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負け悪役貴族に転生した俺は推しキャラである師匠を攻略したい  作者: えん@雑記


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第134話 3人よればかしまし娘ぷらすワン

 部屋の中はまだ4人である。

 皇女サンが喋りだそうとした所で俺は手で一度、その皇女サンの発言を止めた。



「この場所の会話って盗み聞きされない?」

「防音設計ですわ。どんなプレイでも外にもれません事よ」

「それは親切設計だ、ねぇ師匠」

「ドアホウの断末魔も聞こえないわけなのじゃな」



 それは怖い。



「サンどうぞ」

「ではあの指揮官はアレックス。ああ見えても騎士団の副隊長なのですの」



 皇女サンの言葉に誰も何も文句はいわない。

 というのも、割とああいう人間は居たりするから。



「騎士の誇りが強く冒険者を嫌っていますわ、元々帝国は騎士はいますが冒険者も優遇しますの」



 自由の国。

 実力主義。

 そういう感じで呼ばれている帝都は俺が住んでいる王国領とは違う。

 俺がいた所は貴族寄りの国だしな、だからこそ俺みたいな悪役令息や令嬢が出来上がる。



「格下の冒険者に手柄をもっていかれるのがいや。と」

「そうですわね。手柄など帝国の発展を考えれば何も気にする事はないですのに」



 全員がお手手繋いで未来を願いのは無理だろう。

 クウガ当たりならそう思ってるかもしれないが、俺や師匠は現実よりだ。

 アリシアでさえその辺は少しわかってる。



「西の街の状況は?」

「では……西の街。と言っても名前は開拓中でまだ名前はないのですが帝国の人口が増え土地問題が起きます。そこで西の山を切り開き盆地を作りました。周りにあるのが複合型のダンジョンそこまでは大丈夫でしょうか?」

「知ってるのじゃ。元々帝国も帰らずの森を切り開き作った国だしのう。ようは迷宮の封印に失敗したのじゃな?」



 皇女サンが「ええ」と頷く。


 うーん。まったくわからない。

 メーリスを見ると視線をそらしてクッキーを食べている、まぁ技術屋だし皇女サンみたく政治もしてる人の方が珍しいよな。



「――ます? クロウベルさん?」

「えっああ! 聞いてる聞いてる。迷宮型の安全を見に行った冒険者が返ってこなくファントムドラゴンが出て来たんでしょ?」



 確かそんな事いってたきがする。



「はい。複合型ですわ。上は天然型、下は迷宮型複合……ですね。仮の街にいた冒険者が抑えに行きましたが多勢に無勢。クウガさん達は私達を逃がすために最後まで残ると……飛空艇で脱出まではよかったのですが、こちらが4連砲を撃つ時に魔力の乱れが……とても大きな魔力の消費で。隙をつかれて……この際ですから北に魔物事持って行く予定でしたが、現場指揮官の命令で……」



 4連砲が発動しなかったのは帝都で師匠が魔法を使ったからなきもしない。


 師匠の魔法って外部から魔力を使うって聞いたことあるし、さっきの巨大な嵐と雷だって周りの魔力を吸い取ってのことだ。


 そして現場指揮官というと、ああ、あのクソみたいな奴か。

 そいつが帝都に戻る。って言いだしたから俺達と会ったわけだな。



「わたくしの知っているのはここまでですわね」

「なるほど」

「指揮をしているアレックスはこのまま帝都に帰るでしょう。わたくしが問題視していた魔物を引き連れて帝都には行けない。もクリアしたようですし……このまま街は少しの間は封印でしょうね」



 封印か。

 言葉は重いが、ようは放置だ。

 残った人間は勝手に全滅してくれ。という話。



「もちろん、わたくしは直ぐに奪還作戦の提案をいたしますわ、冒険者ギルドにも再度」

「でも、そのおっさんが止めるんでしょ?」

「そのころには導入した冒険者は全員死んでるというわけじゃな……いや死んでいた方がいいという事なのじゃ」



 うっわ。

 あれか?

