夜に備えて 肝試しその② VS『魔梟』
狐にとっての強敵の様ですが?
ホーホー。何処かでフクロウが鳴いている。
人工人魂は子どもらががここらに差し掛かる時位しか灯を灯さないので
今は薄暗い森に差し込む残光と対照的に明るくなりつつある月の光位。
肝試しって東洋なイベントな気がするんじゃが、
異世界なだけにいい所どりというか、チャンポンな状態なんじゃよなー
村での生活の仕方もごっちゃ混ぜ状態だし。
まぁ細かい事言えばそこらへんはきりがないので置いておいて。と。
フクロウが鳴いているという事は、あやつらもそろそろ狩りの時間か。
・・・ん?という事はじゃな、ものすごーく嫌な予感がするんですがっ
はっとした私は次の瞬間には地を蹴り『立体機動』を使って細い木の幹を利用しつつ
音も無く飛来してきていた『魔梟』の襲撃をすんでの所でかわして・・・いなかった。
『魔森鼠』の魔力で強化された毛皮ですら捕まれたらがっちり食い込ませる事が可能な
強靭な爪の跡が6本も私の木の肌に薄っすら残っている。
(痛覚なくて幸いじゃったがナマモノなら今頃痛さでのたうち回ってる所じゃったな。)
人工人魂の残温を体温と間違えたのかの?少し目標がずれてなきゃ危なかったわい。
しかし『異界』とはいえ狐種にとってやっかい過ぎる相手に目ぇ付けられたかもしれん。
いつぞやの梟みたいに寝ぼけておるんならこちらもモフれる位は余裕なんじゃがな。
ミィナは茂みの中だしこちらには気が付いてない。
『魔梟』だけに『無音』とかの種族特性はただの梟よりも上だろし無理もなかろう。
私を襲ったのは『魔森鼠』の類いと勘違いしたからかもしれんが、相手が悪かったの。
再び無音で飛んでくる『魔梟』の動きを『MAP』で追いつひらりと追撃を余裕でかわす。
くふふふ。『暗視』はなくともこちらにはお主の動きは丸見えっ・・・「!」
カカカカッ!ふいに身体に振動と共に何かが何枚も突き刺さっていた。
(うをっと。羽手裏剣とは小癪な。こっちが木でなければ痛いじゃすまんぞ!?)
魔力操作で硬くしてるのに突き刺さるとはの。手錬れなのは分かるがこちとら『玩具』。
こんな攻撃なんぞちょっとうっとうしい程度に過ぎん。
さあて、ミィナの手を煩わせるほどでもない。そろそお返しさせて貰うとするかの。
いつぞやの梟さんとは別固体です。狼も梟も狐にとっては強敵ですがソラ相手だとそうもいかない様で・・・ もう戦闘シーンが一話分に収まらないのは仕様という事でここはひとつ。




