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負け悪役貴族に転生した俺は推しキャラである師匠を攻略したい  作者: えん@雑記


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第95話 クロウベル修行編と英雄の像

 クロウベル修行編! 開始!

 よし終わり!



「何してるの?」



 声をかけて来たのは濃い青髪のメーリス。

 場所は村工房の前だから当然と言えば当然か、俺は椅子に座って深呼吸を終えた所だ。



「少し修行をしようとして終わった所だ」

「あなた今来たばっかりよね? え、修行ってもう終わるものなの?」

「実際はもっとかかるんだろうけど、意識の持っていき方というか……先日ほら俺の『水盾』を貫かれただろ?」

「そうね」

「無意識に出す『水盾』その魔力の質をより厚くイメージさせるって事」



 別に俺の水盾が試作型魔石銃に貫かれてくやしいからじゃない。



「ははーん。くやしいんだ、私の試作型魔石銃に貫かれた事くやしいんだあ」

「くやしくない! 絶対にだ!」

「…………まぁいいけど。試作機は一応私が持ってるし試す?」

「おう」



 俺は『ウォーターシールド』を目の間に出す。

 うん、依然と同じ厚さであるけど魔力の減りが前より多い気がする。


 こう見えても師匠には褒められているし多分大丈夫だろう。

 メーリスは俺の正面に立つとその銃口を頭に定めている。



「いやまって!」

「何?」

「頭はまずい。もし失敗したら俺の頭粉砕されるんだけど……」

「それもそうか……私も無意味な殺人したくないし」



 メーリスの銃口が俺の肩付近に狙いを定める。

 絶対に貫かれない自信を持つのだ。

 絶対に!


 メーリスの引き金がひくと紫色の閃光が俺の水盾とぶつかった。

 ギュウイイインという音が聞こえるとその音が聞こえなくなった。



「…………うわぁ」

「おおう……成功だ」



 俺もメーリスも間抜けな声を出す。

 紫色の閃光が水盾で消滅した。

 よし! 俺はガッツポーズをとるとメーリスが不機嫌である。



「もっと威力の高いのを作るから待って!」

「うわぁ悔しいんだ」


 やーいやーい。



「当たり前でしょ! 試作機とはいえ高出力メインの銃よ。それを3日もたたないうちに防がれるとか……あなた本当は魔族とかなんじゃないの?」

「あーいたなそんな種族」



 魔族。

 魔力特化した人間に似た種族であり、魔物側の人間というか……一応歴史上人間と争っていた過去があるが現在は表立っての争いは無い。魔女に近い感じで全体的に嫌われている種族だ。


 本編では別にいるって話あるだけで何かするわけじゃない。

 魔族なんじゃね? って仲間も数人いたような、あれって追加キャラだっけかなぁ。

 よくある話で別に人間だけが絶対の種族ってわけじゃないんだけどね。



「で、魔族だったらどうするんだ?」



 俺は椅子に座りなおすと、銃をいじっているメーリスに尋ねた。



「帝都の冒険者ギルドに騙して連れて行って懸賞金貰う! 噂なんだけど帝都のギルドって魔女や魔族を探しているらしく紹介すると莫大なお金が手に入るのよ」

「へぇ……」

「こう見えて鍛冶師って名乗っているけど、お金めちゃくちゃかかるのよ? この銃1本作るのにも紫水晶のかけら、そこ荷台あるでしょ? それ3台分よ……剣1本作るよりも、こうして村に来て農作道具を治している方が需要あるし」



 うげ。

 大人5人は乗れる荷台が横にある。

 その試作機だけで何万ゴールドもするのでは。



「あまり村に迷惑かけないようにな……その奥にみえる剣は?」

「見えた?」



 見えたも何も存在感が大きい。

 あれは見せつけてるに近い。



「これは紫水晶の剣……パープルクリスタルソードでも言い換えようかしら。村長に頼まれて作った英雄の剣よ、貴方が持っている剣を参考にしたけど私のもてる力を全部入れた剣」

「………………隠し能力あったり?」



 興味本位で聞くとメーリスが突然に立ち上がる。

 スイッチを入れてしまった。



「わかる!? いやぁーこのソードで周りの魔力を蓄える性質を持つんだけど、最後もう強敵が来て駄目だって時に! 特殊暗号を組んでいるのよ。それを発動すると中に入っている魔力が解放されて自分以外の敵全部滅ぼすわ、人間には無害にになるように調整はしたけどなんせ試作の剣でしょ。多分大丈夫なんだけど……最初は盾も一緒にと考えたけど材料が思ったよりもかかってね、ここ数日ちょっとした爆発有ったじゃないそれの影響で――」



