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負け悪役貴族に転生した俺は推しキャラである師匠を攻略したい  作者: えん@雑記


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第257話 考え込んだ結果添い寝を選択しました

 飛空艇で聖都まで戻ってきた俺は口を開けて固まった。

 なんでかって?


 操縦席のモニターから見える聖都、そのはじにあるアンジェリカの屋敷。


 そこまではまだいい。

 そこに師匠が飛空艇を見てるのもまだいい。


 問題なのは……馬鹿みたいな顔をした俺も見えたからだ。



「誰!? まさか師匠ってさみしさのあまり俺に似たそっくりさんを彼氏にしたとか? それとも俺の顔をパクった男が彼氏になって…………なわけないな」



 考えられるのは時間軸の問題。

 《《俺の足りない頭で考える。》》


 とりあえず、師匠はかわいい。



「じゃなくて!!」



 一瞬モニターの先にいる師匠が俺をにらんだ気がした。

 気のせいだよな。

 ええっと……俺の考えが正しければ若干の過去にいるなこれ。



「おそらく無人の飛空艇が聖都に来た時……と言うことは着陸後、俺が中に様子を見に来る。昔の俺とこんにちわ。これからは2人で師匠を攻略しよう! ってなるかーい!! 師匠が2人ならいいんだけど、俺が2人いても取り合いと殺し合いになる」



 飛空艇のエンジンが止まるとそのまま斜めになった。

 操縦室には隠れる場所がない、慌ててトイレの扉を開けて天井を魔法で壊す。

 記憶が確かなら俺はトイレまで確認した覚えはない、覚えはないが万が一もあるので天井裏へと隠れた。



 人の気配がするので息を殺す。

 その次に機械音が響くと大きな轟音が鳴った。


 時間的にフォック君がボタンを連打して4連砲を空に撃った所だろう。


 そのまま体感時間2時間ほど俺は天井裏で隠れ続けた。



「もういいだろう……」



 操縦室のモニターは生きておりこっそりと外を眺める。

 案の定俺と師匠、セリーヌが談笑してるのが見えたり、フォック君がアンジェリカに土下座していたりが見えた。



「まいったな」



 俺は指を数えて色々考える。

 確か俺はここから馬鹿皇子に連れていかれて帝国に行くはずだ。

 戻ってきてコメットⅡ改とのドッキング。


 そして並行世界にいってこっちにもどってくるわけだ。


 ここで俺が飛び出せば並行世界に行くことはないだろう。


 新しい分岐点が出来るはず。



「でもまぁ…………同じ世界でクロウベルは1人でいいし。そもそもだ! こっちのクロウベルは何のんきに師匠の隣に! 俺だけと悔しい!! 俺は半年ぐらい向こうで大変な目にあっていたのに。俺がここで出ていくと、あいつにはそれがない!! 自分自身に負けるとか、は!!」



