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異端者達のメメント・モリ ~冬の始まり  作者: Mr.M
四章

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34/57

第34話 3人寄れば・・

時計の針が

コチコチコチと時を刻んでいた。


「もし彼女が自殺をしたのなら。

 僕はその理由が知りたい・・」

「ははん。

 わかったぜ。

 お前は『ミモザ』の野郎が投稿した

 あの5枚の盗撮画像が

 自殺の原因だと考えたわけだな?」

僕は頷いた。

「そういや。

 あの盗撮画像は全部校内だったろ?

 とするとだ。

 『ミモザ』って野郎は

 お前の学校の生徒っていうことに

 ならねえか?」

「・・うん。

 多分クラスメイトの誰かだね」

「おいおい・・マジかよ。

 最近の中学生はどうなってるんだよ。

 世も末だぜ」

白いレジ袋の口許が大きく膨れた。

「兄ちゃんに

 それを言う資格はないけどね」

「そんなことより。

 『ミモザ』に心当たりはねえのかよ?」

「うん・・。

 一応、容疑者は5人いるけど・・。

 っていうか。

 兄ちゃんも意外と頭が良いんだね」

「バカヤロウ。

 これでも幼稚園までは

 俺の方が立夏よりも

 頭が良かったんだぞ」

そう言って白露は

白いタンクトップの胸元を

パンッと叩いた。

「でもよ。

 妻鳥を自殺に追い込んだ可能性のある

 『ミモザ』を探すってことは、

 言い換えれば

 友達を疑うってことだろ?

 お前にできるのか?」

「う、うん・・。

 僕だけの力じゃ無理だと思うんだ」

「ヒヒヒ。

 なるほどな。

 どうやらこの俺様の出番・・」

「だから。

 幻夜に相談しようと思うんだ」

「へっぷっ」

白いレジ袋から

空気が抜けたような音が漏れた。

「おいおいおい。

 ちょっと待てよ。

 何で俺様じゃなくて

 202号室の彼女なんだよ?

 たしかに転校生という点では

 先入観なく

 調査ができるとは思うけどよ。

 にしてもだな・・」

「彼女・・探偵なんだ」

「へっぷっ」

ふたたび白いレジ袋から

空気が抜けたような音が漏れた。

「た、探偵だって?

 冗談はやめろよ。

 ヒャッヒャッヒャ」

「・・それが普通の反応だよね」

僕は小さく溜息を吐いてから

コップに口をつけた。


時計の針が

コチコチコチと時を刻んでいた。


「ひぃ。

 驚いたな。

 あんなに可愛い子が探偵とはな」

「別に外見は関係ないけどね。

 それに。

 いくら外見が良くても

 性格がアレじゃね」

「ヒヒヒ。

 わかるぞ。

 お前くらいの年頃だと

 自分の気持ちに

 素直になれねえんだよな」

「はぁ・・。

 残念だけど。

 僕は素直でお淑やかな子が好きなんだ」

「その言い方だとまるであの子が

 捻くれてがさつな子みたいじゃねえか。

 そんな子には見えねえぞ」

「兄ちゃんは人を見る目がないからね」


「リーリー。リーンリーン」

その時。

ドアホンが鳴った。

部屋の時計は20時20分を指していた。

「こんな時間に誰だ?」

白いレジ袋から覗く2つの目が

不思議そうに2度パチパチと瞬きした。

「あっ!

 さては・・。

 噂をすれば何とやら。

 美しき名探偵だな?」

「だ、誰でもいいだろ。

 兎に角。

 兄ちゃん、早く出ていってよ!」

「へっぷっ!

 ここに居たらダメなのか?」

「当たり前だろ!

 兄ちゃんがいたら

 気になって話せないだろ!」

「何でだよ?

 俺様も協力してやるよ。

 3人寄ればお猿の何たらって言うだろ?」

「そうだとしても!

 兄ちゃんのことを

 彼女に何て説明するんだよ!」

「リーリー。リーンリーン」

ふたたびドアホンが鳴った。

「ほら!

 早く!

 出ていってよ!」

僕は白露に念を押して

急いで玄関へ走った。

ドアスコープを覗くと幻夜の姿が見えた。

僕は背後を振り返った。

廊下の奥のリビングキッチンへと

消えていくずんぐりした背中が見えた。

「ちょ、ちょっと待って!

 今開けるから!」

そう叫んで僕は鍵を開けた。

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