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負け悪役貴族に転生した俺は推しキャラである師匠を攻略したい  作者: えん@雑記


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第260話 そうだ! デートにいこう!!

 戻って来て半月ほど。

 頭を上げ青空を見る、なんでいい天気なんだ。


 今頃は予定通り進んでいれば、俺は並行世界に出発した所だろう。


 やーいやーい。俺!

 これから苦労するんだざまぁみろー!! 俺のと名時苦しみを味わってこい。


 と、言うわけで師匠から頼まれたキノコを採りに洞窟に入る。


 ちなみに今だ俺の部屋出来てはいない。

 なんだったらセリーヌの部屋も出来てはいない……ってか物置が思ったよりも狭かったから。


 日本式で言うと、どっちも3畳ぐらいしかないのだ。

 ウォークインクローゼットという部屋全体が衣裳部屋と言う使い方ならいいけど、ベッド置いてテーブル置いてなどは少し狭い。


 となると改築しかないんだけど、俺は素人。

 じゃぁ師匠はプロ! というわけもなく 何百年も生きてるくせに師匠も素人なのだ。セリーヌ関しては木材なども食べれるけど作り出す事はしない。


 お手上げポン状態。


 無能3人衆では何もできない。

 セリーヌは『引っ越しましょう』って言うけど、そうもいかない。

 結局は依然の3人で暮らした時と同じように師匠とセリーヌは一緒に寝て、俺はソファーで寝る。

 夜這いなんてできはしない。



「っと。余計な事考えないでまずはお仕事。キノコーキノコっとコンコンキノコっと」



 コンコンキノコ。

 しいたけみたいな大きさで、カサの部分が光るだけのキノコ。

 鍋に入れるとおいしい。

 マジックボックスに保管しておくと、なぜか鮮度が落ちる。



 カゴにいれては本数を確認。

 とりあえず6個ほどとるとさっさと洞窟をでた。

 師匠の家はこの洞窟から崖を下った先、ここまで来るのに約1時間はかかってる。


 普通なら帰りも1時間はかかるんだけど、飛び降りれば早いのだ。

 足場に水盾を詠唱し衝撃をやわらげて魔法を消す。これだけで40分の短縮だ。


 あっという間に師匠がいるログハウスが見え、玄関を開ける。

 《《開けるたびに》》師匠が着替えてないかなって思うけど、そんな事は一度もない。



 昔クウガにその辺を聞いたら、高確率で起きるって言ってたのに……。



「戻りましたー! さて今日の師匠はどんな姿かなーっと、あれ?」




 俺の目に映っているのは師匠はローブを羽織って外出する気満々の恰好だ。

 セリーヌも小さい子供用の白いパーカーを着てお出かけスタイル。

 なんなら地下室の扉を開けて移動する際中で師匠なんて上半身しか見えない。


 俺はキノコを入れたカゴを思わず落としてしまう。



「な……俺を置いて出かける!?」



 師匠が振り返って俺を見ては睨むように見てくる。



「思ったよりも早かったのじゃ……仕方がない」

「仕方がない!? 俺は師匠から言われて片道1時間ちょいの洞窟まで行って光るキノコ。コンコンキノコを採取しに行って、今日はキノコ料理だなってレシピを考えていた俺を置いて出かけるんですか!?」

「………………別に一緒に出掛ける理由ないじゃろ……? そうじゃ! ドアホウもたまには1人になりたいじゃろ」



 もちろん俺も男だし1人になりたい時もある。

 だが! 置いて行かれるのと、残るのは意味が違うのだ。



「『そうじゃ!』 って思いっきり後付けで、そこを正論で返されると俺が困るんですけど……ええっと、俺もついていきたいんですけど、ついて行っていい場所です?」



 師匠のノリが悪いので俺も正式にお願いをしてみる。



「問題は無いのじゃが。なにセリーヌが暇というのでなのじゃ」

「あらセリーヌは乙女らしくゲームで勝負をしようとしたのよ? 最近出番が少ないし」



 どんなゲームだろう、少し気になる。



「言っている意味がよくわからん事をいうじゃろ。何か食わせればいいのかと思ってなのじゃ」



 なるほど?

