第56話 わからないこと
「ははは。
なるほど。
目撃霊か。
それは面白い発想だね」
「笑いごとじゃないよ。
スガワラさんからも言って欲しいよ。
そんなの無駄だって」
僕は書斎の机に腰掛けると、
缶コーヒーを開けて
ゴクゴクゴクと一気に流し込んだ。
「ところで。
この前ここに来たあの子が、
同居人の名探偵、幻夜くんかい?」
「うん。
名探偵と呼べるかどうかは
半信半疑だけどね・・」
「ははは。
それにしても。
よく信じたねぇ。
霊が見えるっていう君の話を」
「人間的に変なんだよ、あいつは」
僕は溜息を吐いた。
「それで。
目撃霊は見つかったのかい?
えーっと・・。
君のことはワトソンくん、
と呼べばいいのかな?」
スガワラさんはどこか楽しそうだった。
僕は眉間に皺を寄せた。
「笑えない冗談だね。
どうして僕があいつの助手になるのさ。
それに。
目撃霊を探してたわけじゃないからね。
教室の掃除を手伝ってたんだ」
僕は空になった缶コーヒーを机に置くと、
小林とのやり取りを説明した。
「ふむ。
小林くんは盗撮は認めたものの、
『ミモザ』であることは
否定したんだね」
「うん。
でも小林が本当のことを
話してるか怪しいけどね」
「嘘は吐いていないと思うよ。
彼は『ミモザ』じゃないよ」
スガワラさんはそう断言した。
「どうしてわかるの?」
「実はあれから。
あの盗撮画像をもう一度調べたんだよ。
すると面白いことがわかってね。
『ミモザ』の投稿した画像は
盗撮画像じゃない。
すべて巧妙に加工されたモノ
だったんだよ」
「えっ!」
僕は驚きのあまり
すぐに反応できなかった。
では一体『ミモザ』は誰なのか。
それに・・。
「あのさ。
妻鳥を殺したのは
『ミモザ』なのかな?」
僕は気になっていた疑問を投げた。
「どうだろうねぇ」
スガワラさんはそう言うと頭を掻いた。




