第35話 痕跡
「誰かいたの?」
トマトジュースの入ったコップを持って
部屋に戻ると、
幻夜が立ったまま部屋の中を
キョロキョロと見回していた。
「そ、そんなわけないだろ?」
「ふうん。
さては・・。
如何わしいことでもしてたのね」
「ば、馬鹿なことを言うなよ」
僕は平静を装ってコップを差し出した。
幻夜はそれを受け取ると
ベッドボードに置いてから
ベッドにドンッと腰を下ろして
足を組んだ。
桃花色の短パンからは
今夜も艶めかしい太ももが覗いていた。
「それで。
話って何?」
「えっ?
あ・・ああ」
僕は慌てて視線を外すと机に座った。
「実はさ。
妻鳥のことなんだけど・・。
あれから僕なりに考えたんだ。
僕も彼女がなぜ自殺を選ばなければ
ならなかったのか知りたい・・」
幻夜が僕の方を見て目を瞬かせた。
「何よ?
昨日は
『あまりいい趣味とは
言えないと思うけどね』
なんて私を責めてたくせに」
「そ、それは・・」
気まずくなった僕は幻夜に背を向けて
モニターに向き直った。
「えっと・・。
とりあえずこれを見てよ」
それから僕は
『ピーピングトム』
にアクセスして画像掲示板の中の
『マイワイフ』のスレッドを開いた。




