名前のない関係ー50代サラリーマンの静かなパパ活日記

名前のない関係
――50代サラリーマンの、静かなパパ活日記

家庭にも職場にも“居場所”を失った男が、孤独の果てにたどり着いたのは、SNSでつながる「パパ活」という不確かな関係だった。
童顔で無垢なサヤカ、距離を大切にするミサ――
そして、ついに出会ったのが、知性と清楚さを併せ持つ、理想の女子大生・エリカ。
夢のような時間が静かに流れる中、心は確かに満たされていく。
だが、その穏やかな日々は、ある日突然、終わりを告げる。

名前のつかない関係だからこそ、心に残るものがある――
大人の孤独とすれ違いを描いた、切なくも静かな連作短編集。

名前のない関係2ーあの娘がパパ活をやめた理由・エリカ編
は、本作で登場するエリカが主人公のお話です。
そちらも合わせておお楽しみください。

目次予定
序章　名前のない予感
1章　童顔女子大生・サヤカちゃん（19歳）
——無垢と欲望のあいだで
出会い
キスはした。だが――
2章　美人女子大生・ミサちゃん（20歳）
——距離という名の優しさ
眩しすぎる健全
大人はない
3章　元アイドル女子大生リナちゃん（21歳）
——ひとりきりのワンマンライブ
見られる側の記憶
ふたりだけのワンマンライブ
静かな終幕と、ステージの記憶
第4章　OLモカちゃん（23歳）
——信じてしまった人へ　
「ちゃんとしてる子」に見えた理由
封筒と沈黙のあいだ
それでも、ちょっとだけ許した
第５章　高学歴リケジョ・エリカちゃん（21歳）
● ——ただ寄り添った、それだけの夜が、なぜか忘れられない
憧れとコンプレックスのはざまで
美しすぎる失敗
たしかにあった、恋のようなもの
消えるアカウント、消えない記憶
第6章　苦学生ユリエちゃん（20歳）
——優しさとお金の境界線が、よく見えなくなった頃のこと
やさしくなりたかった
ぬくもりと引き換えに
優しさの重さ
支えきれなかった僕へ
第7章　名前のない関係の果てに
——静かに、名前を呼ばない関係を想う
家族との距離の変化
新たな一歩――転職の決意
あとがき