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負け悪役貴族に転生した俺は推しキャラである師匠を攻略したい  作者: えん@雑記


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第396話 アリシアの気持ちとムードって大事よね

「と言う事がありまして」



 見えないネクタイを外す動作をしながら部屋にいるメルナとアリシアに話す。

 部屋ってのは孤児院にあるアリシアの私室。

 相変わらず女性の部屋とは思えず簡素な物しか置いてない。


 クウガがナイの背中から落ちた後、普通なら落ちた場所を探すんだけど……無茶苦茶にキレて怖いし、そもそも竜であるナイの自動運転なのでそのまま帰って来たのだ。

 そのナイを操ってる? ミーティアも『しょうがないね』って言っていたし、しょうがないんだろう。



「…………行動は立派と思うのじゃが、あの小僧もアリシアの身体的呪いを把握してるなどちょっと行き過ぎなのじゃ……聖女の呪いなぞ文献にも乗ってないのじゃ」

「そうなんです?」

「元々……聖女といえと偽物も多かったしの。本当の聖女となると……ワラワでさえ多分そうじゃろうな。と思うだけじゃ」



 あー……偽物の聖女だったらバンバン子供産むし、データーとして成立しないのか。本物と偽物の見極め方なんて無いもんな。

 過去の聖女たちも、国から公認されてるだけで本当に聖女だったのか? と言われると謎だ。




「クウガ君って好意のある女性の事をピンポイントで調べるの。2人ともごめんね」



 ストーカーかな?

 いや、確かにゲームプレイでも女性の事に関してはマメだった。

 さすがハーレム系主人公。とは思った事がある。

 今思えば、ゲーム中にヒントが出てないのに『君が好きな果物を買って来た』とか平気で言うしな。


 しかもそれがあたってる。

 贈られたサブヒロイン達はそれを気味悪いとも思わず嬉しそうに喜ぶ、ゲームをプレイしてもそれが当たり前すぎて変って思った事なかったな。




「ハッキリ言うとちょっとキモイのじゃ。あの小僧が言う通り魔力が多すぎる女性はどういう訳か子出来にくい。というかなのじゃ、その情報にホイホイついて行くロウよ。お主も相当にキモイのじゃ」

「でも先生、クロウ君が気持ち悪いのは今に始まった事でも」



 やぶへびだ!!

 ってか、俺ってアリシアにも『気持ち悪い』って思われてた!?

 思わずアリシアを見ると「あっ例えだよ?」って訂正してくれたけどメルナのほうは訂正はしてくれない。 


 話を変えなくては。



「そう! 子供だ! メルナも魔力が高いでしょ? その昔は痴女いや聖女って呼ばれていたとか……」

「殺すぞ……まったく、未来の2人を入れたとしてなのじゃ。1000年で2人じゃぞ……なぜに痴女呼ばわりされないといけないのじゃ。その予定の2人でさえ本当にワラワの子なのかはわからんしの」



 1000年も毎日えっちしていたわけじゃないだろうに。

 とは突っ込めない。

 アリシアだっているんだし電撃と火だるまになりたくないし。


 よし、ごく普通に俺のキモイの話題が消えていく。

 俺はキモクない。健全な男の子!



「で……アリシア……その、呪いは? 解けた感じ?」



 アリシアは腕を組んで唸っている。

 その表情はちょっとだけ険しい。


 失敗か?



「目に見えないし、わかんないよ? ……でも」

「でも」

「未来から来たのは先生とクロウ君の娘であるサクラさんスミレ君だけって事は私は無理だったんじゃないかな……?」



 結果的推理!?

 アリシアの一言で部屋の空気が重い。


 ってかアリシアが自然に衣服を脱ぎ始めた。

 上着を脱いでブラが見えるとズボンに手をかける。



「ふぁ!? アリシア!?」

「先生に見られてると少し恥ずかしいね」

「まぁ慣れるじゃろ」



 光の速さで俺を置いて行かないでくれ。



「まったまった!!」

「ん? 待つよ?」

「なんじゃ……文句でもあるのじゃ?」



 ズボン腰の部分に親指を入れたアリシアはもう力を入れたら下半身も下着になるだろう。それを見ているメルナも普通の顔をしている。



「これって……そう言う事ですか!?」

「どうみてもそうじゃろ?」

「呪いが消えたとしたらね、子供が出来るかは試さないと駄目と思うんだ」



 それはそう。

 だが……その。



「待って」

「先生……やっぱり私はクロウ君から嫌われて……」

「アリシアよ」

「本気で待って。抱く抱かないで嫌いとかじゃなくて……え。俺でいいの? いやその前にまだ明るいし……暗くなったら良いってわけじゃなくて」

「落ち着けなのじゃ」

「うい」



 メルナの一言で俺は深呼吸を繰り返す。

 お試しで付き合う。って事になったらそりゃそう言う事もあるだろう。と覚悟はしていた。


 覚悟があったからこそクウガに筋を通しに行ったんだけど……突然迫られると俺の心の準備が出来ない。


 だってさ。


 基本メルナにセクハラはするけど、それでも! それでも俺とメルナが既成事実するまで出会ってから言うと7年ぐらいよ。


 それも、しないと死ぬ超媚薬をうっかり飲んでの事だ。



「こんな明るい時間からムードもないし……」



 思わず本音が出る。

 メルナもアリシアもちょっと引いた顔だ。



「どの口が」

「怒らないで先生……クロウ君の良い所だよ? ごめんねムード無くて……私もムードってよくわからないんだ」

「ただのヘタレじゃろ」

「ピュアなんだよ」

「アリシアよ。何時か蛙か現象が起きて嫌になるのじゃ」



 2人で俺の事をボロクソ言い出す。

 アリシアは援護してくれるけどメルナは容赦がない。



「そもそも!! アリシアはメルナが横にいてその、いいのか!?」

「先生なら……というかね。私がクロウ君の心を掴みきれてないのはわかってるの。私は先生とクロウ君が幸せになって……その背後にいるぐらいが丁度いいかなって。だからクロウ君と……その、する時は先生が一緒のほうがいい」



 わぁなんて都合のいい女性なんでしょう。

 第一恋人を立てるとか。



「ワラワもワラワに関係なくイチャ付けと、説得はしたんじゃがの。する時は一緒がいい。との事じゃ」

「あっ! もちろん先生とクロウ君は私に気にせずにしていいからね」



 え!? 思わずメルナを見ると、メルナはアリシアの見えない位置で小さく首を振った。この意味はアリシアの事をちゃんとするまでは、えっちな事は禁止! という意味。

 もちろん。俺もアリシアとの事を決着付けるまではそう思っていたし。


 ふいにメルナが俺に目配せをした。

 その方向は扉がある。


 あー……やっぱり?



 近くにいた俺が扉を開けるとクローディアがすました顔で立っていて、その横ではミーティアとナイが小さくしゃがんでいる。



「のわ!? いきなり開ける!?」

「あれ……君達まだしてないのかい?」



 2人は置いて置いて、アリシアが突然大声を上げた。



「ディアさん!? それにミーティアちゃんにナイさんも!?」

「シーツの交換を待機してました」

「するなよ!?」



 平然というクローディアに突っ込み、しゃがんでる2人を見る。

 完全にのぞきだ。



「ミーティアちゃん急用思い出しちゃった!」

「さて……ボクも帰るかな」

「2人ともどんなお仕置きがいいかな?」



 アリシアが覗き組2人に死刑宣告をしだす。





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