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もうお前作るしか能が無いじゃんm9(^ω^)



「え?」


暗転してから直ぐに違う景色になった。目に入るのは木だ。沢山ある。しかし空気が何やらじっとりとしていて嫌な感じだ。空模様も良くない。紫な雲が空を覆っている。


「………え?」


ログアウトしたはずだ。ログアウトしたら俺は自分の部屋にいるはずだ。


じゃあここはどこだ。冷や汗をかきながら頭を掻いた。髪の毛が指先に触れて、違和感を抱く。


冷や汗をかいた?


背中がしっとりと濡れていた。


髪の毛?


前髪を見ると一本一本が細かく揺れている。


おかしい。


VR技術がいくら発達したといっても限度がある。例えば髪の毛。


一本一本をコンピューターが計算して動かすとなると確実に落ちる。数億人の髪の毛の処理なんて無理だ。そんな細かいところにリソースを割く訳無い。


汗などの生理的な処理も無理だ。


そして、自分の腕を抓って感じた痛み。


VRはリアルに見せるが、所詮は見せるだけだ。痛みなどは感じさせれ無い。


え? じゃあまさかこれって三年前には夢物語で、ここ三年間に急増した、ログアウト不可系?


ゲームの中に、入っちゃってるの?


☆☆☆☆☆




いろいろ確認した。


結果、俺はゲームのキャラクターになっていた。ゲームの世界かどうかはわからない。


嘘だろ? でも鏡(自作)見たら顔変わってるしもう何て言うかなんてこった。


とりあえず、もう寝たい。


ゲームのキャラだとしたらあれだ、生産で家が作れるはず。スキルと念じると頭の中に項目が出てきたので生産:家を選択して、そこそこの家を作った。たった五秒の出来事だった。


サブ職の陰陽師のスキルで、魔物などがが寄らないようにする陣を形成し、家に入って寝た。




次の日。


ピーチクパーチクと雀が鳴くような声なんて無く、ギャーギャーと鳴く何かの声で起きた。嫌な目覚めだ。


状況はまるで変わっていない。


俺はまたゴロゴロしていたが、腹が減った。


メニューを開くと取り寄せをタッチする。これはゲーム内の自宅からアイテムを取り寄せる事が出来るコマンドなのだ。ただしモンスターとの戦闘中には行えないコマンドだ。ログアウトコマンドは無かった。


取り寄せは出来るようなので、持っていた材料で収納ボックスを作り、ゲーム内の自宅にあるアイテムを全て取り寄せた。が、そうしたら家の中で寝るスペースが消えたので新しい家を作る事にする。生産の項目を見ていくと、いくつか新しい項目が増えていた。


夜も遅いので明日確認するとして、とにかくまずは広い家を作った。そして、寝る。




狼みたいな遠吠えの声で起きた。ビックリした。


今日は生産の増えた項目の確認と、その他ゲームとの相違点を探そうと思う。


ゲームでは、建築、調合、合成、錬金、鍛冶、裁縫、調理、が主な生産項目だった。


これに、人形と迷宮というのが増えていた。


人形は一応ゲームでも作れた。裁縫で作った人形は部屋の飾り等に使えるし、鍛冶で作った人形は武器として使える。


迷宮はわからない。が、ゲームではダンジョンの事を迷宮と言っていたから、ダンジョンに関わるのかもしれない。


生産項目から生産:人形を選び、作成。目の前にマネキンが現れた。


マネキンは何も喋らない。動かない。


………どういう事。というかどうしろと。


自分のステータスを確認すると、所持品として目の前のマネキンがインベントリに入っている。レベルは1と表示されている。


もう一度生産項目の人形を選択すると、作成コマンドだけではなく強化というコマンドが追加されていた。選択すると、人形に自分の持っているアイテム等を合成する事で強化されるようだ。


