ログアウト出来るわけ無いじゃんm9(^д^)
アイテムボックスからアイテムを取り出し、合成する。それによって生み出されたアイテムを更に合成。そうして出来たアイテムをインベントリに戻し、同じ作業を繰り返す。
俺はふぅと溜息を着いた。汗はかいていない。なぜならここはゲームの世界だからだ。
『凄いよオンライン』というゲームがリリースされたのは五年も前の話だ。当時の俺は大学二年生。文系の学科に所属していた俺は暇だった。大学が始まった当初こそ、慣れない一人暮らしやバイト等に悪戦苦闘したが、それも半年が経過する頃には慣れた。
夏休みには本格的に暇になり、ネットゲームにはまったのはその頃だろう。
俺はいろいろなネトゲーをやったが、どのゲームも古参が強く、課金しなければトップなど夢のまた夢。悔しい思いをしたのはまだ覚えている。
だから、クリスマスにこの『凄いよオンライン』のβテスター当選のメールが来た時には喜んだ。
ネーミングのセンスの無さによるテスターの応募者の少なさ故に当選したのだとしても嬉しかった。リリースしたてのゲーム人口がめちゃくちゃ少なくても全然気にしなかった。
俺は『凄いよオンライン』をやり続けた。システム等に特異な物が無いこのゲームは没個性なゲームだった。が、だからこそ普通に楽しめた。会社側も別にこのゲームで利益を上げようと思ってなかったのだろう。特に課金も必要無くサクサクと進める事が出来た。
リリースから二年。変化が訪れた。ヴァーチャルリアリティ技術が確立したのだ。
就職が決まっていた俺は就活の鬱憤を晴らすようにゲームをやりまくっていた時にそれを知った。
『凄いよオンライン』がVRMMOになる。VR技術を確立したのが『凄いよオンライン』の親会社らしく、テストとして導入されたのだ。VRのテスターには落ちたが、リリース後にはいち早くVR機器をゲットし、ゲームを開始した。
当初は荒が目立ったが、技術が確立されてもう三年。戦後の日本かくやという速度で革新に次ぐ革新を繰り返した結果VR技術は既にリアルと変わらないという領域まで来ていた。それに伴いパソコンなども信じられない程の進化を見せ、一般のパソコンが五年前のスパコンを凌駕する程なのだから脱帽せざるを得ない。
そして、VRMMOとなった『凄いよオンライン』のゲーム人口も、もはやギャグ? といったふうな増加を見せた。
数億人。それが今の『凄いよオンライン』のゲーム人口だ。
当時の、万に届かないんじゃね? という風評が嘘のようだ。会社側も某ゲーム雑誌でこうコメントしていた。
『最初は社長の思い付きで始めたんですよ。基本、社員の息抜きみたいな感じでゲームの案出して、だいたいそれが採用。武器とか防具とかも適当に紙に書いて出しとけば採用。コンピューターや電気代等は社長のポケットマネーだったのでズルズル続けてましたが、まさかこのゲームがここまでになるとは(苦笑)』
いや、武器とかたまにバグった性能のやつあったけど、適当だったのかよ。ゲームバランス崩壊してる物も多数あったぞ。
とは言え、ゲーム人口が数億人になってから武器や防具は真面目なのが出て、ゲームバランス崩壊な物は手に入ら無くなった。
故に古参たる俺や他の古参達はそれを売ってリアルマネーが潤うのだ。ゲームで儲けれる時代とは全く事実は小説よりも奇なりだ。まぁ、それが原因で一悶着あったりもしたが過去の話だ。
数億人のゲーム人口ともなればゲーム内に経済が生まれるのも自然なのだろう。
「どっこらしょっと」
俺は立ち上がる。合成したアイテムを納品しなければ。
俺はこのゲームで生産職をメインに活動している。職業名は《生産皇帝》。生産系の適性が全てSS++のチート職。VR化する前のイベントで手に入れた職だ。まぁ、だいたいVR化する前のイベント限定職はチート。《超野菜人》とか《美少女戦士(月)》とか《虎仮面》とかいろいろあった。
左手首に巻かれている腕時計みたいな機会の画面を二秒以上触れていると、目の前に半透明の画面がボワンと出現した。
ゲームのメニュー画面のような物である。ここから、クエストマークをタッチして、現在行っているクエストの画面に行き、納品をタッチ。そのまま納品するとクエストクリアで、報酬や経験値、ギルドポイントを貰える。
俺は明日からののイベントに備えて今日はもうログアウトして、さっさと寝ようと思った。
ボタンのログアウトをタッチ。
ログアウトのゲージが貯まる直前。視界が暗転した。
本作は盗作だけはしてません本当です。僕がこっちゃこっちゃ書いたのでマジです。