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負け悪役貴族に転生した俺は推しキャラである師匠を攻略したい  作者: えん@雑記


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第94話 大宴会と魔銃

「村の皆の者! 大宴会だあああああああああああ!」



 と、喜んでいるのはゼン村長と、ただ酒が飲めると嬉しそうなメーリス。


 公民館のような場所で人数は100人ぐらい。

 案外小さい子供いるらしく走り回っているのが見えた。



「小さい子もいるんだな」

「客人が魔物を倒さなければあの子たちも……」

「そんな事はないでしょ。メーリスが戻ってこなかったら遠くに逃がす作戦だったんでしょ」



 女性たちは大きな鍋で料理をしたのをふるまって、男性たちもそれを食べ飲む。



「クロウベルさんそんな事いわないの」



 ミナの声が聞こえると俺の隣に座って来た。



「ささ! 村の英雄よ。コップが空である、ミナ!」

「わかってますわお爺様」



 俺のコップに度数の高い酒が注がれる。

 俺はそれを少しだけ飲むとゼン村長は目を見開いた。



「なんと! ミナの酒を一気に飲まないとは」

「飲むよ飲む……度数が高いんだって……これでも寝不足なんだよ? もしかしてゼン村長酒癖悪い?」

「嬉しいんですよ、あれだけの魔物を一撃で倒すだなんて」

「そこ! 一撃じゃないからね。何度も何度も斬ったからね」



 またまた。と、ミナが赤い顔で俺に寄り添ってくる。

 嬉しいけど別に何もするわけじゃない。



「所で結構な貯え出してるけど村として大丈夫なの?」

「客人が倒した魔物。どれもこれも状態がいい……それを売れば儲かりますしなおかつ!」



 村長が叫んだところで別の声が聞こえた。



「紫水晶よ!」

「あっメーリス」

「魔石の代替えとして使える紫水晶。その水晶は普通の場所では中々に見つからない。それは魔力に反発しやすいから……山が突然に爆発する時あるわよね。それだって紫水晶が――」



 技術部特有? の早口言葉になってきた。

 ぜんっぜん意味が解らんしメーリスが凄い興奮してるのだけは伝わる。



「簡潔でたのむ」

「………………ようはあれだけの紫水晶があれば大金持ちよ!」

「なるほど……でも別にメーリスの物じゃないだろ」

「そ、それは当然。で、でもあれだけあれば私でも使える武器とか作れるし、ねぇ村長さん作ってもいいわよね?」



 メーリスの必死のお願いにゼン村長が少しなら。と、承諾した。

 よ、村長! 女に甘い!



