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1本の缶コーヒー  作者: 暦海


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新聞奨学生

「…………はぁ、寒い」



 しんしんと雪の降る、ある朝のこと。

 凍えた手で、業務用の自転車をゆっくりと押しつつ進んでいく。今しがた配達を終え、ようやく空になった自転車を。……ふぅ、やっと終わった。とりあえず、戻ったらゆっくり休ん……でる暇なんてないか。ちょっと休んだら、すぐ準備して学校に行かなきゃだし。


 ……もう、休んじゃおっかな。だったら、2時くらいまでは眠れ……いや、どうだろう。学校に行かずに寮に残ってたら、それはそれで余分な仕事をやらさせる羽目に……それも、無給で。うん、なら学校に行ったほうがましか。



 ……ほんと、なんで来ちゃったんだろう。そして、なんで続けてるんだろう。ほんと、苦痛でしかないよ……新聞奨学生なんて。




 僕の家庭は、お世辞にも裕福とは言えない。いや、明け透けに言ってしまえば貧乏で。そして、新聞奨学生とはそういった経済的事情などで大学や専門学校などに通えない人を支援する制度で、給与とは別に返済不要の奨学金を新聞社が出してくれる。ここだけ聞けば、何と素晴らしくありがたい制度だと思うだろうし、僕も当初はそう思った。


 ただ……正直、きつすぎる。遅くとも午前2時には起きて朝刊の配達、そして戻って少しだけ休んだ後すぐに学校――そして、それも他の学生ひと達のように全部の授業は受けられない。夕刊の業務があるため、遅くとも午後1時半くらいには学校を出なきゃいけないから。そして夕刊の配達、雑務を終えたら少し休んですぐに勉強。ただでさえ、他の学生達より授業を受けられていないのだからどうにか取り返さなきゃならない。そして、次の日も朝――もはや朝なのかも分からないけど――朝が早いので早めに就寝。もう、毎日が疲労困憊……特に、精神的に。よくもまあ、3年近くも続けてこられたと我ながら思う。








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