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負け悪役貴族に転生した俺は推しキャラである師匠を攻略したい  作者: えん@雑記


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第225話 取調室とクロウベル

 何所の城にもある取調室。

 壁には逃げられように鉄で出来た輪や、足の所には鉄球が置いてあったり、壁や床には赤黒い染みがある部屋。


 その部屋俺は座らせられていた。



「なんで?」



 目の前にいるサンならぬ皇女サンが厳しい目をして俺を見て来た。



「貴方……今それをいいますの? 一緒に着いて来て、我先にと椅子に座ったのは貴方ですけど?」



 そうだいなネタバラシは辞めて欲しい。

 俺の疑問の声が矛盾するから。



「俺は、話があるからついて来いって言われただけで……」

「そうですか。さも『いきなりここに居た』みたいな顔してましたので。ここであれば盗聴の可能性はないですわ」

「えっ! じゃぁ皇女の部屋って盗聴の心配あるの!?」



 驚いた俺は聞き返すとサンは黙る。



「……無いですわよ」

「じゃぁここにくる――」



 ドン! という音ともに振動が部屋に伝わる。

 特殊グローブをはめたサンがテーブルを叩いたのだ。



「黙って」

「…………うい」

「無いとは思いますが念のためですわ」



 拷問室、もとい取調室の扉が開くとメーリスも入って来る。その傍らには改造ベビーベッドが一緒について来た。

 天井をみては、ばぶばぶしゃべってかわいい。


 俺詳しく知らないけど赤ん坊ってこんな連れまわしていいの? 駄目な気がするんだけど。



「変な空気ね、さて……面白そうな話じゃないの? 王国で飛空艇開発が進んでいただなんて」

「そうですわね。何度が王国を飛んだ時に見られてますし、王国にも技術者がいたのでしょう」



 2人の意見は王国が作った。となっている。



「それが王国で作ったってわけじゃなさそうな」

「……おっしゃってる意味がわかりませんわ」

「だよね。俺もそうおもう。だって乗り込んだけどほぼ同じよ。さすがに細部まではわからないけど」



 聖都に来た状況と内部の話を知ってる限り話すと、2人とも黙ってしまった。



「サンさん。私見にいこうか?」

「…………いえ、わたくしがいきます」

「ん。了解」



 2人の中で話し合いが終わった。

 俺は関わりたくない。



「ええっと、じゃぁ俺帰るわ」



 ゆっくりと椅子から立ち上がり部屋を出ようとするとベルトを掴まれた。前に出ようとしても前に出れない。



「何他人事で済まそうとしてるのです?」

「うおおおおおお! 俺は他人! 他人だから。それ以上引っ張るとパンツからボロンと出るけどいいのか!?」

「…………こう見えても未亡人なので。前々から貴方の粗末なものを拝見したかったのですよ」



 やばい。痴女だ。

 じゃなくて子供を産んだ人妻に下ネタは効かない。

 逆に喜ばれてしまう。


 あれ、師匠も効かないな……ああ、師匠は年なだけか。



「彼、何か酷い顔してるよサンさん」

「良からぬ事考えてるようですわね、どうせ貴方でしたら本気だしたらわたくしの手など解けるんでしょ? その変態な顔を正さないと本気でパンツまでぬがしますわよ」

「酷い」



 俺が本気を出せば壁壊したり水竜だしたりして逃げるけどさ。

 変態な顔って何、変態な顔って。



「あのー…………あっやっぱりクロウベルさん!!」



 男の声がするので前をみると、廊下の先でクウガの顔が見えた。



「あれ。珍しいな」

「久しぶりです!! 1年ぶりでしょうか!」

「はい? 俺とクウガが別れてそんなに立ってないと思うが……」

「あっ」



 クウガは俺の背後にいるサンを見ると黙ってしまった。

 俺も振り返りサンの顔を見る。



「クウガさんお口が軽いですわよ。例の北の迷宮。そこで1年ほど時間がたっていたのです、戻ってくると数ヶ月しかたってませんでしたわ。おそらく周りの2倍から3倍の時の速さでしょう」

