最大の打撃力は尻尾と全身プレスのみ。
駄々っ狐キックではリーチが短すぎるし絡まれて締め付けられるのは嫌なのでプレス後は直ぐ距離を置く。
段々HPに余裕がなくなって来たのか蛇が逃走モードに入ったのが観てとれた。
「逃がすかのっ!!回転アターック!!」
ぴょいんと跳び上がってから転がる要領で前屈し背中側から蛇の頭めがけて着地。
丁度お尻の下に轢かれる形で少し柔らかい地面にめり込んだ蛇の頭目掛けて尻尾で追撃する。「カプ。」
「あ、こら、尻尾を食むなっ!!離せーーーっ!?」
最後の反撃とばかりに尻尾に噛み付いた蛇を鞭の要領でそこらに叩き付けまくり
全身で振りかぶって蛇を木に叩き飛ばしてやる。「べチンっ!!」
木の幹に叩き付けられた蛇はドシャっと地面に落ち動かなくなった。
:山蛇(中) HP0/25(死亡)以下略
「ふぃー。結構しつこかったのぅ。じゃが今回はレベルアップは無しか。」
念の為に蛇が出てきた方を偵察にいってみる事にした。何故あの蛇は傷付いていたのであろうか。
動き回らせたいけど所詮『玩具』サイズなので出来る事はまだまだ限られます。
その内大きくすべきなんでしょうけどね。




