表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

「最悪」

あるテレビで「最悪」という言葉が使われたとき、ふと思い立ったので文にしてみました。支離滅裂で訳のわからん文になっていますが、ご容赦を^^;

「まずいな…このままでは、最悪の状況になりかねない!」

「まだ希望は残っている筈よ!頑張りましょう!」

 

 

 兄貴と部屋で映画を見てたとき、こんな台詞が交わされているシーンが有った。

 どっかの国と国が戦争してる映画で、主人公の部隊が窮地に陥った、みたいなシーンだ。

 その台詞を聞いて、何かおかしいな、と俺は首を捻る。

「どうした?」

 俺の様子に気付いた兄貴が、訊いてきてくれた。兄貴なら分かるだろうか?

「いやさぁ、最悪の状況が何たら言ってるけど、これって何を基準にして"最悪"って言ってるんだろうなってさ。」

「そりゃお前、自分の頭の中で想像できる範囲で、最悪の事態ってことじゃねぇの?」

 兄貴が溜め息混じりに答えた。何を言い出すかと思えばって感じだ。

「んじゃぁさ、兄貴はコイツの立場になったら、どんな事が"最悪"になると思う?」

 ズダダダダダ、とマシンガンの音がテレビから聞こえるが、映画はそっちのけ。

 今は"最悪"の事が気になってしょうがなかった。

 兄貴は少し考えて、こう言った。

「やっぱ、自分の隊が全滅して、相手の国にやられる事なんじゃね?」

「それならさぁ、更に相手の国が自分の国を乗っ取って、それを足掛かりに全世界を支配するとかのほうが最悪じゃねぇの?」

 まぁ、この映画の主人公がこんな銃弾飛び交う戦場で、そんな想像力を働かせているとも思えないが。って言うか、映画なんだし。

「うーん、そう言われればそうかもな。」

 律儀にも兄貴は答えてくれた。

「それとかさぁ、よく『お前最悪じゃーん』とか言う奴居るけどさぁ、もしそいつが酔っ払って道のド真ん中に寝転がってるサラリーマン見ても、学校で掃除当番押しつけた奴が居ても、『アイツ、マジ最悪』って言うとするじゃん。」

 なるべく、"最悪"と言われそうな奴をチョイスして言った。っていうか、多分言う奴は多い。

「最悪ってさ、最も悪いっていう意味な訳だろ?この場合、本当に最悪な奴ってどっちよ?っつーか、最悪の場所に位置付ける基準が分からんのだけど。」

 兄貴が腕を組んで頭を捻る。もはや俺も兄貴も映画なんか見ちゃいない。

「酔っ払いリーマンと掃除当番押し付け野郎、比べてみれば、俺としては前者の方が悪いと思うのね。道路に寝転がったりしたら、俺以外の奴にも邪魔じゃん。でもさぁ、両方『最悪』って言われてる訳だろ。おかしくねぇ?」

 更に俺が追い討ちをかける。兄貴が唸った。

「確かに、何かおかしいな。」

「な?一体どういう基準で最悪っつってんのか分かんないだろ?大量殺人者も勿論最悪って言われるんだろうけど、そんなのと一緒にされちゃ、リーマンも押し付けクンも可愛そうだべ?」

「そりゃ確かにあんまりだな。じゃあよ、最悪っていうのは範囲があるとか考えるのはどうよ。小悪い、中悪い、大悪いみたいな感じで。で、それじゃ言いにくいから、一括りにして"最悪"みたいな。」

「それじゃ日本語おかしくなるんじゃね?だって、最悪だろ?」

「そりゃお前、言葉なんてそんなもんだし…」

 再び二人して、うーんと頭を捻る。

 

 ふとその時、テレビから映画のエンディングテーマが流れてきた。

 それを聴いた兄貴と俺は、バッと画面に向き直り、同時に

「ああああぁぁぁーーーッ!!」

 と叫んだ。

 二人とも床に手をつき、がっくりと項垂れた。

 

「折角この映画が放映されるの楽しみにしてたのに…」

「最悪だぜ…」

スランプ脱出を目論んで書いてみた駄文です。細かいツッコミは無しにしてください(苦笑)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ちょっとした社会風刺も入っていて面白かったです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