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負け悪役貴族に転生した俺は推しキャラである師匠を攻略したい  作者: えん@雑記


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第282話 アリシアに見抜かれる

「師匠、小さい男の子なら無邪気に尻や乳さわっても犯罪じゃないと思うです」

「口から胃液出してまで言う事なのじゃ?」



 口元をぬぐうと周りを見る。

 師匠は俺をかわいそうな目で見てくる、もしかして本当に子どもになったのかもしれない。


 衣服が大きくなった感じもしない。



「ちょっと失礼」

「なんじゃ?」



 俺は師匠から数歩離れるとズボンの中を確認する。

 こっちも子供になった感じはしない、むしろ子供になってこの大きさなら物凄い楽しい人生2週目いけるんじゃないだろうか。


 師匠の所に戻って訪ねてみる。



「俺って子供になりました?」

「色々と確認する順番が違うのじゃが、見た感じはなっておらんな……」

「じゃぁ薬が偽物? 師匠ちょっと飲んでみてください」

「ワラワが飲んでもかわらんじゃろ……」

「そうでした」



 周りの雪を口にいれては飲み込み薬を中和する。

 出来たかしらないけど。



「まっ帰るかの」

「凄いあっさり!?」

「それしかないじゃろ……見た所外見は変わっておらぬし、ここに居ても寒いだけじゃし」



 少しは心配して欲しいよ。これだから師匠は……そういう所だぞ。



「ドアホウ、今思いっきり失礼な事考えているじゃろ」

「まったく、師匠は思いやりがあってっいっ! 蹴らなくても」

「じゃぁ捕まれ、リターンの道具使うのじゃ」

「うい」



 師匠が小さい杖を空に向けて『リターン』を唱えた。

 杖が光り俺と師匠の体は一気に上空に行くと物凄いスピードで飛ぶ。


 空気抵抗も凄い少なくあっという間に元聖都が会った所まで飛んできた。



「あっここなんですね」

「旧聖都が会った所じゃ……しかし今度は帝国までなのじゃ……じゃっワラワ……」

「一緒に行きましょう!!」

「いや、あのな……ワラワは」

「行きましょう師匠! あまり家にいると太りますよ」

「そもそもそんな太らない体質で、そのめんど……」

「いいから、師匠がいないと帝都まで俺半年ぐらいかかりますし」



 俺は師匠の腰にしがみつく。

 別に移動に半年かけてもいいけど、半年間俺一人は嫌だ。



「わかったから離れろなのじゃ! 脱げる! 脱げるのじゃ!! いや、脱がそうとして。それ以上すると本当に帰るなのじゃ!」

「っと!」



 俺は腰から手を放して両手を上げる。

 何もしてませんポーズ、その間に師匠はワンピースの腰の部分を服の上から直しはじめた。



「このエロガキか」

「せめてエロ青年で」

「それだけ記憶力いいんだから転移の門のルートぐらい覚えておるじゃろに」

「いやそれが全く……覚える気がないもんで」



 何でもかんでも覚えてるわけじゃない。MAPなどは何度も行くから覚えるけど転移の門なんて数回使って終わりよ。

 ゲームよりも門の数多いし複雑だ。


 同じ転移の門でも1個前に通った道によって行先も変わってる、そんなの覚えきれない。



「師匠はよく覚えてますね」

「ワラワも良く使う場所だけじゃな……ここからなら北じゃな」



 一度聖都に戻るという手もあったが、今回は徒歩で転移の門へと行く。

 途中で2日ほど休憩しながら岩に囲まれた秘密の階段を下りていく。


 階段を下りて転移の門へと魔力を込めてもらうと反対側が鏡のようにうつった。

 師匠が先に入り俺も続く。

 さらに転移の門が散らばっていて、その1個に師匠が魔力を込め俺も入る。

 さらに転移の門ががががが、おぼえきれっかこんなの!