 たとえ生きていても次に街を取り返しに来た勢に粛清されるってやつか。

 師匠が言う言葉に皇女サンは、何も首を動かさない。



「わ、私の事は守ってよ!? サンさーん」

「大丈夫ですわ、メーリスさんの命は必ず守ります」



 安心したのかメーリスはテーブルに頭を乗せた。



「ですから。クウガさんアリシアさん。その他の人達は仮の街に残られています。あの空飛ぶ魔物……」

「ファントムワイバーンね」

「なぜ名前を……まぁいいですわ。あれほどの魔物が出たいま、迷宮の封印は失敗したとしていいでしょう」



 重たい雰囲気だ。

 


「で、あのクソみたいな指揮官アレックスだっけ? 事故に見せかけて殺したら?」

「………………物凄い事いいますのね」

「冗談だよ……師匠の話なにかあります?」

「ワラワか?」



 黙っていた師匠に話を振ってみる。



「こう言うのは一番としくってる年輩な年の功のぐはっ!?」



 俺の脇腹に重たい一撃が飛んで来た。

 椅子から転げ落ちると、師匠が杖を出していて俺の脇腹を思いっきりどついたらしい。



「痛い、痛い、いた……『癒しの水』うう、師匠知ってますか? 癒しの水は切り傷、打撲、術者の内臓系に効果あるだけで痛み消えるの遅いですよ!?」

「知っとるのじゃ……要は迷宮型ダンジョンを封印すればいいじゃろ?」



 簡単言うが、無理だろ。

 俺だって迷宮型のダンジョンを攻略したけどヴァンパイアのボスを倒してもいずれは復活する場所だし。


 俺はやっと痛みが治まって椅子に座る。



「無理でしょ。師匠とうとうボケッぐあっ!?」



 脇腹に痛みが走り椅子から転げ落ちる。

 痛い、痛い、痛い、痛い。

 同じ場所!?

 同じ場所に杖の攻撃が飛んで来た。

 これ絶対にあざになる奴。

 


「貴方……本当に懲りませんわね」

「あんたさー女性にそういう事言うの良くないよ?」



 痛みの中回復魔法をかけて師匠を見ると、師匠も少しバツの悪い顔をしていた。



「別に同じ場所狙うつもりはなかったのじゃが……すまんなのじゃ。ドアホウ迷宮ボスはわかるのじゃ?」

「ボスか……」



 ゲーム内で制空権を取った後、街作りに入るが別にボスまでは知らない。

 近くにあるダンジョンでは敵がでるだけで実入りが少ないだけ覚えてる。



「俺が知ってるのはレア素材が出るアイテムを落とす敵が出るぐらいで、いなかったような」

「………………あの。仮の街に近い複合型ダンジョンはつい最近発見されたんですけど、なんで貴方がっ!?」



 皇女サンが語尾を強くして抗議してくる。



「落ち着くのじゃ。ドアホウの毎度の事なのじゃ」

「サンさーん、おちつこ。この人さ、前のスーの村でもこんな感じだったし」

「…………そうでしたわね、このさい細かい事は置いておきましょう。では自然に縮小されるのでしょうか?」

「あっ!」



 俺が思わず立ち上がった。

 3人の視線が俺を見る。



「なんじゃ」

「どうなされました?」

「いや……ええっと……ボスいるかも」



 と。いうのも。

 『マナ・ワールド』のバージョンアップで迷宮にボスが追加される予定だったからだ。追加される前にサービス終わったけど。




 ――

 ――――



 作戦が終わり時間が過ぎる。

 一刻も早く出発したいが初手が肝心だ。


 部屋が荒々しくノックされる、このノックの音はアレックスというおっさんだろう。


 俺と師匠は扉側に立っていて師匠は俺に黙ってうなずいた。

 ノックに対して返事がないので、さらに乱暴なノックが聞こえてきた。



「……姫様! 開けますよ!」



 扉が開くと同時にアレックスの体が一転を見つめて固まる。

 そこには皇女サンとメーリスが体を縛られて横にされていたからだ。


 扉の横にいた俺はアレックスの体に銃を突き付けて撃つ。

 この銃は依然メーリスが作った魔水晶をエネルギーとした電撃銃、スタンガンの協力版みたいなものだ。


 カチカチカチカチカチカチカチ!

 引き金を連打し、魔水晶の色が白から透明になるまで打ち切った。



「ん!? んんん!?? んーーー!?」



 口に布をしているメーリスが叫ぶが気にせず連続で撃つ。



「なんっ!? あががががががががががががががが!?」



 体をビクビクしながら意識がなくなったアレックスを縛り上げた。

 師匠がメーリスの口布を取ると驚いた顔で喋りだした。



「ちょっと! その魔石銃。1発で普通の人がしびれで動かなくなるぐらい強いんだけど!?」

「そ、そうだっけ? いや。やな奴だったしつい連続で……ほ、ほら多分死んでない。じゃぁ……ええっとそういう事で」



 騒ぎを聞きつけたのだろう、他の兵士が走ってきた、手にはすでに剣を抜いている。

 その男の前に俺は気絶したアレックスを盾にする。



「道を開けろ!? こいつがどうなってもいいのか!」



 若い兵士は俺と気絶したアレックスを見ると、構えていた剣を抑えた。


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