召喚に付いて悩むネコ
村の子どもらに聞かれた様です。
その日の朝の薬草採りは無事に終了した。
朝露で濡れた薬草はランクが上がるらしくてほぼ全部Bクラス。
決して私の『採取』レベルが上がった訳でないのは
まだ『採取』レベルが低い子らにミィナが理由を教えてたのだから間違いない。
しかし子どもってのはどの様な世界でも『ロボット』とか『ゴーレム』の類いが好きなのかね?
休み時間ともなれば私がヒト型だったら女の子達に着せ替え人形にされかねん位の
キラキラした目が注がれてたりするんじゃが!?
ふと学園祭の時の露店の女子達のある種異様な着せ替え欲を思い出して内心身震いする。
少年A「ねぇねぇ。僕も『召喚師』になったらこういうの召喚出来たりするのかなー?」
とか言う具合にミィナが質問されとる。変形合体ロボとか想像しとるんかな?
少女B「えー。召喚出来るんならわたしもっと可愛いお人形さんみたいのがいいなー」
女の子ならやっぱそっち系デスヨネー
この世の『ゴーレム』事情は良く知らんが多分いろんな種族基準の『普及品』がある筈じゃ。
私の様な『玩具』な『ゴーレム』も恐らくは・・・ある。
でなければ一般学生でしかないミィナが私を所持していて普通に学生生活をおくれる筈ないじゃろしな。
「そぅねぇ・・・。ソラみたいな実用も兼ねた『玩具』が他にあるのかは知らないけど。」
とミィナが私をひょいと抱き上げて
「召喚師や錬金術師を志すヒトの中にはゴーレム職人を目指すヒトはいるわね。」
怪訝な顔をする子どもらにミィナは解説を続ける。
「ゴーレム職人というのはゴーレムを創り出す専門の職人さんよ。
普通、私達『召喚師』が召喚する『ゴーレム』はね、自分で一から創りだすか
ゴーレムを専門に作る職人さん達によって創り出されるものをお金を出して買ったりした物なのよ。」
と私を撫でつつ言う。
「「へぇ。そうなんだー。」」とかいう子どもらの感想やらを聞きつつ彼女は続ける。
「ソラはね、そういう『ゴーレム』じゃなくて『召喚獣』だから
『ゴーレム』と違って私達が同じ物を創り出す事は多分出来ないわ。
こうみえてちゃんと『生きている』のよ?見た目は『玩具』かも知れないけど。」
「だから」と続けて
「ソラみたいな子を『召喚』出来るかと聞かれたら、多分、無理ね。
あたしの場合はものっ凄く運が良かっただけに過ぎないわ。・・・それも2度と無い位に。」
(あんな召喚魔法陣ごと学園が吹っ飛びそこねる様な事件が頻発したら逆に怖いわぃっ!!!!)
と思わず私は心の中で突っ込んでしまう。
「えー?じゃああの龍の雛は?」と別な女の子がリーナが抱えてるミラに付いて聞く。
モフモフじゃしな。人気度が高いのは分かるがなんせ貴重種な龍だしのぅ・・・
「んー?あの子はどぅなんだろ?本来はアタシが通ってる学園の召喚魔法陣ごときじゃ
召喚は出来ない筈ではあるんだけど。一度遭遇した貴方達ならば、実力さえ付けれれば
機嫌によっては召喚には応じてくれるかも知れないわね。
・・・あれ?と云う事はあたしもいつか召喚出来たりするのかしら!?」
と妙に焦りだすミィナ。
多分リーナとミラが許せばお主もミラの『召喚』は出来るかも知れんが言う事を聞いてくれるかは
別問題じゃろうしのぅ。くだらん要件で呼んで頭ガジガジ攻撃はされんようにの?
『異界』の『玩具』の召喚を成し得た扱いのミィナだからこそ友人のリーナとミラの許可があればミラの召喚は可能かも知れませんが常人はそうはいきません。多分ミラの親に挑まれるのが先になるでしょう。
アンヌは・・・どぅなんだろ。




