第387.5話(他人視点)家政婦?(ノラ)は見た!!
私は思わず洗濯物の入ったカゴを手で落とした。
びっくりして落としたのは間違いなんだけど、ええ!?
上空ではスミレ君とサクラさんが飛んでいくのが見えた、見えたまではいいんだ。
問題はそれを見送ったアリシアさんだ。
一瞬迷ったけど私はアリシアさんに駆け寄る。
「アリシアさん!」
「あら、ノラさんいつもお手伝いありがとうございます」
「え。いいよ……どうせやる事もないし……じゃなくて!!」
「な。何かな? 顔が違いよ?」
近くにいるんだから当たり前。
「お。お。お……」
「おっぱいはそんなに大きく無くてごめんね」
「それは私も……じゃなくて! 大人のキスって何!! え、し、したの!?」
「してないよ?」
即答するアリシアさんに私の思考がフリーズする。
え。でもさっき『帰って来たら大人のキスの続きをする』ってスミレ君に言っている。
頭に手を当てて考える。
考えないとこの場に何年に固まりそうだから。
「ごめん。処理が追い付かない。嘘って事?」
「今回の作戦は失敗は許されないんだよね」
「そうだね。クロウ兄さんとメル姉さんは成功すると思うけど」
「でしょ? 私に出来る事はみんなを応援する事。ディアさんに相談したら鼓舞をしましょう。って鼓舞って応援って意味で、スミレ君にこういえば絶対に士気があがるからって」
そうだろうけど……アリシアさんだよね。
私はアリシアさんのほっぺを両方から引っ張ってみる。
もちっとした肌触りでむにゅーんと少しだけ伸びた。
「いはいよ?」
「ああ。ごめん……魔物が化けてるのかも思って……はぁ……その」
周りを確認しても誰も無い。
「鼓舞の意味はわかったよ。でも……意味わかってるよねっ!」
「ノラさん、その怒ると可愛い顔が台無しになるよ?」
「それはどうも!!この場に2人しかいないから言うけど、本当にあの子でいいの? そりゃ私とかはもうあの人の横に立つ事も無いし、まぁスミレ君も劣化とはいえ若いし変態じゃないし自分好みの子に育てれるって感じもあるし、ちょっといいかなってあるけどさ、でも未来に帰るんだしどうしようかなって感じで」
「な。なんのことかなー」
はぁアリシアさんって嘘が下手だよね。
「もうわかった。2人が帰って来たら相談するから」
「え!? な、なんでかな!? ノラさん」
「いいから!」




