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A君

作者: 藍川 捺槻

・・・おぉ。

やっと来たか。

こうしてお前と会うのも久しぶりだな。

小さいころはいつもこうして集まっていたのにな。

この公園も小さくなったもんだ。



お前は今なんの仕事してるんだ?

あぁそういえばそうだったな。



・・・それで、お前はなんでこんなとこに俺を呼び出したんだ?

どうせなら喫茶店なんかでもよかったのに。


思い出の場所で会いたかった?

なるほどねぇ。

いつもこの公園で遊んでいたからなぁ。



話があるって?

一体なんだよ。


A君に会いたい?

なんでそんな急に・・・



まぁ、確かにもう何年も会ってないしな。

今、何やってんだろうなぁ。


そんな、俺だってずっと連絡とってないんだから。

居場所なんて聞いたことないよ。


悪いな。

なんか、期待を裏切っちまったみたいで。

俺も何でも屋じゃないからな・・・




はぁ・・・A君かぁ。

懐かしい名前だな。

いつも、俺とお前とA君で一緒に遊んでたな。


幼稚園のときから中学生のときまでずっと一緒でなぁ。

特に小学生の時は毎日この公園に集まってな。

暗くなるまで遊びまわったよ。


お前がいつも来るのが遅くてな。

隠れて待ってて驚かせてやったりしたよ。



特にあれだよ。

あの~なんだったけ?

A君が大好きだったやつだよ。



ふ菓子?

違うよバカ。

そういう食べ物の好みじゃなくて。



Bちゃん?

好きだったやつじゃねえよ。



あ~でも・・・あいつBちゃん大好きだったからなぁ。

小学生のときからずーっと。

高校生になったときでもたまに言ってきてたよ。



いや、高校は三人ともばらばらじゃないか。

A君は頭が良かったからトップ高に行ったんだよ。

ま、Bちゃん追いかけるためかもしれないけどな。


お前はどこだっけ?

あぁ、そういやそうだった。

俺は三人のなかで一番頭も悪かったし。



そうそう、A君って高校のとき傷害事件起こしたんだよ。

大事にはならなかったみたいなんだけど。

あいつ切れると怖いからなぁ。



結局高校には三年間通ったんだけどな。

Bちゃんとはなんにもならずに終わったらしいな。

ほんとに、残念な奴だよ。




ってそうじゃなくて。

あいつの好きだった遊びだよ。

なんだったけなあれ。




そう。そうだった。

鬼ごっこだよ。

最近はそんなことしないからすっかり忘れてたよ。



懐かしいなぁ。

みんなが集まるといっつも鬼ごっこしようって。

毎日毎日よく飽きないよな。



しかたないから色々考えてたよな。

同じこと毎日やってもつまらないから。

西部劇風とかな。



あいつ今でもどっかで鬼ごっこしてるんじゃないのか?



ははは・・・。

そんな訳ないか。

あいつもいい大人だもんな。



そういえば、あれ覚えてるか?

三人で廃病院で肝試ししたの。

あのときはお前だけびびって逃げ出してなぁ。

しばらく笑いのネタにされてたよな。




ふぅ・・・。

さて、俺はもう帰るよ。

俺にも仕事があるからな。



いくら話したって無駄だよ。

最初に言っただろう。

ずっと連絡を取っていないって。




じゃあな。

またどこかで会おうぜ。






そういや、さっき俺が言ったことって間違いじゃないかもな。

A君がまだ鬼ごっこしてるって話。

あいつ今でも楽しんでるかもよ。


















なぁ警部さん・・・。














<・・・続いてのニュースです。先日の女性惨殺事件で殺害された女性の身元が判明しました。

被害者の女性の名前はBさん。顔を何度もナイフで刺され原型をとどめておらず、所持品はすべて奪われ身元の判明が遅れました。犯人はいまだ逃走中です。 被害者のBさんは以前からストーカーの被害に悩まされていたようです。どうやらこのストーカー犯が犯行に及んだと思われます。 犯人は依然逃走中です・・・>
















・・・あいつ、今でも鬼ごっこを楽しんでるかもな。

勢いで書きました。

申し訳ございません。

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