「はぁ覚えろ」

「努力はしますけどね!?」

「さて。6か所目じゃ、ここを抜けると帝都に入るはずじゃ」

「ここだけでも前と違うんですけど」



 師匠は「そう文句を言うな」といいながら先に進む。

 俺も入るとやっと見覚えのある地下に来た。


 そのまま帝国冒険者ギルドの地下練習場件倉庫を出ると外の空気を吸い込む。



「いやぁ帝都ですね」

「帝都じゃな」



 あれだけ崩れた城も城下町から見ると完全に復元されている、さすが帝国だ。



「うまい物食べたりもしたいんですけど」

「教会じゃな、その後にしたほうがいいじゃろ」



 俺も師匠もさっさと用事を済ませたい。

 遠くにいた時は面倒で動きたくなかったが、ここまで来たら早く終わらせたいのだ。


 教会にいくと庭先にいたミーティアが俺と師匠を見てホウキを落とす。



「なっ!! ド変態……た、大変あああああ! アリシアちゃんに知らせなきゃ!!」

「あっおい!」



 俺が声をかける間もなく教会に入って行くと、悲鳴と何か壊れた音、謝るミーティアの言葉などが聞こえてくる。


 俺も師匠も顔を見合わせて教会の中に入って行った。

 腰を抑え座り込んでいるシスターに挨拶し、まず回復魔法を要るか聞いてみた。



「大丈夫ですわ……騒がしくてすみません。ええっとクロウベル様でしたね」

「あれ。俺と会った事あったっけ?」

「ええ、会話するのは初めてと思いますが何度か教会に来てるのを知っています。アリシア様でしたらこの時間は中庭です、案内をしたいのですが……」



 腰を抑えてるシスターの横には衣類が入ったカゴがある。

 洗濯かしまうのかどちらかだ。



「どうも。勝手に行くよ」

「すみません」



 何かに祈りをささげてるアリシアが居た。

 そのアリシアが振り返ると俺の顔を見た。



「遅い」



 その一言、手は腰に添えて口が怒っている。



「ごめんって、ほら師匠もつれて来たし」

「ワラワは物扱いじゃの、久しぶりなのじゃ」

「先生がいるのにもう、ノラさんと手紙出し合いしましたけど1ヶ月以上も、ひどいです」

「で……クウガはど、あっいたわ」



 魔石の棺。

 中庭に設置されたその中にクウガが見開いて空を見上げていた。

 アリシアが祈っていたのってこれか。



「呪いを解呪する魔法、傷を治す魔法、麻痺を治す魔法、などあと祈りをささげていたの。本当は場所がわかったら私がいくのに」

「いやアリシアと行けばよかったよ。俺も師匠も回復得意じゃないし」



 俺はクウガが入ってる棺に座ると、どんだけ大変な旅だったかを。



「クロウ君さすがにそこはだめだよ」



 語る前に怒られた。



「いや、クウガならいいかなって」

「それよりも……先生!」

「なんじゃ?」

「クロウ君と結ばれたんですか?」

「ぶっは」

「ぶほ」



 つばが器官に入って魔石の棺の上によだれがこぼれる。

 師匠のほうも大きい胸を押さえては地面に向かって咳込んでる。



「あっその、ごめんなさい! そんな驚く事とは……」

「その、わかるもんなの!?」

「あっええっとね。魔力の質が変わったというか……先生の魔力とクロウ君の魔力が少し混ざって見えて」

「そのアリシアよ。医療行為でこうなっただけじゃ」

「あっクウガ君が良く言い訳で……」



 俺は思いっきりクウガが入ってる棺を叩いた。



「きゃ!?」

「おっと足がつまづいた。アリシア……その話はまた今度で今はクウガを治さないと」

「そ、そうだね」



 話をそらすことに成功。



「じゃっ開けてくれる?」

「え。開け方知らないよ?」

「ん?」

「え?」



 俺もアリシア困ってしまって師匠を見た。



「お主らは……まぁ知らないのも無理はないじゃろ。セリーヌが出したやつだしな。上下の角を斬ればふたが消滅する仕組みじゃ」

「いやーやっぱ師匠が来てくれて助かりました」

「ふん」



 俺は魔石の棺の上下を斬る。

 ふたの部分が消滅し、よぼよぼのクウガが口をアワアワしながらしゃべろうとしてる。

 その口に若返りの薬を半分ほど突っ込んでみた。



 しわしわだった皮膚が盛り上がり背が縮んでいく。

 肌につやが出来ると、髪の毛がふさふさになりその後薄くなる。



「ばぶー」



 俺達3人は元老人クウガを見て言葉を失う。

 いや、ここは強引にいかないと。



「えっとアリシア……がんばっ……あの、腕をつかまないで……」

「クロウ君? ちょっと待ってくれるかな?」

「若返ったじゃん!! 老人よりいいでしょ!!」

「アリシアちゃーん!!! あのド変態が帰ってき!! あっもういるじゃん!? あれ……クウ兄ちゃんの入ったカンオケは? わぁ《《かわいい赤坊》》、おーよしよし……あれクウ兄ちゃんの遺体どこ」

「ミーティアちゃん、何度も言うけどクウガ君は死んでないからね……あと、ええっと……先生! 何とかできるんですよね!?」



 俺を見た後、俺じゃなくて師匠のほうへお願いするアリシアを見る。

 俺が悪いじゃないのに。

 ってかこの薬本物だったのか、俺に効かないから勢いよく飲ませすぎたな……全部飲ませなくてよかった。

 赤ん坊の前までもどったら……いや考えるのはよそう。


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