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負け悪役貴族に転生した俺は推しキャラである師匠を攻略したい  作者: えん@雑記


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第168話 偽物と古代城の崩壊

 滅びの呪文、きっとカタカナ3文字で叫ぶと城が崩壊するような奴なんだろう。


 場所が分かったからと言って当然俺は行きたくない。


 だって『崩壊するんだよ?』今この古代都市城は地下にある。ここが崩壊した生き埋めだ。


 先ほど思い出した映画。


 あれだって主人公とヒロインは『自分たちが死んでも城を悪用されたくない』この気持ちの中唱えた。結果2人は死ななかっただけ。


 今ならこの初期設定で出てきた古代都市城の設定画像を皆が見てる間なら言える。



「じゃぁ裏クロウベルとナイ、ちょっと部屋を見てきて。俺は次の案を考える」



 どうだ!

 裏クロウベルは元々ここの住民。何で俺の姿パクってるか知らないけど死んだ所で俺は悲しくない、次に死んでいいのは誰もいない。

 であれば一番死ななさそうな奴がいくのがいい。


 わんちゃん生き埋めになっても元が竜なんだ冬眠ぐらいはするだろう。



「じゃぁ。ドアホウとクウガ行ってくるのじゃ」



 師匠が俺に死刑宣告を伝えてきた。



「師匠!? 俺の話聞いてました?」

「聞いた上での判断なのじゃ……ドアホウなら生き埋めになっても生きてそうだし、クウガはこちらにいるよりも地下に行っていたほうがいいなのじゃ」

「俺も死にますからね!?」

「その死にそうな所に自分を行かせようとしていた君の考えはずるくて好きだよ。それにきみ人間やめたんだろ?」



 嫌な所を強調しないでくれ。

 辞めたくて辞めたわけじゃないし、アンジェリカと裏アーカス引かないで。



「はぁ……わかりましたよ。これで死んだら毎晩師匠の寝姿……いや風呂とかトイレとか覗きに化けて出てますからね」

「気色悪い事なのじゃ、まっ死なんじゃろ」

「大丈夫です。クロウベルさんはどんな場所でも生き残ります英雄です!」



 クウガが俺の事を英雄とはやし立ててくる。



「英雄はお前だからな……俺は本当に地方の姑息な元悪役令息なのよ」

「クロウベルさんそれ毎回いいますよね」



 何度だって言うよ。

 運よく死ななかっただけの一般人。


 いや流石に一般人よりは強いか、とにかく一般人より毛が生えた程度の男なんだよ。

 だからこそ師匠の乳を練って一生まったり暮らしたい。



「じゃぁ裏クロウベル。そのタブレットをくれ」




 俺が手を出すとタブレットは再び俺の手に戻る。

 普通のマップでは無くて手書きの案みたいなやつなのでかなり見にくい。



「クウガいくぞ!」

「はい!」



 俺が動き出すと裏アーカスも立ち上がった。

 その手足はまだ切り傷というか若干かけている。



「え。ついてくるの?」



 俺の問いにコクンと頷くと2本の剣を腰に付ける。



「ええっと師匠」

「別に本人が行きたいのならいいなのじゃ……じゃが、クウガその孕ますなよ」

「ばっ! メルさん!? とんでもない事言わないでください《《時間ないですって》》!!」



 クウガの言葉に全員が押し黙る。

 時間があったらするのか? と。

 クウガも気づいたのだろう慌てて手を降った。



「ち、違います! 僕は真面目にですね」

「孕ませると?」

「クロウベルさん!!」



 クウガが慌てはじめると、師匠が双眼鏡で帝国側を見ていた。

 そっと視線を逸らすと俺達に向き合う。



「早めの方が良さそうなのじゃ。あの馬鹿皇子も今回復を受けてこちらを見ては笑っておったのじゃ」

「あーまた来そうですもんね。滅びと言うのが気になりますけど、この迷宮を再封印出来れば問題も解決かな? 行ってきます。裏アーカス、道案内できる?」



 俺が見るよりもこの城を熟知してる裏アーカスのほうがいいだろう。タブレットを裏アーカスに渡し王座の間から動き出す。

 俺の後ろに慌ててクウガがついて来た。


 王座の間から廊下に出る。

 イフの地下と同じような作りになっていて、ここも迷宮になっているのか突然に寝室が出たり次が風呂場だったとなどめちゃくちゃだ。



「もう1人で戻れる気しないですね」



 まったくだ。

 こういう時パーティーにMAP係が迷わないが俺もクウガもそんな能力は無い。


 地味な役割だけど物凄い優秀なんだよ? 独自の空間把握で地図に書き込む能力とか真似しようとしても真似できない。



「クウガよく王の間までこれたな……」

「城内に入る前に城外の壁を蹴って登ったので……あと扉空いてました」



 なるほど。

 確かに扉開けていたな。

 今度から閉めておかなくては、クウガはともかく変な皇子もそのルートから来たに違いない。


 城内を歩き回る。

 次の部屋は下着部屋だ。

 左右の壁にマネキンがあってランジェリーを着けている。



「これは、エグイですね」

「クウガあのなぁ、俺達は遊びに来てるわけじゃないんだ」

「って言いながらクロウベルさんだって穴の開いた下着凝視してますけど……」



 あるから見る。

 どこも守られていない下着だ。

 師匠が着たら似合うだろうな。



「アリシアが着たら……1個持っていっても」

「クウガさぁ」

「す、すみません!」



 俺も師匠に対して同じことを思っていたのでこれ以上は言わない。

 後俺はこっそりポケットにいれた。


 次の部屋は小さいお風呂場だ。

 先ほどの部屋から何かとんでもない空気になっている、だって部屋がピンク色なんだよ?


