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雑魚は従者に頼るしかないじゃんm9(-ω-)



まぁどうする事も出来ない。このまま飢えて死ぬのだろうか。一応食材とかはまだあるがいつか尽きる。どうしよう。


こんな時に役に立つのがヘルプである。


腕時計みたいなのを二秒以上タッチし、半透明の画面を出して、一番下までスクロールすると、ヘルプコマンドがある。


要するに説明書みたいなもの。迷宮について調べると、この前話した通りなんだが、一文追加されていた。


『迷宮の想像主にも牙を剥くのが迷宮だよっ☆自分は大丈夫だと思ってた?馬鹿なの^^?』


『凄いよオンライン』のヘルプとかインフォメーションは全てこのウザい感じで執拗に統一されている。しかもそれを言っているマスコットキャラクターの見た目がまたウザい。ユーザーからはマスコットキャラクターの討伐イベントを望む声が結構あった。俺もまた、その一人である。


とにかく、最上級すら超越したこの迷宮を抜けるのは俺には不可能だ。道順は知っているが道中にモンスターが出てきたら詰む。


故に、現実から逃避しながらやけっぱちになって人形を作る事にした。


☆☆☆☆☆




人形の見た目は合成した物に依る。ステータスもまた然り。


じゃあ人形に、武器:人形を合成したらどうなるの?


やってみた。


とりあえず武器:人形自体をまず人型にする。鍛冶のレベルが低いと人型すら作れないが、生産皇帝はレベルMAXの適性値はSS++判定。これ何度言っただろうか。いい加減しつこい気がする。


で、人型作成。材料は最高級。製作者も(ステータスは)最上級。


見た目は、白銀のストレートの髪の毛に、白磁の肌。ボン・キュッ・ボン。白魚の様な指。後は背が高い。


まぁ鍛冶で人形製作しただけなんだが、目の前に光が集まっていきなり超美人が生まれた。武器なんで喋らないし動かないけど今にも動き出しそう。


これを、人形に合成。


結果は、マネキンが消えただけ。ステータス見る限り成功してる。よし。後は適当に


「おはようございます。我が(マイスター)


「ぬわぁおぅ!?」


キェァァァァァ!! シャベッタァァァァァァ!!


「いかがなさいましたか?」


「え? え? 話せるの?」


「はい。一定値以上のステータスを獲得した人形(ドール)は意思を持ち、自我が生まれます」


な、なんだってー!?


マジで? 超ビックリ。


「そ、そうなのか」


え………じゃあまさかスタックしてある人形にもそれぞれの個性や意思があったかもしれないってこと? じゃあアイテムボックスにいれっぱなしは可哀相?


俺は急いでアイテムボックスから人形を取り出し、しっちゃかめっちゃかに鍛冶:人形で人形を作り(もちろん素材は最高級)、じゃんじゃか合成した。


MPはすぐに底をついた。


★★★★★




我が(マイスター)。我が(マイスター)。愛しい愛しい我が(マイスター)


あなたの優しさは海より広大で山より壮大で、何より尊い。


(マスター)(マスター)。大好きです(マスター)


私を生み出してくれたあなたが好きで、愛しています。あなたを邪魔するモノがあれば私はいかなる手段を用いてでも滅っしましょう。あなたに立ち塞がるモノがあれば私はなんとしても排しましょう。あなたの害になるモノは最優先で殺しましょう。


あなたの安らかなる時を永遠に続けましょう。


私を存分にお使い下さい。私をいつまでも側に置いて下さい。私がいるかぎりあなたを守ります。


だから、いつまでも一緒にいて下さい。我が(マイスター)


★★★★★




ハッ。イッツアドリーム。


いやー、変な夢見たなぁ。百人の美女とか美少女とか美幼女とか美丈夫とか美男子とか美少年が俺の事をマイスターだかマスターだかと呼んで傅く夢を見た。俺自身自覚していないがそういう願望でもあるのだろうか。エロゲーで触手モノとかやってたからかなぁ。変な性癖があるのだろうか。でも男は無いと思うんだ。っていうかこの枕良いなぁ。暖かいし。昨日は気絶してて特に何も思わなかったけど生産でこんな枕が作れるのか。


「おはようございます。我が(マイスター)


!?


頭の中に某蛇の警告音が鳴り響いた。頭上から声がする。バチンと目を開けると、謎の膨らみが二つ眼前に存在した。な、何だこれは。


俺は横に回転して抜け出すと(後頭部に、ふよん、とした感触があった)、バッと今まで自分がいた所を見た。


正座で座っている、超美人がいた。超じゃ足らない。ウルトラスーパーハイパーマジヤベェ超凄い美人がいた。


「いかがなさいましたか?」


ま、まさか。俺はあれか? 二次元にしか存在しないと専らの噂の『膝枕』という枕で寝ていた………?