 そうか。



「あっちの師匠も、こっちの師匠に嫉妬していたがこれがそうなのか!?」



 まさに師匠。

 俺に気づかない答えを先に出してくれる。



「………………突っ込まれないと寂しい。まぁいいか……色々と予定がわかってる分行動しやすい。例えば『ゲームで先の展開がわかってるように』」



 半笑いで答えをだすと、トイレの天井裏へと隠れる。

 マジックボックスに手を突っ込んでは軽い飯を食べ寝て時間をつぶす。

 これぞまさしく便所のぼっちめし。



「まっ脇役ですしー」



 俺は主人公じゃないからな、別に便所飯でも大丈夫だ。

 そもそも普通なら死んでるし。



――

―――



 2日後。

 コメットⅡ改が見えると、俺は皇子に連れていかれたのを見た。

 これで後半月ほどは帰ってこないはず。


 この2日間の間に燃料の確認もした。

 あと1回ぐらいは飛べるだろう。


 後は夜になり暗くなるのを待つだけだ。

 見張りの聖騎士隊が半分寝てるのを確認し、俺はこっそりと外にでた。


 誰にも見つからないようにアンジェリカの屋敷に入る。

 途中でアンジェリカが見回っていて心臓が止まるかと思った。



 そういえば、俺の事を見たとか言っていたような……いや気のせいか。



 表の長い階段を上ると目立つので裏手に周りまずは壁をよじ登る。

 3階建ての屋根まで上って一息つく。

 いくら回復魔法が発達した世界でもかけてくれる人いなかったら死ぬからね。


 俺も回復魔法(小)唱えられるけど、首の骨折ったら終わりだし。


 夜空が綺麗だ。



「玄関が向こう、あっちに見えるのは聖王が居る教会。向こう側が貴族エリアで……と言う事は」



 俺は屋根をゆっくりと移動して部屋を定めた。

 屋根からゆっくりと降りた先は、バルコニーである。


 カーテンは閉まっていて中の様子は見えない。


 飛空艇から持ってきた油をそっと垂らしては音もなく窓を開ける。

 大きなベッドがあって人が1人寝てるぐらいにもりあがってる。

 顔は見えなくも毛布をかぶっているようだ。


 足元の布をめくると綺麗な足が見えた。

 

 わーお。


 ご馳走様です。自分で思っていてよくわからないが……まぁいいか。


 いくら俺でも……元悪役令息であってもいきなり襲うのはだめと思うんだ。

 と、言うわけで。添い寝ぐらいはあってもいいだろう。


 現に俺と師匠は添い寝ぐらいはした事は何度もある。

 全部冒険の途中だったきもするけど……と言うわけで足元から頭を突っ込んで腰を通過して胸の部分に行く。

 重力に逆らうようなスイカ群を抜けて師匠の顔を見ると、師匠の目が俺を見ていた。


 俺はそっと下がって毛布からでると、そっと窓から出ようとしてぐええええええええ!!


 首に細い何かが絡まる。

 それが一気にしまっ。



「ひ、紐はまずっい! し、死ぬ!! 死ぬからっ師!?」

「ええい! 人の寝室に入ってきては、ロープで首を絞め落としてやるのじゃ!!」



 本気で死ぬ。

 そう思ったときに部屋の扉が激しくたたかれた。

 師匠の力が弱まったので首とロープの間に指をいれては息を整える。


 ドアノブがガチャガチャと周り、外から声が聞こえてきた。



「メル様何か大きな物音が!? だ、大丈夫でしょうか!?」

「…………アンジェリカか。すまぬのじゃ窓を開けていたら大きな害虫が飛んできてなのじゃ。心配無用」

「そ。そうですか。先ほど誰か屋根に人影を見た。と報告があり……」

「なに。安心しろなのじゃ。ワラワもセリーヌもいる」



 アンジェリカは扉越しに「失礼しました」と言っては足音が遠ざかる。

 魔道具で作ったランプに光りをともすと部屋の中は明るくなった。



「で……帝国に行ったドアホウがなんでワラワの寝室に………………」



 師匠の言葉が止まった。

 俺が首についた縄の後を見せつけてるからだ。

 やっと罪悪感に気づいてくれたか。



「お主何者じゃ?」

「はい? 俺は俺っすけど。クロウベル、く・ろ・う……」

「顔つきが若干違うなのじゃ、少し老けたなのじゃ?」

「おお。俺の顔をそこまで……まぁ話せば長い話で」

「まとめろなのじゃ」



 鬼である。

 半年分の経過をまとめろって言ったって。




「並行世界に行って半年ぐらいで戻ってきたんですけど、戻ってきた時に時間座標がずれたらしく、この世界に俺が2人いる感じです。うおお! まとめれた」

「ふむ…………この世界にドアホウが2人、きも」

「地味に傷つくから辞めて」



 師匠が、ふっと唇を小さく開けてはベッドに座り込む。

 枕元から俺に酒瓶を投げてよこした。



「一応いうのじゃが。枕の下に酒瓶を隠してるわけじゃないからなのじゃ。マジックボックスをここに置いておいたのじゃ」

「わかってますって」

「詳しくきかせろなのじゃ」



 え、じゃぁ最初から短く言う必要はなくない? と俺が思うが師匠がそう言うなら俺はもう師匠の横に座って……蹴られた。


 師匠はベッドで俺は椅子に座って話す事にした。


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