 俺もクウガも何も言わない。

 案内してるのが裏アーカスだし、何か言ってはいけない雰囲気。


 さらに次の部屋はどこかの酒場。

 普通の酒場ではなくてステージがあり真ん中に金属の棒がある。


 さらに次の部屋は拷問部屋。

 それも普通の拷問部屋ではなくて何か怪しい雰囲気がある。


 突き当りの扉の前で裏アーカスは止まった。

 俺もクウガも自然と足を止める。



「クロウベルさん……」

「ここだな」



 何もない扉。

 本当に普通の木製の扉。

 なのに異様な気配があるのだ。


 裏アーカスが扉を開けようとして触れない、いや触れられないのか。



「入れない?」



 静かに頷いた。



「まぁそれもそうか」

「どういう事です?」

「作り出された管理者にそれ以上の権限は無いって事」



 パソコンのデーターを直接いじれないのと同じだ。

 俺はドアノブを握ってみると、体全体に電気が走る。



「あばばばばばばばばばばばば!! ばっばっばばばば」



 俺の体に衝撃走って気づくとクウガの顔が目の前にある。



「クロウベルさん! 早く回復魔法を!?」

「ふぁ?」

「ふぁ! じゃないです。自分自身にです!」



 『癒しの水』クウガに言われるままに癒しの水を自分にかけると、何となく頭がはっきりしてきた。

 扉に特殊な魔法があったのか、師匠の電撃を食らった気分で頭がくらくらする。



「クウガ。マジで助かった……このまま電撃死する所だったな。んじゃクウガ開けて」

「…………今の見て僕が開けるんですか!?」

「いやだって他に人いないでしょ。裏アーカスは開けれないみたいだし俺も無理。なにクウガだったら選ばれた人間だから開けれる」

「適当に言ってますよね?」



 めっちゃ本気で言ってるけど適当と思われてしまう。



「本気だよ。クウガ駄目なら一度戻る、ほら裏アーカスもそう言ってるし」

「…………わかりました。本当に守ってくださいよ」



 クウガが気合を込めてドアノブを握る。

 固まったまま動かない。



「クウガ?」

「だ、大丈夫そうです……」



 ほらな。

 こういう所が主人公って言うんだよ。

 扉を開けて貰うと異空間に出た。


 嘘で言っているわけじゃなくて本当にそんな感じなのだ。


 小さい小学校ぐらいが入りそうな空間がありど真ん中に大きな魔水晶があった。



「万が一売りに出したら」

「国が作れそうですね」


 その根元に液晶画面が見えた、パソコンである。

 いくか……何となくそんな気はしていたけど管理者として打ち込むんだろう。



 封印は扉だけだったようで中には何もない。

 クウガを先頭に液晶画面の前に行くとクウガは俺を見て来た。

 操作してください。と目で訴えかけている。


 タッチパネル方式なのでフォルダをクリックしてファイルを探す。



「くそが!」

「何あったんです!?」

「いやこの城のファイルしかなくて個人設定のファイルがない。わんちゃん師匠との好感度あげれるかなって」

「…………ふぁいる? ふぉるだ? 良くわからないですけど」



 だろうな。

 クウガが一呼吸おいて真剣な目をしている。

 これ、俺が怒られる奴だ。



「すまっ」

「クロウベルさん! アリシアの好感度なんとかなりませんかね? 変えれるって事はあれですよね? もう少し僕に優しくというか変な優しさはあるんですけど……」

「…………よし探そう」



 俺とクウガが頷くと顔の目の前に剣が差し出された。

 黒い刀身に俺とクウガの顔が映り込む。

 もちろん裏アーカスだ。



「冗談だって……ねぇ」

「もちろん冗談ですって裏アーカスさん」



 液晶モニターのフォルダを指でタッチすると『消去しますか?』と文字が出てくる。

 ウインドウには『はい』と『いいえ』


 俺は黙ってクウガに席を譲る。



「うえっ!? クロウベルさん!?」

「嫌だって、こんな大事な事俺が決めていいわけじゃないだろ」

「決めてください! 『はい』押せばいいじゃないですか!」



 じゃぁお前が押せよ。

 と俺は全力で首を振る。



「クウガ押してくれない?」

「嫌です! 消去って言葉が怖いですし」

「俺だって嫌だって」

「勝った方が言う事を聞く!」

「石取りゲームにしない?」



 石取りゲームなら昔ノラに必勝法を教えて貰ってる。



「石ないですよね?」

「そこはほらそこの魔水晶を削って」



 俺とクウガが言い争いしてるとポチっと電子音が聞こえた。

 振り返ると裏アーカスがボタンを押したのが見えた。



『まったく次世代の英雄って優柔不断』

「は!?」

「えっ!」



 俺とクウガが驚く。

 だって裏アーカスが喋ったんだもん。



『帝国とイフの城はあと数分で崩れるわ、脱出口はあっち……偽物は偽物らしく地に眠る。友人達に会えた事に感謝』



 短く言うと2本の剣を俺とクウガに飛ばして来た。

 1本を受け取ると裏アーカスは首をクイと動かした床が凄く揺れて天井があちこち崩れてくるのだ。



「クウガいくぞ!」

「え。うえ!? で、でも裏アーカスさんが」

「アリシアに会いたくないなら残ってろ」



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裏アーカスさんがしゃべったぁぁぁ そしてお亡くなりのパターン 裏クロウベルはちゃっかり一緒に居そうな予感水分身で
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