アイテムはなんでも良い様なので普通に手に入るアイテム『スライム汁』を合成した。


すると、マネキンはスライムになった。ステータスはマネキンの元々のステータスにスライムのステータスを足したステータスになっていた。


………合成したアイテムで姿形が代わるのか。それに、金を注ぎ込む事で更に合成出来るようだ。


チートキタ。三年ぶりにチート。しかも人形はスタックできて、1スタック99まで。それに人形に指示ができる。


やべえな。クラン対抗の大戦争イベントがあったら確実に上位入賞。


久々に笑った気がする。こっちに来てから常に気がたってたからな。そうだな。俺は多分ここで生きなければならないんだろう。


何やらおセンチな気分になったがなにはともあれ諦めが着いた。


となれば、さっさとこの世界で生きやすい様な陣地を形成することにする。


生産皇帝の別名、動く都市の名の由来を見るが良い。


生産生産生産生産生産生産生産生産生産生産生産生産生産生産×沢山


ふぅ。三時間くらいかけて城完成。陰陽師の陣地作成を使い俺の居る場所一帯を山で囲んで、俺の住んでる城を高い小高い丘にした。


更に山の中には生産項目の迷宮を作ってある。迷宮は普通にダンジョンを作る能力だった。作るには迷宮ポイントという独自のポイントが必要で、とてもじゃないが山全体を迷宮に出来るほどのポイントを持っていなかったが、そこはさすが生産皇帝というもので、全生産適性SS++判定は伊達じゃない。


迷宮を作っている最中にどんどん迷宮生産のレベルが上がり、迷宮ポイントは尽きることが無かった。それに、生産適性値のおかげで迷宮を作る時に必要なポイントが割り引かれるし、レベルアップ時のポイントボーナスが半端無い。


「迷宮生産か。こいつも資金面でチートかよ」


とまぁチートだった訳で。


実はゲームで迷宮に関する物も無くは無い。各ダンジョンを最初にクリアしたプレイヤーには《〜迷宮の主》という称号が送られ、以後、迷宮に入るには入場料が必要となり、入場料の何%かを貰えるのだ。それに、資金を利用してそのダンジョンのキャパシティ内に収まる程度のモンスターやトラップを仕掛けることが出来、そのダンジョンで死んだプレイヤーの所持金の1%をゲット出来る仕様だった。


俺もとある迷宮の主だったが僻地だしチャレンジャーも少なかったのでたいした収入にはならなかった。


が、この生産項目の迷宮では、入場料は全て俺のものだし、迷宮内で死んだもしくはモンスターに捕獲されたプレイヤーとプレイヤーの所持品を自由に出来る権利を有するらしい。普通にヘルプに書いてあった。


人形もおおよそ俺の推察通りのようで、ただし人形の合成上限は俺の生産:人形のレベルによって変わるらしいが、スタック数確認の時に作りまくったからもうレベルはMAXだ。


迷宮ポイントを使用してダンジョン内部にモンスターを入れて、どんどん増やす。それぞれのモンスターに適したフイールドをいくつも作り、モンスターの巣を作ったりトラップを仕掛けまくったりと楽しい。生産:迷宮のレベルとダンジョンの広さでダンジョンのキャパシティが決まるが、レベルMAXの俺が作る広大なこのダンジョンにはキャパシティがあって無いようなものだ。


いやはや、やっぱり生産は面白い。ついつい時間を忘れてしまった。既に夜だ。明け方が近い夜だ。


俺は倒れた。


☆☆☆☆☆




起きた。どうやらMPが0になると気絶するようだ。


俺がバンバン使っていたスキルである生産も無料で使い放題って訳じゃない。生産するのにもMPが必要なのだ。とは言え、複数の職業をマスターし、レベルアップなどのボーナスポイントをだいたいMPに割り振っている俺に死角は無かったが、流石に昨日は使いすぎた。っていうかゲームではVR法で、連続で六時間以上VR機器を使用してはいけないと決まってるからMPを使い切るのなんて無理だったのだが、現実になってしまった以上六時間なんて枷があるはずも無く、何十時間とやってたからMPが切れたのだろう。ただ、一回寝れば全回復するようだ。


「………………はぁ」


あー、何これ?


俺は目玉が飛び出るくらい驚いた。


何故か、俺が、魔王城というかRPGのラスボスの城みたいな場所にて目を覚ましたからだ。


しかも辺り一帯は富士山よりやや低いくらいの山に囲まれていて、その山は踏破無理じゃね?ってくらいの迷宮で、しかもモンスターがうじゃうじゃ居て、何かもう超魔界。


「やりすぎた………か」


まぁ深夜のテンションは恐ろしいなぁということで。あなた、疲れていたのよと言ってくれる人もいなかった訳で。


っていうかむしろ俺が出れるのか? 中級クラスのダンジョンまでならソロでクリア出来るけど、上級とか最上級クラスのダンジョンをソロクリアとか不可能なんですが。いや、ほら。俺生産職だし。一応、レベルアップした時に基礎ポイントがある程度あるけど、ボーナスポイントをほとんどMPに振ってるから正直、俺雑魚だからね。中級クラスソロクリアもバランスブレイカーな武器があってようやくクリアだから。


どうする、俺。





早速生産チートがでましたよ。

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