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負け悪役貴族に転生した俺は推しキャラである師匠を攻略したい  作者: えん@雑記


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第190話 よそ者の出しゃばり感

 俺が様子を見てきます! と、言っては見た者を。

 魔石磨き職人のジルなどが渋い顔をした。



「よそ者にそんな事はさせない……いや客人だったな」



 ジルがそういうと、他の男達も、そうだそうだ。と同調する。

 え。いや……ここは俺が……あっはい。


 確かに、集落で問題があったとして突然来た客人が問題解決って『一番嫌われる』かもしれない。

 俺だって実家で例えばアンジュが家出したとして、突然来た客が探しに行きますわ! って言ったら断る。



「ご、ごめん」



 恥ずかしい。

 ちらっと師匠を見ると目線を外した。

 そもそも師匠が言い出したんだしさ。



「客人は客人らしくゆっくりしてくれ」

「ふが!」

「長老もそう言っている」

「…………わかるの?」

「なんとなくな」



 ジルがそう言うと長老は「ふがふがふがふがふが!」と叫んでる。

 全然意思疎通で来てるように見えない。



「このように手当ての礼を伝えてる」

「ふが……」

「さて、女性おまえたち、客人に心配させるわけにも、マスカットは俺達が迎えに行く用意を」



 何となく俺と師匠はテントを追い出された。

 長老がいたテントには男達などが集まり、女性達も出たり入ったりと忙しそうだ。



「あの、師匠めっちゃ恥ずかしいんですけど『俺が探しに行きます』キリ。まで行ったんですけど」

「ワラワも断られるとは……それだけ安心な所なのじゃろ。よく考えれば分かった事なのじゃ」



 この場違い感。



「早めに出て行ったほうがいいかもなのじゃ」

「そうですね、地図貰いましたし」



 客人用のテントに戻り、師匠と今後の話を詰める。



「予定では師匠をここの集落に置いていって俺が薬を渡しに行く。ってのを考えたんですけど」

「所詮は招かざる客人だしなのじゃ。ドアホウについて行くなのじゃ」

「不倫されてもこまりますもんね」

「してたまるなのじゃっ!? 何時ワラワがドアホウと結婚したのじゃ!?」

「確かに、じゃぁネトラレ……それはそれで」



 あとでどんなプレイをしたのか涙目で報告する師匠の声を聞いてみたい!? 


