始まりの地で
い、痛い……
そういえばいきなり目眩がしてそれからぶっ倒れたんだっけ?
それにしても俺、保健室にも連れて行ってもらえなかったんだな……草が顔に当たってるよ
あれ?此処地面コンクリだったような……
ゆっくりと立ち上がって周りを見渡すと周りにはだだっ広い草原が広がってた
ん?なんか立ち上がってから違和感感じるな、なんかいつもより目線が低いというか何と言うか……
そんな風に考えていたら突然吹いて来た強い風のせいで被っていた何かが外れ目の前を遮られた それを手にとって見てみると、薄い茶色の魔法使いが被っているようなとんがり帽子だった
あれ?これどっかで見たような……
たしかキャラメイクの時に選んだやつだ
あ~、何か携帯小説で良く見かけるMMORPGだかなんかか!日本の技術もだいぶ進歩したな!
で、俺はあの時作ったクリムって訳か!でもそうすると姿は女って訳か、だったらいつもみたいに俺って言うとなんか変だし、だからと言って私とかあたいとか言うのも嫌だし……いっそのこと僕って言おっかな、僕っ娘とか居るから変じゃ無いだろうし!
後は喋り方も考えて喋った方がいいな……
「あ、あの~」
「っひゃい!」
っあ、噛んだ!はいって言おうとしたのにびっくりして噛んでひゃいって言っちゃったよ……
何でこんな女の子ぽい返事をしたんだ恥ずかしすぎる一生の恥だ……って今は俺、女か、ちゃんと自分の中でキャラ作っておかないと俺とか言いそうで怖いな、今度から考えてる時も僕とか言うようにしとかなきゃな
「っ! す、すいませんびっくりさせちゃいましたか? 多分初めてこっちに来た人だから案内した方が良いのかと思って……」
話しかけて来た張本人はペコペコ頭を下げている、何か凄く申し訳無い気持ちになってきたよ
「大丈夫、大丈夫! 驚いたぐらい!
それより、僕を案内してくれるんだよね?じゃあ此処からログアウトする方法を……」
そこまで話すと急にその子の顔が悲しそうな顔になってしまった
「……あなたもゲームだと思ったんですね、私も最初はそう思いました、でもここから出る方法は無いんです」
っえ!?そ、そんな
「そ、そんな訳、僕が初心者だからってからかわないでよ~」
「本当です、ゲーム特有のメニューは出るんですが、ログアウトに関係する項目は何も無いんです……」
帰れない、か
流石にショックだよ……まだまだやりたかった事だってあるし、好きだった子に告白もしてないし、でもこんな体験はもう出来ないだろうし、信じてれば帰れる!だから今は此処での生活を楽しまなきゃ!
「じゃあ仕方無いね」
「っえ? 皆さんはそれ聞くと泣き出したり、酷いとショックで寝込んでしまう人もいるのに?」
僕の言葉を聞いて唖然としてる女の子
「もちろん! 流石に聞いた時は戸惑ったけど、どんな時にも前向きに! がモットーな僕だから」
「吹っ切れたみたいですね、全然キャラが違います……」
っうぐ!妙に鋭いな、まだ僕の中じゃキャラが定まって無いのをピタリと当てる何て、でも僕には秘策があるのだ!
「こ、これが僕の素なのさ!文句があるなら僕を生んだ親に言え!」完璧に僕のキャラがこれで決まっちゃう捨て身の秘策だけど……
「親にって……
でも楽しそうな人で良かったです
じゃあ私たちの村を案内するのでついて来て下さい」
「待った~! 村ってなんなのさ!? 」
通は街が会ってNPCがいっぱいいるんじゃないの!?
「それはですね……っと、魔物がよって来たみたいです、襲われると厄介なので村で理由は話すのでダッシュで行きますよ……」
え!? いきなりなんなのさ!って、あの子早すぎる!追い付け無い!
はぁ、何かいつの間にか巨大な狼に囲まれてるよ
逃げれないしどうするのさ~!
クリム
「な、なんと!」
女の子
「まさか私からはぐれてしまうなんて……」
クリム
「魔法使いなった時の夢である箒に跨って空を飛ぶと言う事をすると股にとんでもない圧力がかかってしまうため飛ぶ事何て出来ないのだ!」
女の子
「えぇ!?私が居ないと村に行けないんですよ!
こっちの方が大事でしょう!」
クリム
「もし出来たとしても三角木馬状態、拷問である以前にエロ過ぎる!」
女の子
「確かに三角木馬って、拷問ってイメージよりエロいイメージの方が強いですよね、れっきとした拷問器具なのに
って、違います!」
クリム
「もはや箒に跨って飛ぶ何て事はドMの人しかたしなめない究極の遊技!僕だっていくら空を飛びたくても股からいろんな物は出したくありません!
次回『自由に空を飛びたいな』
僕等の夢は儚く消えるのだ!」