「やった! じゃぁ貴方。明日からの実験よろしくね」

「は?」

「私一人で作れって言うの!? それにあの水晶を持ってくる係もいるでしょ」



 別に俺じゃなくていい話だ。



「俺は明日にでもここを出るけど」



 俺が素直な意見を言うと、周りのゼン村長やミナが両腕を掴む。



「何をおっしゃいますか。村の英雄をこんな簡単に」

「そうですよクロウベルさんのお礼がまだまだです。なんでしたら今夜でもお礼をしますし。他の娘がいいですか? それともゴットンのほうが」



 いやいやいやいや、どこの悪役令息だ。

 ちょっと飛び出た魔物を倒したからってお礼に女性の体をねだるほど…………《《今の俺》》は腐ってはいない。

 後男色でもない。



「わかった……もう少しいるから馬と食料くれない? 本当は買うつもりだったんだけど」

「それでよければ村一番の馬をご用意しましょう!」



 村一番のじゃなくていいから。

 次の村か街行くまでの足が欲しいだけだし。

 感謝されてそんなに悪い気もしないしまぁ……もう少しのんびりするか。



 ――

 ――――



 硬いベッドの上で目が覚めた。

 天井は高く、村長宅の《《村長のベッド》》というのを思い出す。


 俺は欠伸をしつつ扉を開けた。

 ゼン村長が体を丸めながら毛布に包まっているのが見えた。



「おお、英雄どのおはよう」

「…………いや、やっぱ辞めようよ……俺がこっちで寝るからさ。これじゃ虐待だよ」



 村の英雄を床で眠らすわけには。とゼン爺さんが俺にベッドを進めて来たのだ。

 凄い嫌だけど、ゼン村長と一緒にねたほうが? と提案したけど1人で寝たほうが気が安心する。と、言う事でベッドは俺が使う事に。


 なんだったらもう孫のミナと寝ればいいだろう。とおもうがメーリスとミナが一緒に寝てるのでゼン村長の場所がない。



「何をおっしゃいます村の客人であり英雄どのに……いたたたたっ! はっ痛くないですぞ!」

「いいから俺が今日からこっちで寝る。じゃないと今からでも村でるから……それと効くかわからんけど『癒しの水』」



 一応ゼン村長に回復魔法をかけてみた。

 薄い魔力の水がゼン爺さんの腰を包み込んで体の中に消えていく。



「おおおおお!」

「効いた?」

「わからん」

「だよね……打撲や切り傷じゃないし。メーリス達は?」

「はぁあの冒険者なら既に村工房のほうへ」



 ゼン村長から場所を聞いたので礼だけ言ってメーリスの方へ向かう。

 村工房が近くになると、カンカンカンと金属を叩く音が聞こえてくる。俺の横を何人もの男達が挨拶をしながら通り過ぎていく。



「よっ」

「あっやっと起きたわね。これみてよ」



 メーリスが手のひらサイズの銃を見せて来た。



「銃だな」

「…………………………」

「あれ? 違った??」

「あってるから黙っているのよ……過去にあった銃は火薬を使った銃口が長い銃がメインよ。このタイプは銃口が短いのに何でそんな簡単に銃だなっていえるのか不思議に思って、言葉を失ったのよ!」



 のおおお。

 そうか、この世界の今の段階ではまだ紫水晶を使った銃は普及してない。



「あー……その素人だから全部同じに」

「これだから素人は……この銃は紫水晶を火薬替わりに使って中の魔力を発射するタイプ。3発しか撃てないけど、狙いを定めてこの引き金を引くとね」

「危ないからこっちに向けるな」



 銃口を人に向けてはいけません。



「大丈夫よ、危険性ぐらいわかってるわ……こんど村長達を集めて危険性を教えるつもり。私もわかってるつもりよ簡単に人を殺せるものを作ってるって事を」

「メーリス…………」

「なによ」

「いや技術馬鹿と思っていたけどちゃんと考えてるんだなって」

「あのねぇ……あっ! よけっ!」



 カチっと音がした。



「水盾えええええええ!!!」



 瞬間に俺は叫ぶ。

 本当は水盾連を唱えたいが余裕がない。

 魔石銃から放たれた閃光は俺の盾を貫いて空高く飛んでいく。



「………………」

「………………」

「銃口の前に立つとあぶないわよ」

「おまっ! 殺すぞ!」

「ごめんって……もう少し威力を弱めるし改良するから」



 頼むよ本当。

 師匠に会う前に死ぬとかシャレにならんからな……。

 近くの椅子に座ってメーリスの作業をぼーっとみる。


 いやだってやる事何もないから。

 村の事は村人がやるし、メーリスの手伝いだってできないし。


 まったくもって役に立たない。



「暇なの?」

「ああ。暇だ」



 俺に話しかけるもメーリスの手は銃の手入れを行っている。



「その彼女さんってどんな人?」

「美人でおっぱいが大きくてお尻が大きい俺と同じぐらいの身長。長い白銀の髪が綺麗で。語尾にのじゃが付くんだけど切れるとつかない時があり俺より強く魔法が得意なメル…………って名前の人」

「冒険者ランクは?」

「ないよ」



 メーリスの手が止まって俺を見る。



「貴方もだけど、それだけの力ありながらもったいない」

「俺から言わせれば毎回命かける冒険者のほうがいやだよ」

「命かけないと稼げないからよ!」



 切れられた。



「今回の事もあるし私も大きな街に入ったら探してあげる」

「え、本当。それは助かる」

「紫水晶のお礼ね」



 俺はポケットからミレニアム金貨を1枚取り出しメーリスに投げ渡す。



「っと、金貨?」

「ミレニアム金貨。紫水晶はおまけみたいなものだし正式に師匠をみかけたらって事で」

「ばっ! …………え、よく出来た《《偽物》》ねぇ」

「いや本物」

「なわけないじゃないの。ミレニアム金貨っていえば旧時代の金貨よ、そんな人に簡単にあげれるようなものじゃないわよ。まぁありがと貰っておくわ」


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