 慌ててしゃがむ。

 頭があった所にフルスイングの杖が飛んで来たからだ。



「っぶない!? 当たったらタンコブ所が大けがするんですけど!?」

「したほうがいいじゃろ……」

「いや何ですけど……そのごめんなさい」

「ふん」



 師匠がどがっと座ると持ち物を調べ始めた。

 いつでも集落をでれるようにだろう。



「まっ明日の朝にしたほうがいいじゃろな」

「そうですね、その頃には問題も解決してるでしょ」



 ジルが迎えに行くって言っているんだ、さほど大したことでもないだろう。


 日本と違って暇をつぶすようなものは基本ない。

 本を読む、テーブルゲームをする、瞑想したり、訓練などその辺しかない。


 あとは寝るとか。

 別に料理などをして時間をつぶしてもいいけど、たき火で焼くぐらいだしなぁ。


 師匠のほうは手に持つの整理が終わったらしい、する事がないのか本を開き始めた。



「師匠、地図みてもらえません?」



 貰った地図を師匠に見せる。



「どれなのじゃ」

「これ、ナイの妹……名前は」

「セリーヌ」

「そうそう……どんな子なんです?」

「どんなっても可愛い奴じゃよ。最後に会ったのは100年以上前だしなのじゃ」

「もう死んでいるじゃ?」



 師匠は首を振る。



「竜は長生きなのじゃ。あのナイですら数千年は生きているのじゃ」

「え!?」



 確か子供の頃からナイと師匠達って一緒にパーティーを組んでいたとか。

 じゃぁ師匠も数千歳と言う事になる。


 ちらっとみると視線が合う。



「…………いうて、ワラワはそんなに歳じゃないなのじゃ。ナイの場合は一度転生しとる」

「というと?」

「それまでの記憶や力を全部剥ぎ取り、自ら卵に戻り生まれ変わる技法じゃ」

「便利っすね……師匠もそれします? 子供に戻った師匠を俺が育てますけど」

「普通にキモ」

「あの、なのじゃ。つけて貰えますか?」



 本気でへこみそう。

 そんなにキモくはないとおもうが、世の中には娘を育てるゲームが大ヒットした事ある。



「この辺の迷宮に転移の門があるらしいですけど、起動してるかは不明らしいです」

「ああ、ここにあるという事は。こっちにもあるはずじゃ。その対応中間にあるここじゃな」

「ここって」



 この地図には空白になっているが先ほど長老が出した地図にはドラゴンの絵が書かれていた場所だ。



「どうします?」

「どうもこうもないじゃろ。まぁセリーヌにあえば壊れた転移の門も直してくれる、これで帰りも安心じゃな」

「それは助かる。ここからストームの街に戻ってさらに砂漠こえは面倒、手紙を出して迎えに来てもらう手もあるんですけど……サンが来てくれるかどうか」

「こないじゃろ。呼ぶならアリシアじゃな。アレなら来てくれるはずなのじゃ」



 皆のお母さんアリシアだ。

 確かに師匠が呼んだら来てくれると思う。



 明日から予定を考え地図を閉まって夕飯まで時間をつぶす。

 俺達に夕飯を持って来たのは集落で最初にであったスルガという青年だ。



「お客人。悪いけどテントでいいかな?」

「別に飯を出してくれるならどこでも、明日には集落を出るよ」

「そうか……ごたごたしていて見送りも出来ないけど気をつけて」



 表情が暗い。



「長老は?」

「ああ。長老だったら手当が良かったのだろう熱は下がって今は安静にしてる。そこの女性改めて礼を」

「なに、気にするななのじゃ宿の礼と思ってくれなのじゃ」



 スルガは礼をてパンと食材を置いて帰って行った。

 食材は俺が鍋にして師匠と食べ本日も終わりだ。


 翌朝になり集落からのお別れた。


 見送りは女性達が数人。

 なんでも手の空いた男性はまだ帰って来ないとの事。


 何とも言えない空気の中ドー族の集落を出る。



「しかしなんじゃ」

「なんです?」

「ドアホウといると色々起きるというか」

「俺なんてまだ良い方ですよ。クウガのほうが凄いですし」

「…………まっあれはあれであちこちに手を出し過ぎじゃな」



 まったくだ。

 でもこの世界強い奴ほど子をなせるからなぁ。しかもクウガはイケメンだ。あっちこっちからモテまくる。



「俺は師匠さえいればいいんですけど。って前に言いましたっけ」

「ゆうてろなのじゃ、好意だけは受け取るのじゃ」

「どうも」



 途中で二晩過ごし、目的の迷宮前まで来た。

 大きな洞穴で階段が付いている、奥が見えなく魔力の風がほほを突き抜ける。



「ここですか」

「ここじゃな……内部は複雑でワラワも覚えてない」

「歳で?」



 背中に衝撃が走ると、俺は階段に落ちそうになる。



「あっぶ。危ないからね!? 師匠しりません!? 階段から落ちるだけで首の骨ぽっきりいって死ぬんですよ!?」

「死なぬように蹴ったなのじゃ。ドアホウの期待にそえるように蹴ったのなのじゃが。今度から無視したほうがいいなのじゃ?」

「………………あの次回も蹴ってくれると」



 師匠は冷たい目で見つめたまま息を吐く。

 うん。今日もイチャラブを出来た感じだ。



「とはいえ。ここから危ないのであれば」

「ドアホウがワラワを守るじゃろ?」

「ええ、まぁ」

「なら安心かの」



 そこまで言われたら俺としても張り切るしかない。



「水竜!」



 最初からクライマックスだ。

 水竜を召喚すると師匠に乗って貰う、最悪何かあった時は水竜の中に師匠を閉じ込めてやり過ごせるはずだ。


 俺もアンジュの剣を握りしめて迷宮に入った。

 第一層は氷の精霊がメイン。

 狂った氷の精霊で、吹雪などの攻撃をしてき実体がない分攻撃が当てにくい。


 第二層は逆に炎の精霊がメイン。

 やっぱり狂った炎の精霊で火炎や爆風で攻撃をしてくる。


 第三層は……その混合タイプ。

 そこで左足がなくなったスルガを発見した。



「旅人さん!? こんな所で……助けに来てくれたのか!?」

「ええっと……いや。この先に用事があって」

「僕の事はいい、この先にジルさんとマスカットがいるはずなんだ……助けれくれ!」

「いやでも。集落の問題に部外者が首を突っ込むのは」



 一度断れてるし別に俺がでしゃばっても。



「そこを何とか」

「俺にメリットないし」

「頼む! 集落に金はないが……そうだ! 娘達を渡そう」

「そこまで困ってないからね?」

「君だって若い子のほうがいいだろ?」



 ちらっと師匠をみてしまった。

 物凄い冷めた目で腕を組んで俺とスルガを見ている。



「その前に手当を、ねぇ師匠」

「若い子を連れてきてやって貰ったらどうなのじゃ?」



 うん。しっかり聞いていた。



「俺の魔法だけじゃ手当しきれないし」



 師匠がマジックボックスからポーションを出すと近くによって来た。



「たく……見にいくのは構わないが最悪な場合肉片すら持ってこれないなのじゃ。それでもいいなのじゃ?」

「…………わかった」


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