 まぁセリーヌだしな、セリーヌはたまに日本のアニメネタに食いついて来る時がある。



「あらメルママ。レディに対して失礼よ? セリーヌは暇なの。何日もおうちにこもってもつまらないわ。さぁ行きましょう」

「だ。そうなのじゃ」

「待ってキノコ置いていきますので」



 俺は師匠に断ってコンコンキノコを台所に置くと師匠のそばに行く。

 一緒に地下室に入り転移の門を何度かくぐると帝都へと出た。


 秘密の地下室を抜けて冒険者ギルドの裏庭へと出る。

 久々の帝都に到着で俺の心も気分が軽い。



「ここが帝都なのね。以前あった森のかけらが何もないわ……人間ってすごいのね」

「帰らぬの森だっけ? 俺も本で読んだだけだけど」

「あら、物知りね。でも知ってるかしら? 帰らぬの森はメルママが生まれた場所なのよ?」

「うえ!?」



 驚いて師匠を見ると師匠がバツの悪そうな顔をする。



「気づいたらいただけじゃ。生まれに関しては覚えておらんのじゃ」

「あら、ネタバレしちゃったかしら?」



 面倒なのでなんで知ってるかは聞かないでおこう、師匠の機嫌悪くなったら困るし。



「ええっと……どこにいくかなのじゃ」

「ああ! だったら俺いい店知ってますよ」

「ほう」

「さすがクロウお兄ちゃんだわ!! セリーヌ楽しみ」



 大通りを抜け少しさびれた場所を歩く、すれ違う人間が段々とガラが悪くなっていくと俺の目指していた店についた。



「そう『竜の尻尾』亭」

「ずいぶん食べ物が安そうなお店ね」

「まぁ…………《《ドアホウらしくて安心したのじゃ》》馴染みの店だしのう」



 師匠から褒められ俺は元気にうなずくと、師匠が先に『竜の尻尾』に入って行った。



「あのクロウお兄ちゃん」



 なぜかセリーヌが俺をかわいそうな子犬を見るような眼で見上げてくる、第3の眼なんてしょんぼりしてるぐらいだ。




「お、何でも好きなのを食べてくれ俺のおごりだ。師匠も喜んでくれてるし」

「あのね、普通男性が任せろって言う時はもっとすごいお店なのよ?」

「え?」



 え。だって師匠喜んでくれたっぽいけど。



「クロウお兄ちゃん、割とお金もってるのよね?」

「まぁそこそこ。結構減ったけどまだある」

「メルママは喜びじゃなて落胆よ?」

「まじで!?」

「おおマジよ、乙女にかけていいわ」



 俺は思わず地面に四つん這いになる。

 だってセリーヌの乙女にかけられては俺の選択肢は間違いと決定されたようなものだ。



「だってぼろいのに安くて美味くていい店と」



 セリーヌは俺の前にしゃがみ込む。



「こういう時は少しまずくても高いお店がいいわね、後デザートが美味しいお店とか。でもセリーヌはクロウお兄ちゃんのそういう所は少しだけ好きね」

「別にセリーヌに好かれなくても」

「うわっ、そういう腹黒い所も好き」



 俺が地面を見ているとセリーヌの影が大きくなる。

 まるでいかつい熊のような影だ。



「セリーヌずいぶんと太った……あれ? 店主」

「お前ら、人の店の前で……悪かったな! ボロ店で!!」

「その後に安くて美味い。もいれてるんだけど!?」

「ああ! だから怒るに怒れねえ。お前の連れが中で待ちぼうけしてるから様子を見に来たんだ! いいか、後悔するほど食わせてやる!!」

「タダで!?」

「なわけあるか!!」



 無料では無いらしい。



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