第422話 仮面の男、地下で散る
アリシアからお小遣いをもらってギルドから出る。
急に暇になった。
この10枚を100億枚にしないとけない。
これが地球時代であれば、賭博一択だ。
俺の好きな漫画では闇レートのカジノに入り1玉数千円のパチンコをして10億ぐらい稼いでいた記憶だ。
人の集まる所は禁止していても何か賭け事がある事が多い。
俺が旅をした時にも裏カジノがあり、俺、メルナ、ノラで大きくかった記憶がある。
「問題はまだあるか……ゲーム知識でいうと6年前だからな」
色々終わったらカジノ島、カジーノに行ってもいいかもしれない。
カジノを主体とした国で勝てば領主にすらなれる国。
レア武器などが売っている場所で、その島に付いたら最後ゲームプレイヤーの大半がそこで足止めを食らう。
理由は面白いから。
競馬やスロット、カードゲームや小さいが闘技場もある。
景品も凄く『ラストエリクサー』や『濡れたら〇〇な水着』まで……いや、ネーミング。
アリシア含むヒロイン達に着せてミニイベントがある。という防御1の装備なくせにコイン交換がべらぼうに高く再入荷無しの装備品。
ゲームイベントでは〇〇の部分が伏せられて、渡されたヒロインが不思議がって着るのだ。
で、うっかり飲み物をこぼしたクウガと水着を着たヒロインの、ぷちエロイベントが起きる。
これはCGがあるにも限らずイベント回想で見れず、当時の攻略ページでもモザイクで紹介されプレイヤーはますますカジノ島から出れないという。
「っと……昔話の思い出は置いて置いて」
共同墓地まで歩くと、鍵かかかった墓守の扉をノックする。
「旦那ぁ今日は店じまいでさぁ」
「『骨は新鮮なほどしゃぶれば旨い』」
合言葉だ。
あっていれば扉が開く、間違えていれば入れないで終わり。その日の挑戦はない。
鍵が開くと、男が俺をの顔見て固まっている。
「あんた……」
「スキンヘッドで筋肉質な知り合いはいないんだけど……なんだ? 合言葉はあっていたよな」
「…………いや、そうか……あれから7年ぐらいか。グラペンテのシグマだ」
いや、誰?
さも知ってるように言われたけど……グラペンテは3人で立ち寄った小さい街でここと同じく闇カジノがあった街……ああ!!
「殴られ屋で用心棒も兼任してたシグマか!? 思い出した。オメガって兄貴分がクウガにやられたとかなんとか」
「覚えてるじゃねえか。懐かしいなぁ……あんた達が街からさったあとカジノが摘発されてな」
「…………へ、へぇ」
そういえばグラペンテ出る時に闇カジノを冒険者ギルドに通報した気もする。
「今じゃこの街の墓守よ。ってかあんた死んだんじゃ? 聖女の力さえ聞かない男。として裏の世界じゃそこそこ有名だぜ」
俺も有名人になったもんだ。
別に有名人になりたくないけど。
「それはいいけど、遊べる?」
「まぁいいけどよ。ほら仮面……基本ルールは知ってるだろ? ここはカードがメインだな。あとは時間はかかるが『ヤッツィー』もあるな」
「ヨットだろ?」
「…………『ヤッツィー』だ」
『ヤッシィー』別名で『ヨット』というサイコロ5個を使ったチンチロの改良版みたいなゲームだ。
交互こにサイコロを3回ふってポーカーに似た役をだし最後の点数で勝敗するゲーム。
人数が多い程時間はかかるが、最後の一振りまで勝敗が解らず人気はある。
「まっ入ってから決めるよ」
「おう。ほどほどにな」
地下奥深くまでいくとダンスホールより大きな空間が広がる。
魔石を使った光やランプ。
仮面をかぶった男女が遊んでいるのが見える。
まずはカウンターでチップの交換。
景品は『聖水』から『エリクサー』防具で言えば『奇跡の法衣』武器は『ホーリーソード』などが目玉。
今となっては全部要らないけど。
売ればちょっとした金になるのだ。
──
────
俺は冒険者ギルドの裏口。
聖騎士隊が並んでいて、その中央にアリシアが仮面をつけているのが見えた。
これから出発するのだろう。
ギャラリーが凄い。
人ごみを分けて俺は聖女の前にスライディング土下座をする。
周りにいた警護の聖騎士が俺の首筋ぎりぎりに剣を向けたり、してアリシアを守る。
「ク──」
「聖女様。一言もしゃべっていけません」
きつい声であるが聞いた事のある声で頭だけあげると、胸が大きくなったフォックと眼が合う。
フォック君は聖騎士隊の若きホープで最後に会ったのはファーストの街での部隊長。
「フォック君性転換した?」
「…………誰とお間違えにフォックは兄ですが……妹アメリンです! 聖女様は公務を……お前たち、この男をひっとらえろ!!」
アメリンの号令でアリシアが遠くに行く。何度もこちらを見ていたけど俺も抵抗する気はないし、アリシアに小さく頷くと公務へと行ってくれた。
俺はそのままロープで縛られると馬車に乗せられた。
アメリンが乗り、他にも聖騎士が4人乗って俺の身柄を抑え込む。
目隠しされた馬車が動くと、口を開いてくれた。
「貴方が聖女様のヒモ……のクロウベルさんですね。兄がお世話になっています」
「最後に会ったのは、聖王の寝室だっけ?」
周りの空気がざわっとする。
「貴方とは初対面です!」
「ああ、そうか……聖王が夢に勘違いをさせたんだっけ……」
「何の話です?」
「いや、こっちの事。初めまして」
「本当に斬りますよ、魔封じの縄で縛りあげたんです。いくらあなたでも逃げれないでしょうに」
「試してみる?」
実際試してみないとわからない。
これが普通の魔封じの縄であれば俺も逃げ出せるかもしれないし。
周りの聖騎士達の緊張が伝わってくる。
「……二度と聖女様と会う事がなくなりますよ。と、言うか何なんですか……あんな目立つ行動を。聖女様は一般人と言葉をかわしたら駄目なんです。知ってますよね」
「そうなんだけど、緊急でさ」
馬車の中が静かになっていく。
おそらくこの、アメリンが現場を仕切る隊長なんだろう。
そのアメリンがゴクリと唾をのむと他の隊員も緊張する。
「聖女の紐……いえ。帝国では暗躍したといわれるクロウベルが緊急。まさか平原の地下にあったといわれる邪竜の眼ざめ。いいえ……魔族が残した人類を殺すだけの魔道兵器。いえ! 偽聖女の誕生!!」
目の前のアメリンが興奮しだす。
「いや……金貸してくれない? 出発前に借りようと、ほら聖女だから土下座すれば慈悲でお金めぐんでくれるかなーって。聖女っても中身知ってるし、出発前に間に合えば良かったんだけど間に合わなくて。何所の場所は言えないんだけど……ちょーっとカードゲーム。そうゲームでなぜかお金無くなってさ……後少しあれば取り返せ……いや倍になると思うんだ」
俺は以下にもう少しだったのかを説明する。
金貨10枚をチップにしたら1枚でその1枚を35枚まで増やせたんだ。
でそこから謎の5連敗で最後に残った5枚をハイ&ローで勝負したらなくなった。
確率的に次は絶対に俺が勝つはずだったんだけど……。
「………………最低」




