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異端者達のメメント・モリ ~冬の始まり  作者: Mr.M
四章

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33/57

第33話 追憶

元々。

1年生の3学期まで僕と妻鳥は

それほど親しかったわけではない。

言葉を交わしたのは・・数える程度。

だから。

3回目の『Dゲーム』で

お互いに奴隷になったあの日の放課後。

少女に告白されて僕は大いに戸惑った。

そして同時に胸が高鳴った。


僕達は春休みに入って

一度だけデートをした。

宿禰駅で待ち合わせて

駅ビルの中にある映画館に行った。

彼女が観たいと言っていた映画は

R18指定の外国映画だった。

堂々とチケットを買う彼女の後ろで

僕の足は小さく震えていた。

無事に映画を観ることができたものの、

そのあまりの過激さに

僕は終始自分を抑えるのに必死だった。

映画館を出たところで彼女が

「ちょっと刺激が強すぎたね」

と言って恥ずかしそうに微笑んだ。

その笑顔に僕は心臓がキュッと

締め付けられるような

不思議な感覚に陥った。

その後。

僕達は領家町にあるカフェ

『Double Jeopardy』に立ち寄った。

その時。

初めて僕はアイスコーヒーに

シロップを入れずに飲んだ。

その苦みは僕にとって今では

甘すぎる初恋の味となっていた。


春休みが終わり

2年生に進級してしばらくして。

僕は妻鳥から相談があると言われた。

放課後。

圭太と良司の目を盗んで僕達は

『Double Jeopardy』に行った。

しかし。

この日、

妻鳥は相談内容については

何も話さなかった。


そして5月になった。

GWが明けると

僕に対する妻鳥の態度が

急によそよそしくなった。

休み時間に話しかけても、

曖昧な返事をするだけで

すぐにその場から離れていった。

彼女は明らかに僕を避けていた。

その理由がわからず僕は混乱した。

2人の関係については

圭太や良司にも話していなかったため、

僕は1人で悩んでいた。

そんな中。

一度だけ

兄の白露に愚痴ったことがあった。

「女心と食欲の何たらって言うだろ?

 特に思春期の女は魔女と同じだからな。

 いちいち気にしてたら身が持たねえぞ」

白露はそう言って

白いレジ袋に覆われた口許を

クシャっと潰した。


気付けば6月になっていた。

そして6月3日。

妻鳥は帰らぬ人となった。

それから4日後。

僕は偶然、

『マイワイフ』のスレッドを発見した。

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