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負け悪役貴族に転生した俺は推しキャラである師匠を攻略したい  作者: えん@雑記


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第180話 クエストのダブルブッキング

 新しいテーブルで俺は契約書を書く。


 なんで新しいテーブルを使っているか? と、言うと汚いから。


 何所かのハッスルしたおっさんが、湯気が出ている赤パンツを置いたせいで使いたくなくなったから。

 美人姉妹から袋たたきにあった後、こうして別のテーブルを用意してくれた。


 誓約書の中身を考えて書いていく。


 1.失敗しても恨みっこなし

  2 .その代わり報酬は要らない。特に下着、あとハッスルのパンツだしたら契約を無効

 3.絶対にメルを守る事。

 4.メルの食事は1日3回デザートは忘れない事。

 5.メルが太らないように運動させること。

 6.メルの部屋を掃除させること。

 6.メルが――ぼきゃらぬら



 後頭部に痛みが走る。

 振り向くと師匠がスプーンを持っていてそれで俺の頭を叩いたのがわかる。


「師匠! なぜ突然暴力を!?」

「変な事書くななのじゃ! なんじゃこれは。特に5から6! まるでワラワがダメ人間みたいなのじゃ!」

「え!? 自覚無かったんですか」



 驚きの事実である。



「少なくとも片付けできませんよね?」

「手の届く位置に置いてるだけなのじゃ!」

「すぐ、食っちゃ寝しますよね?」

「別にいいなのじゃ」

「まぁ俺は多少太っていても気にしませんけど、俺が迷宮から戻って来たら体重が120キロの師匠が出て来たら笑いますけど」

「いくらワラワでもそこまで行か…………無いと思うなのじゃ」



 勢いがなくなった。

 魔力がない今はもしかしたら太りやすいのかもしれない。

 仕方がないから上から3番目までにしてハッスルに見せる。


 本当は師匠関係で100まで書きたかったけどしょうがない。



「これでいいのか君!」

「それでいいよ。そのアミュレットの場所だけ教えて、行ってくるから」

「私が説明しますね」



 美人姉妹の姉。スターシャがハッスルの代わりに説明しだした。

 このハッスルもういらないんじゃ?



「何かな? やっぱり赤パンツいるかね? そうか人前で恥ずかしいのであればこっそり渡してあげようじゃないか」

「いらないから」



 こっそりも何も、いらないけど公言したらこっそりではない。



「1個じゃ足りないというのか!?」

「何個もいらないから! いや1個もいらない! 説明早くして」



 俺が懇願するとスターシャさんは「では」と場所を教えてくれた。

 このストームの街から離れた場所にある砂漠の中心地点に逆ピラミットが埋もれているとの事。


 普通の冒険者では歯が立たず。さらに立ち入り禁止区域なためと、先ほど教えて貰った事を念押しされた。



「じゃぁとりあえず行ってくる」

「え。お客さんもういくの!?」



 驚くのは美人姉妹の妹のほうスターニャ。



「行かないと困るでしょ」

「私達のために……」

「いや、どこぞの英雄と違って俺は師匠のためにいくだけだから、師匠が絡んでなかったら放置してたからね」



 スターニャは頬を膨らませるが、姉のスターシャは慈悲の笑みを浮かべる。



「それでも救世主ですわ」

「失敗し足り間に合わなかったら困るから感謝は辞めて」

「はい」



 絶対わかってない顔だ。

 全力は尽くすよ全力は、でも世の中全力を尽くしても駄目な時は駄目で。

 そういうのが嫌で英雄とか嫌なの、どこぞの裏ボスに貰った剣だってその理由もあってアンジェリカにあげて来た。


 短く挨拶をして酒場『オリオン』を出た。

 オリオンが見えなくなった所でゆっくりと歩く、後をつけてくるのは3人。

 なんで解るのか? と言われると説明しにくいがわかる。


 あの変な血を飲んだせいもあるのだろう。

 昔から魔力が見えていた時あったけど気配などもよりわかるようなった。

 たまにだけど。



「よう兄ちゃん待ちな」

「てめえオリオンにいた男だな?」



 子分AとBが一歩前に来ると俺に向かって質問してくる。

 と、言う事は暗闇で顔が見えないが真ん中の男が。



「てめえら、そう一般人を怖がらせるんじゃねえ。オレの名は――」

「ドスケベだろ」

「てめえ! ドスのアニキの一番振られたくない名前を!」



 そうだったのか。



「待て。オレがやる。穏便に話そうぜ兄弟」

「なぜに兄弟!?」

「アニキ!?」



 ドスケッベルは口で「ちっちっち」と音を出した。



「あんな美人を連れてこの街に来るんだ。腕利きがどこかの貴族がどっちかだろう? さらにオリオンから出てきた。と言う事はハッスルの隠し玉にちがいねえ。あの冒険王ハッスルが見込んだ男だ」



 あのハッスルが冒険王とかマジか。



「いい話がある。あの女はいい女だが、お前が彼氏ならオレも手を引こう」

「え。まじで?」

「ああ、約束は守る。どうだい兄弟いい店があるんだ。てめえらは先に帰れ」



 手下AとBに命令すると手下は帰っていく。



「どうだい? これでオレは丸腰。それでも戦うのか?」

「…………いや、ついてくよ。本当は誘い込んでからの、とっちめて証文奪おうと思ったけど」

「はっはっは正直な奴だ」



 ドスケッベルの後をついて行くと半裸の女性が沢山いる地域につれていかれた。

 ド悪人かと思っていたら割と人気があるらしく女性から、寄って言ってよ。と手を引っ張られる始末だ。


 まぁそれもそうか。

 本当に極悪人なら処刑されるもんな。俺の様に。



「はっはっはっはっは」

「どうした? 急に笑い出して」

「いや、独り言。気にしないで」



 ドスケッベルが「ああ」と言ってはさらに路地の奥に行く。

 小さいバーに連れていかれた。

 一応警戒はするけど、とりあえず危険な感じはしない。


 カウンター席に座らせられると、奥に小さいステージがあり女性が楽器を弾きだす。


 老人のバーデンが俺とドスケッベルに同じビンから酒を注ぐ。



「奢りだ」



 飲まないといけない空気を合えて無視する。

 飲まないでいるとドスケッベルが「それもそうだな」と先に飲んだ。



「毒は入ってない。好きにしてくれ」

「で。俺を呼んだ理由は?」

「スターシャと結婚したい! 手伝ってくれ!」



 思わず絶句。

 いやまて……罠か?



「おかしいだろ、あの店を欲しいだろ?」

「誰が店が欲しいと言った……店はおまけだオレはスターシャを一目見た時から好きになった」

「うんうん」

「わかってくれるか!」



 わからないけどね。

 一応相づちはうつ。



「俺は裏社会の若手ボスだ……こんなやり方しか。だから偽の証文も作りスターシャと一緒になりたい。それが何がいけないんだ。だからスターアミュレット。それを取ってきて欲しい」



 クエストのダブルブッキング!?


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