「あー……なるほど」

「驚かれませんの? こんなウソみたいな話」



 俺も過去に言った事あるし、そもそもナイが住んでいる蜃気楼の城がそれだ。別に驚く事も無い。



「クウガとサンがウソつく必要ないだろうしな」

「貴方……案外良い男なのですね」

「私も認めるよそこは、君が望むなら体の関係になっても良かったのに」



 メーリスが飛んでもない発言をしてくる。



「……俺も師匠がいなかったらメーリスを抱いていたよ」



 メーリスがニンマリするとまんざらでもないようだ。



「あの……僕が置いてけぼりなんですけど」



 すっかり忘れていたクウガが近くによって握手を求めて来る。

 体付きも以前よりも大きくなったような、それでいでイケメンは変わらない。



「あれって事は。アリシアやクィル。ミーティア達も?」

「はい。それぞれ仕事などでバラバラですが帝国にお世話になっています。それよりも聞いて下さい!! 僕の呪いが解けたんです!!」



 呪い? ああ! ハーレムの呪いか。



「ええっと……おめでとう?」

「信じてませんよね。僕がお風呂入ると高確率で女性が入ってる。僕が剣の練習をすると草むらで女性が裸になっている。僕が飲食店に入るだけで、下着が振って来るとか。さらに色んな女性が僕にアタックをかけてくる事が無くなるんです! いえ、無くなったんです! たぶんですけど」



 男の夢である。

 前世で何をすればそんな事出来るん?

 俺なんて前世で事故で死んだのに、この世界でもクウガに殺される運命だったんだけど?


 いや、まてよ?

 前世で事故という不運だったから歴史を変えれたのか?



「おかしいですわね。アタックをかけられたのは、わたくしなはずですけど。晩餐会の後で飛空艇の今後を考えていたら貴方の手が私の肩におかれましたよね? そのまま、自然と部屋に連れ込まれたのですけど?」



 皇女サンがクウガとの秘め事をばらす。

 慌てるのはクウガのほうだ。



「い、いや。あれはその! サンさんが綺麗に見えてその……」



 慌てるクウガに俺は「手を出した。と」と思わず言うと小さく「はい……」と返事が返って来た。

 クウガらしいといえばクウガらしい。



「そんな事よりも、クロウベルさんがいるって事は事件ですよね! 手伝います!」

「なんで俺がいると事件なんだよ」

「違うんですか……?」

「うんうん、事件だよ。彼が持って来た話が興味深くて、サンさんが 王国に同行するって」



 俺は全力で否定したのにエーテルが補足をいれてくれた。

 余計な事を。



「サンさんが行くのであれば僕も行きましょうか? 護衛をつけないとですし」

「そうですわね。ではお願いしますわ」

「クウガとサンかぁ……」

「なんですの?」

「いや行きは2人だけど帰りは3人になっていたりして」



 軽いセクハラギャグだ。

 場を和ませるジョークを俺は頑張る。



「…………最低ですわね」

「クロウベルさんそれはちょっと」

「…………ごめん」



 俺の株が一気に下がった。

 だって、クウガだよ!? その可能性あるじゃん。

 それを軽くいじっただけなのに、コンプラが憎い。



「あっそうだ。魔剣見せてくれる?」

「突然すぎません!? クロウベルさんの頼みなら見せますけど……」



 俺がクウガから魔剣を受け取ると形を見る。

 アンジュの剣と似てるようで似てない……って事はアンジェリカに渡したほうがアレなのか。



「どうも」

「もう良いんですか?」

「うん。見たい所は終わった」



 俺がクウガに魔剣を返すと、メーリスと目が合った。

 すごい表情をキラキラさせている。

 怖い。



「な、なに?」

「うんうん。魔剣であればこのメーリスにお任せ! どんな武器でも作るよ! 何がいい? 剣先から水が出る奴? あっでも君だったら毒が出る剣のほうがいいかな? 人気なのは炎の剣。ただこれ問題があって鞘がないのよね」

「熱く語ってる所悪いけど、今は良い……」

「そ、そう? 欲しくなったらいって! 君だったら格安で作るから」



 そこは無料じゃないんだ。

 俺も無料よりは金額払った方が楽でいいけどさ。



「で。何時王国にいく? 俺としても勝手に拉致られて師匠と離れたし早めに帰りたいんだけど」

「明日にはつく。という距離ではありませんし……その」



 珍しくサンがはっきりしない。

 クウガがにこやかに笑顔を見せてくる。



「サンさんの誕生日会がありますもんね」



 ああ。31歳だっけ? 違うか確かまだ――。



「次で28歳ですわ。貴方いま変な数字を思い浮かべませんでした?」

「全然。見た目が若いよね」



 俺としては褒めたつもりなんだけど、クウガが小さく首を振ったのが見えた。



「若作り。と言いたいのでしょうか? まぁそうですわよね。貴方以前にわたくしの事を30過ぎといいましたし」



 余計な事を覚えてるもんだ。



「ええっとその……本当にごめん」

「はぁ……まったく、怒ってませんわ……出発は最短で4日後になりますが、先に聖都に戻りますか?」



 ざっと計算しなくても飛空艇の方が早い。

 俺はそれまで帝都で待たせてもらう事にした。



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