 どう聞いてもファイナルストライクである。



「ちなみに範囲は?」

「ざっと半径100メートル! それでねこれの凄いのは――」



 やべぇまだ話終わらない。



「とにかく封印しろ封印!!」

「やだ!」

「危なすぎるだろ……」

「だから人間には大丈夫よ、対魔物ように回路組んだんだし」



 俺とメーリスが口論してると、ゼン村長が歩いて来た。



「2人ともどうなされましたか?」

「「いや、こっちが」」



 俺とメーリスの声がかぶり、何かあったのか説明する。

 ゼン村長だって困るだろ下手したら村が滅びるぞ。



「客人よ。その剣は飾りのような物、なに使わなければいいのです。それでいてお願いが……明日には旅立たれる。と聞いて」

「え!? あなたそうなの!?」

「あー、その話もメーリスに言おうとして来たんだっけ」



 もうあの騒動から7日ほどだ。

 もっと村にいて。と、懇願されていたけどいい加減師匠を探したい。


 それに村にいると、女性たちからひっそりと色々とアプローチが凄いし。

 若い子ならまだいいよ。いや、よくないんだけど……見た目がお婆ちゃんや、男……最後には。牛に俺の子を産ませてやってくれ? という質問まで受けた。


 無理だろ!


 後子供たちに『えいゆうさまだー』と言われるのもこそばゆい。

 そのたびに、村を見捨てて逃げるつもりだった。と説明するんだけど……いやまじで。



「そっか……まぁそれもそうね。私と目的が違うんだし、でも早く言った方がいいわよそういう事……まだまだ手伝ってもらう気だったのに」



 あれ。

 怒られてる?



「はっはっは、それで客人……いや英雄クロウベルどの、その剣を持って広場でポーズを決めてくだされ」

「なんで?」

「なんで? それは当然英雄の絵を描くため……村を救った人物を後世に伝え――」

「ぜええったあいヤダ」

「なんと!」



 恥ずかしいに決まってる。



「いいかゼン村長。俺がこの後皇帝を殺したりとかするとする……今の所予定はないけど。そうしたらどうなる?」

「またまた大悪人ですなはっはっは」



 ことの大きさがわかってない笑いだ。



「そうだ! その大悪人の像が建っている村なんて一瞬で滅ぼされるぞ……村人は何とかなっても村長や血縁は貼り付けで回復魔法をかけられながら何年も串刺しにされる……それでもいい?」



 俺の説明にゼン村長がひいている。

 おし、もう少しだ。



「そ、そんな残忍な事が……」

「もちろんあっさり首切る方法が一番と思うが、こんな俺でもそんな方法を思いつくんだ……」



 村長の顔色が悪い。

 ここで一押し!



「わかった……ゼン村長がどうしてもっていうなら、同じ説明を村人全員にして責任は――」

「英雄の姿は皆の心の中にしまいましょう!」

「うん。そのほうがいいよ」



 ゼン村長は用事があるからと帰っていった。

 残ったのは俺とメーリスの2人。



「ドン引き」

「何が?」

「貴方の説明よ、皇帝暗殺でもするきなの?」

「別にしてもいいけど……皇帝に恨みあるわけじゃないからなぁ」

「その発言にドン引きよ」

「病気だろ……このままだったら来年はあぶないな」



 メーリスの作業をしている手が止まった。

 俺の方をじっとみてくる。



「本当に何者? …………その話初めて聞くんだけど」

「っと……ただの死ぬ予定だった元悪役令息、もしくは愛の伝道師、師匠おおおおおおおお早くおっぱい揉ませて下さい!」

「こわっ!」



 俺がこの世界の情報を少しだけ知ってる。ってだけの話で別に全部を知ってるわけじゃないし言った所で信じないだろう。



「そのメルさんって、その……揉ませてくれるような人なの?」

「全然……」

「恋人なのよね?」

「いや? 俺からアタックかけてるだけだけど」



 メーリスが立ち上がると少し椅子を俺から離した。

 声が届きにくいだろうから、俺が一歩メーリスに椅子を寄せるとメーリスがまた一歩後ろに行く。



「いやなんで?」

「深い意味は無いから気にしないで。そのメル師匠さんの事を思うと涙が出そうで早くストーカーから逃げれるといいなぁって」

「一応言うけど師匠はあれでいて半分俺の事受け入れてるよ」

「半分は否定してるのよね」

「そこはほらこれから……」



 俺もメーリスもしばらく無言になる。



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