「おおお、俺は、ひ、膝枕で、寝ていた………?」


「はい。僭越ながら私がその役割を担いました。不愉快でしたか?」


何だろう。少し悲しげな雰囲気というか口調だった気がする。まぁ対人コミュスキルなんてカスに等しい俺の判断なんざあてにならないが。


「いや、何と言うか、恥ずかしかったというか、むしろ俺のが僭越だったというか………ゲフンゲフン! と、とにかく! 別に不愉快って訳じゃ無かった!」


何となく安堵してる気がする。気がするだけでどうだかは全くわからない。ゲームみたいに相手の考えてる事が()←で表現されれば楽なのに。


そういえば、人形のステータスはどうなってるんだろうか。正直昨日はなんか凄いテンションでなんか凄い適当にやってたから確認してないや。


人形のステータスを見る………前に、俺のステータスを再確認する事にした。



名前:バーナード


職業:生産皇帝


Level:99


HP:3990


MP:784651298098654113


STR(力強さ)75


AGI(素早さ)1000


DEX(器用さ)8406358


VIT(物理防御力)90


MND(魔法防御力)1500


INT(賢さ)43448


LUC(運)1000


俺のステータスはこんな感じだ。それぞれのジョブで、レベルアップした時に基礎ポイントがそれぞれに1+αずつ割り振られ、ボーナスポイントが10+αほどあり、それを自由に振り分ける事でパラメーターにばらつきが生まれる。俺のSTRが異常に低いのは後衛のジョブと生産のジョブしか選択してなかったからだ。ジョブによっては上がらないステータスもある。代わりに後衛系の能力は軒並み高い。


後はVR化する前にあったイベントでボーナスポイントを大盤振る舞いしていたせいで数値が一部バグっている。


まぁ、実はVR化に伴い、それ以前のユーザーのキャラクターは基本的に使えなくなっている。そうでもしないとバランスが取れ無くなったのだ。VR化してから三ヶ月しない内にバランスブレイカーな装備は装備出来なくなったし、キャラクターはイベント参加やランキング登録が出来なくなった。まぁ生産職には関係無かったが、武器関係でごたごたが起こったのは焦った。なんとかなったけどさ。


で、目の前の美人のステータスがこれ。




名前:アリス・クスィム・イルューミ・スカーレット


職業:従者


Level:1


HP:64218062584514845045187


MP:305845481865085


STR(力強さ)495064297415808


AGI(素早さ)5159849589085286494


DEX(器用さ)154627498


VIT(物理防御力)995149748905884


MND(魔法防御力)984085419088485


INT(賢さ)1146043445448918


LUC(運)76549548054908965







( ^ω^)………?


( д) ゜゜


へ?


☆☆☆☆☆




「………つまりあれかい? 俺は君の最大合成回数99回の内、98をバランスブレイカーな装備との合成に使った結果偉いこっちゃになったと」


「そのようなことをおっしゃられた後にマイスターは倒れなさいましたので、私どもが寝室にお連れしました」


あぁ、今ならマッドサイエンティストの気持ちがわかる。多分、ククク………とか笑いながらゴチャゴチャと合成していたに違いない。それに、アイテムボックス見たらチート武器かなり無いし。結構合成しちゃったんだなぁ………。残ってる奴も俺のSTRじゃ装備出来ないし。


やっちまった。


「マイスター?」


「いや、うん。自業自得なんだけどね。俺ってばここから出れないんだ。調子に乗って迷宮作ったら出れ無くなった。もうダメだ。チート武器も装備出来ないし飢えて死ぬ」


もうだめだ\(^o^)/多分死んだ\(^o^)/俺はミイラもしくは白骨死体/(^q^)\


「私どもを使えばよろしいのでは?」


「………?」


俺はヘルプを調べた。速きこと風の如く調べた。


『作った人形はNPCとして仲間に出来るよ! 他力本願^^ カスでザコのもやし生産職でも大丈夫! 後衛(役立たず)になれば弱っちい生産職でも人形次第では最上級クラスのダンジョンもソロクリア可能かもっ☆ NPCとチwーwムwだwけwどwもwwwww友達wwwいないの?wwww』


ウザ。ウザいが、今は許してやる。討伐イベントで待っていろ。


なーんだ。なら楽勝じゃん。こんなチートステータスの従者いるし超☆余裕。


「アリス」


「は、はいっ、なんでしょうかマイスター」


顔が赤い? アリスも喜んでくれているのか! 良い仲間を生み出した! ナイス俺!


「ありがとう! 君がいなければ俺は死んでたかもしれない! ありがとう! 大好き!」


手を握り締めて頭をめっちゃ下げながら言った。もう俺はひざまづいて祈る様にアリスを崇め奉った。


実は抱き着こうと思ったんだが、どう考えてもアリスが悲鳴を上げて嫌がる様な気しかしなかった。俺だし。彼女いない歴が年齢だし。


何はともあれ良かった。これで餓死は免れた。


★★★★★




我が主が我が主が我が主が我が主が我が主が我が主が我が主が我が主が!


私を褒めてくれた大好きと言ってくれた名を呼んで下さったありがとうと我が主が言ってくれた!


他の誰でも無く、私のみに!


私がいないと死んでしまっていたと!


私は、私は、私は。


我が主を窮地から救うことが出来た。我が主を助けることが出来た!


あぁ、あぁ、あぁ。我が主が私なんかの為に頭を下げて下さっている。


我が主が手を握っている。私ごときの手をとって下さっている!


あぁ、あぁ、あぁ。あぁぁぁぁ!


★★★★★




む? なんかアリスがビクンビクンしてる気がするけど何してるんだ? 頭を上げると目が潤んでいた。そんなに俺が手を持ったのが嫌なのか? 落ち込むどころではない。鬱で首吊るレベル。


あれ? でもそれならなんで膝枕してくれたんだ?


うーん。謎は深まるばかりである。




ディスガイアみたいなインフレしたけどそんなことよりタイトルの由来が明らかになった。

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