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短編集

光を浴びすぎると死んでしまう男の話

僕はシュバルツ=メルザス=アンティール

僕は大陸の九英雄の一人マルコス=メルザス=アンティールの子孫である。

陰で言われているのが『血統に恵まれている』や『なぜあんなゴミクズにも満たないやつがあのアンティール家に存在しているのだ』など、聞こえてきただけでももっとある。

なぜ僕がここまで言われているかというと、僕の身体が関係している。

僕は大陸でも珍しい"光死病(こうしびょう)"と呼ばれる今のところ治す方法がない病気にかかっている。

光死病は光に当たりすぎると死んでしまうとされている。

僕が光死病と分かったのは七歳の時だ。

半日ほど外で父と遊んでいたら突然心臓が止まった。

その後父が僕を助けてくれた。

家族は医者を呼び僕の身体を隅から隅まで調べさせた。

その結果光死病ということが分かった。

光死病には資料の数が少なく発症したら必ず死ぬということもあり僕は軟禁に近い状態にある。

しかしそれは朝だけで夜ならば僕は外を自由に出られる。

それだけが唯一の救いであり希望だ。

そしてもう一つわかったことがある。

それは……朝でも洞窟などの光が届きにくい場所でなら行動が出来るということである。

アンティール家の得意とするのは光の速さでの移動・攻撃による短期決戦だ。

アンティール家は朝……つまり光が強い場所で強力な力を発揮できる。

なぜならアンティール家が持っているのは"光の加護"だからだ。

当然僕にもある……だが僕は光に当たれば死ぬ、光の加護を持っていたところで使えない。

宝の持ち腐れなんだよ、こんなの。

「だからといって暗闇で強いってわけでもないしなぁ僕って……はぁ」

僕が一人愚痴っていると、突然強い光と共に女の人が現れたので僕は全力で離れた。

「ちょっと待って君!!」

「いやです、誰か知りませんが僕は光を浴びれないんです!!」

「それならこの今すぐにこの光を消すからほんと待って!!」

女の人はそう言って光を消した。

「さっき君光を浴びれないって言ったよね。ってことは光死病か……あのバカまだあんなことやってんのかよ」

「それでなんのようなんですか」

「まず自己紹介しておく、私は闇の女神のクレオス」

「女神様……でしたか、先ほどは申し訳ありません」

「別にいいから、それで君が暗闇で強くないって嘆いてたから闇の加護を与えようと思って」

「そういうのはお断りします。僕は僕の力で強くなりたいんです」

「……どうしても無理? 今なら暗黒武具シリーズあげるよタダで!!」

「物で釣ろうと考えられても無理なものは無理なんです!!」

「じゃあ……光死病を治し方教えるから!!」

「……!? そ……れを言われると断りづらい……ですが、む……」

「だったらせめて症状抑える方法だけでも!!」

「……あの気になったのですが、どうしてそんなに必死なんですか?」

「信者が少ないから!!!!!」

「話だけなら」

「やった〜バンザ〜イ!! んっん、じゃあまず光死病について簡単に教えるね」

「はい」

「光死病はね、あなたのご先祖のマルコスが愛人二十人作って子供もいっぱい作っちゃったから光の女神が怒ってマルコスの血が入った人……まあ特に愛人の子孫にかけた呪い的なやつだよ。発症するかは……まあ運次第ではあるけど」

「……は? なんですかその不快な冗談は」

「……だから本当なんだって君はマルコスの六番目の愛人の子供の子孫でもあるんだから」

「……それが本当だとして、どうやって光死病を治すんですか……まさかあなたを信仰しろとか言わないですよね」

「……それ……は言わない、よ? まあ大丈夫これを飲めば治るから」

「絶対嫌ですよ!! こんな怪しい飲み物……そもそも色からしておかしいですって!!」

「お願い飲んで!! 今まで誰も飲んでくれなかったのぉぉぉぉ……お〜ね〜が〜い〜!!」

女神を名乗った人が駄々をこね始めた。

こんな大人にはなりたくないな僕は。

……しかしもしこれを飲んで本当に光死病が治るのなら……光死病になった人の希望になるかもしれない

「……んん、分かりました。飲みます……から駄々をこねないでください、恥ずかしいので」

「ありがとう!! それと君は闇の加護も暗黒武具もいらないって言ってたからさ、この飲み物のレシピだけでも受け取ってくれない?」

ゴクゴクゴク

「…………それなら受け取ります」

「はい、どうぞ……加護と武具欲しくなったら夜に魔神殿に来てね〜、じゃあね〜」

僕はこの飲み物のレシピを渡された。

僕は父にこのレシピのことそして光死病のことを話した。

そして僕は治ったかどうか試すため久しぶりに父と半日外で遊んだ。

結果としては、治っていた。

だが完全にとまでいかず身体はちょっとフラフラする。

あとは飲みながら経過を見ていくという感じだろう。


「おい、バカ!! 下界でなんてことしてんだ!!」

「しっ、仕方ないでしょ、マルコスが私じゃなくて他の女を選んだんだもん!!」

「仕方なくないだろ!! あれから千年は経ってんだぞ、もういいだろ治せよ」

「えー……でもクレちゃんがあのレシピ広めてくれるんでしょ、ならいいじゃんバッチリ解決だね」

「……今までの目を瞑っていた分のこと父さんに報告するぞ」

「分かりました従いますからお父様にだけは言わないでください!! 下界のやつも全て治します。ですからお父様に報告だけはやめてくださいお姉様!!」

「分かった分かった報告はしないでおく……だけど今後また同じようなことをしたら確実に報告するからな、そこだけは心に留めておけよ」

「はい」

「バレないようにしようとか考えても無駄だからな。私はいつでもお前を見ているんだから」


おしまい

見つけて読んでいただきありがとうございます!!

日焼けが痛くて思いつきました

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― 新着の感想 ―
所々、誤字等で日本語文章が変なのでご確認してみた方が宜しいかと思われます。
今年の暑さは暑いと言うより痛いだし、焼けるより焦げると感じている。 病気なくても今年に関しては死にそう。
光線過敏症や日光アレルギーという疾患は実際にありますが、光死病は光に当たりすぎると死んでしまうので厄介ですね。 事実上の昼夜逆転生活を余儀なくされていたシュバルツさんは、なかなか生き辛かった事でしょう…
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